レッドブル・ホンダF1、独自のDASシステムの開発を断念
レッドブル・ホンダF1は、メルセデスが採用する(デュアル・アクシス・ステアリング)を独自に開発することを断念したようだ。

FIA(国際自動車連盟)が、DASに対するレッドブル・ホンダF1の抗議を棄却した後、レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、DASは“再現するのは難しい”システムではあるものの、チームとして“開発するかどうかを議論している”と述べていた。

しかし、新車RB16の問題に対応することを迫られたことで、独自にDASを開発していくことは見送ったようだ。

ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は「スペインのテストのときは話に出てましたし、オーストラリアの開幕は中止になりましたけど、3月の時点ではありましたけど、最近はさほどレッドブルのなかではDASの話は出てきませんね」と F1 GPニュース で語った。

「それよりも、やっぱりレッドブルの車体とホンダのパワーユニットのパッケージをどうやってメルセデスの戦えるためのパフォーマンスを上げていくかというのがメインですね」

「ひとつでもコーナーちゃんと見極めて、速く走ることに集中しないと。DASはある程度出来上がったクルマで効果がみれる。そういった意味では今のレッドブルでは優先順位は低いと思います」

ヘルムート・マルコも「今のところ、DASはテーブルから外れている」と Auto Motor und Sport にコメント。

「まずはシャシーの問題を解決する必要がある」

実際、前戦F1ハンガリーGPでメルセデスに圧倒的な強さを見せつけられた後、レッドブル・ホンダF1は、RB16の空力問題に苦しんでいることを認める。

「今は何が機能して、何が機能していないかを把握している」とヘルムート・マルコは述べた。

「我々はその根拠に基づいて開発を続け、できる限り早くにエラーを修正していく」

「だからこそ、すべての新しいパーツを一度にマシンに搭載するのではなく、どこかに間違いが潜んでいるかどうかを確認できるように、1つずつマシンに搭載していく」

フェラーリも2020年マシンに苦戦しており、この状況は、当面はメルセデスが事実上ライバルなしに戦っていくことになる。

元メルセデスのモータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグは「それがすぐに変わるとは思わないし、シルバーストンで変わることはないのは確かだろう」と語った。

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハもノルベルト・ハウグの意見に同意する。

「シルバーストンは非常に高速なトラックであり、メルセデスとレーシング・ポイントが再び上位にいると予想している」と ラルフ・シューマッハは Sky Deutschland にコメント。

ヘルムート・マルコは、メルセデスが2020年シーズン序盤にこれほど明確に支配していることに驚いていると語る。

「なぜメルセデスはその優越性をそれほど公然と示しているのだろうか?」とヘルムート・マルコは疑問を呈した。

「我々の全盛期には(マックス)モズレーとバーニー(エクレストン)がすぐに我々を減速させていたので、我々はそれほど露骨にリードしようとはしなかった」

しかし、ラルフ・シューマッハは、すでにメルセデスは実力を隠していると考えている。。

「昨シーズンの中盤から、メルセデスは最大のポテンシャルの80%しか示していなかったと私は固く信じている。それは今も同じだと思う」とラルフ・シューマッハは語り、今年もルイス・ハミルトンがチームメイトのバルテリ・ボッタスを倒し続けていくだろうと予想する。

「彼(ハミルトン)はプレッシャーのもとでとてもうまく働いている。残念ながら、彼のチームメイトにはそれができない」とラルフ・シューマッハは語った。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1