レッドブル・ホンダのF1タイトル獲得を予想するのは短絡的?
F1プレシーズンテストの結果を踏まえてレッドブル・ホンダが2020年のF1タイトル獲得を予想するのは短絡的かもしれない。Auto Motor und Sportは、F1バルセロナテストのデータ分析からメルセデスが最速のマシンだと推測する。

Auto Motor und Sportは、F1バルセロナテストの各チームの新車のパフォーマンスを、ラップタイム、GPSデータ、使用したタイヤの種類、燃料負荷、エンジンモードの推定値を複数のエンジニアとともに分析した結果を公表。

F1バルセロナテストでは、メルセデスのバルテリ・ボッタスがC5タイヤで1分15秒732をマーク。2番手にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがC4タイヤで1分16秒269で続いた。

最終日の同じ条件は、バルテリ・ボッタスがC5タイヤで1分16秒196を記録。ピレリのF1責任者マリオ・イゾラはC5とC4のパフォーマンスギャップは約0.45秒と見積もっており、仮にそれが事実だとすれば、第2週の最速はレッドブル・ホンダということになる。

しかし、Auto Motor und Sportは、現時点での最速マシンはメルセデスW11だと分析する。2番手にはレッドブル・ホンダRB16だが、2チームの間には0.3秒の差があるという結果を出した。

だが、レッドブル・ホンダのタイトル獲得のライバルとなるフェラーリはスタートで出遅れている。Auto Motor und Sportの分析によると、フェラーリSF1000は、レッドブル・ホンダよりも0.3秒遅いと分析している。

メルセデスのF1バルセロナテストの欠点は、ウィリアムズを含めて4回発生したエンジントラブルかもしれない。それでも、メルセデスは6日間のテストで最多となる903周(4203.465 km)を走破。同じカスタマーであるレーシング・ポイントF1チームにはトラブルは発生しなかった。

昨年、ルイス・ハミルトンは年間使用基数内で唯一の全戦完走でシーズンを終えており、テストでエンジンにトラブルが発生したからと言って、メルセデスのタイトルが危ういと考えるのは楽観的過ぎるかもしれない。

レッドブル・ホンダの唯一の懸念もF1エンジンの信頼性だ。ホンダは2015年にF1に復帰してからまだシーズンを年間制限基数内で乗り切ったことはない。ただし、2020年に向けてホンダのF1エンジンは昨年の10倍もの距離をベンチテストで走破しており、今年は年間使用基数内でペナルティを受けずに乗り切ることを目標にしている。

だが、マックス・フェルスタッペンは、ホンダF1に期待していると語る。

「ホンダF1は大きな進歩を遂げている。それだけでなく、彼らはエンジンの信頼性に非常に焦点を当てている。彼らは本当にうまくやっている」とマックス・フェルスタッペンは語る。

「また、彼らは本当に構造化された方法では働き、全員がやるべくことをわかっている。もちろん、レッドブル内のチームもそれを好んでいる。コラボレーションが始まったときには何を期待していいかわからなかったけど、僕たちはうまく協力している。うまくはまっているし、全員がお互い問題なくやっている。それがとても重要だと思う」

「彼らは僕ができる限りベストを尽くすことを期待してくれている。逆に僕もチーム、そして、ホンダF1に期待している」

アレクサンダー・アルボンも「マシンには、最初の周回から力強さを実感できて、初日から満足しているけど、開幕戦が始まるまでは状況は分からない」とコメント。

「メルセデスは間違いなく速いし、フェラーリも好調そうなので、それぞれの立ち位置を見極めるのはとても難しい」

昨年末は、レッドブル・ホンダはシーズン終盤に勢いを増し、メルセデスにコース上で勝利を争えるまでに進歩を果たした。今年は昨年とは異なりプレシーズンテストからその勢いを維持。だが、ライバルのメルセデスも決してパフォーマンスを下げているわけではなく、最終戦ではポール・トゥ・ウィンで圧勝している。

レッドブルとホンダが昨年同様にメルセデスとまた勝利を争える状態にあるのは確かだろう。2020年のF1世界選手権がオーストラリアで予定通りに開幕するかはまだ不確実性が残るが、興味深いシーズンになるのは間違いないだろう。

Auto Motor und Sport 2020年F1バルセロナテスト分析
1. Mercedes
2. Red Bull + 0.3 s
3. Ferrari + 0.6 s
4. Racing point + 0.8 s
5. McLaren + 1.1 s
6. Renault + 1.2 s
7. Alpha Tauri + 1.4 s
8. Haas + 1.5 s
9. Alfa Romeo + 1.6 s
10. Williams + 1.7 s

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1