エイドリアン・ニューウェイ レッドブル F1
レッドブルのチーフ・テクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイが、今年が最後のイギリスGP開催となるシルバーストン・サーキットの思い出を語った。

エイドリアン・ニューウェイ (レッドブル)
1973年のシルバーストンGPが僕が初めて観戦したF1レースだった。両親と出かけ、ウッドコート・スタンドの席で観戦した。父親が買ってくれたハンバーガーをスタンド席の下に落としてしまって、地面に落ちたハンバーガーを拾いに走ったのを覚えている。レースがスタートすると、ジャッキー・スチュアートが一番最初に目前に現れた。1周目の最後には他を何マイルも引き離したダントツのトップだった。

しかしその後、ジョディー・シェクターが僕たちの目の前でコントロールを失い、12台ぐらいのアクシデントを引き起こした。まだ子どもだったから、本当に怖ろしい事故に見えた。死んだ人がいるのではないかと思ったが、奇跡的に脚を骨折した人がひとりいただけで、全員がクルマから降りてきた。初めてのF1観戦としてはとてもドラマチックだったね。それ以来、レースの虜になったんだ。レッドフラッグが振られて、再スタートになった。圧倒的にレースをリードしていたジャッキーが優勝しなかったのは驚きだった。スピンオフしたのだと思う。当時はまだ13か14歳だったので、あまり良く覚えていないけどね!

今回が最後のシルバーストンGPになるかも知れないのは悲しい。僕にとっては思い出深いサーキットだ。レイトンハウスやウィリアムズの時代には良いレースを経験している。1991年には、僕が初めてデザインしたウィリアムズでナイジェル・マンセルが優勝した。『マンセル・フィーバー』まっただ中だったので、大勢のサン誌の読者がナイジェルの応援に来ていた。その後も良いレースがいくつかあり、沢山の幸福な思い出がある。シルバーストンこそイギリスGP開催にふさわしいサーキットだ。政治的な理由でサーキットが変わるのは大変残念なことだと思う。

開催日程:2009年 F1 イギリスGP

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1イギリスGP