アストンマーティン 「レッドブルとのF1活動は会社に価値をもたらす」
アストンマーティンのCEOを務めるアンディ・パーマーが、2018年からタイトルスポンサーに拡大することになったレッドブル・レーシングとのパートナーシップについてF1公式サイトで語った。
レッドブルは25日(月)、アストンマーティンがタイトルスポンサーに就任し、2018年から『アストンマーティン・レッドブル・レーシング』として参戦することを発表した。
F1シンガポールGPの週末には、ポルシェがレッドブル・レーシングを買収してワークス参戦すると噂が広がったが、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「我々にはF1エンジンを製造していないOEMとの関係がすでにある」とアストンマーティンとの関係強化を示唆していた。
アストンマーティンは、2016年にレッドブルのスポンサーに就任し、ハイパーカー「ヴァルキリー」をレッドブルと共同開発。デザインは、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイが手掛けている。
シンガポールにはそのアストンマーティンのCEOを務めるアンディ・パーマーが姿を見せていた。その件について質問されたアンディ・パーマーは「シンガポールにはデュラン・デュランを見に行ったんだよ」と冗談交じりにコメント。
「だが、もちろん、私がシンガポールにいたのは理由があった。私のリストの2つのことをチェックしたかった。クリスチャン(ホーナー、レッドブル チーム代表)と来年の我々のチームとの関与について話をしていた」
「我々はフォーミュラ1を気に入っている。我々のブランドにとって良いことだ。レッドブルと協力したヴァルキリーは進化している。スーパーカーとしてだけでなく、このクルマにFマシンのテクノロジーをどのように活用することができるか? 当然ながら、彼らとより多くのことに取り組んでいこうという意向がある」
アストンマーティンは、2021年に導入が予定される新しいF1エンジンレギュレーションによっては、エンジンサプライヤーとしてF1に参入することに興味を持っていることを以前から示唆している。
「その一方で2021年にはエンジンのルールが変更される可能性がある。我々はエンジンメーカーであり、ルールが大きく変化し、我々のような会社がエンジンを開発する余裕ができるようにコストが下がれば、我々はエンジンを開発したい。我々の主なカスタマーとともにF1への独立したエンジンの供給者になりたいと思っている。もちろん、それは我々の友人であるレッドブルだ」
「それら2つのことには線が引かれている。現在、我々はスポンサーであり、革新的なパートナーだ。これはもう少し成長していくかもしれないが、どの程度はF1の方向性によって異なってくる」
以前、日産自動車の副社長を務めていたアンディ・パーマーは、インフィニティがレッドブルのタイトルスポンサーに就任した際にレッドブルと仕事をしている。
「以前の職場(インフィニティ)で私はすでにクリスチャンやエイドリアン(ニューウェイ)と働いていたし、エイドリアンは市販車をやりたがっていた。私はアストンマーティンを世界的な会社に変えようとしている。変化のシンボルを必要としていた。そして、エイドリアンはシンボルを作りたいと思っている。我々はクルマを設計し、生産に組み込む方法をしっている。エイドリアンはそれをエンジニアリングする方法を知っている」
「我々はそれに名前をつけた。ヴァルキリーはかなりセクシーな名前だ。戦場で英雄を選り分けた神々の侍女。選ばれし者たちだ! 実際、驚いたことに名前は私が決めた。通常であれば、そのようなことは私の仕事ではないがね。ヴァルキリーは私のものだ!(笑) 我々のクルマはVで始まる名前を使用してきた歴史がある。辞書をめくって、“Wow、ヴァルキリーという響きはクールだ”と考えたんだ」
販売価格は4億円ともされるヴァルキリーだが、コンセプトカーが公開された段階で公道仕様の150台はすでに完売。だが、アンディ・パーマーはレッドブルと第2弾となる後継モデルを開発していくことを明らかにしている。
「シンガポールでさえ、人々は1台買えないかと問い合わせてきた。残念ながら、答えはノーだ。安いクルマではない。公道で150台、サーキットでは25台しかない。良いニュースは、我々が成長している会社だということだ。今後、多くのクールな製品を生産していく会社だ。なので、ヴァルキリーを手に入れられずに落胆している人々は、将来なにかを手に入れるチャンスがあるだろう。ヴァルキリーは将来の多くのプロジェクトの扉を開くことができる」
レッドブルとほぼ同じタイミングで、メルセデスAMGも公道F1カーという同じコンセプトで『プロジェクト ワン』というモデルを発表している。
「ヴァルキリーの決断を下した際、我々はメルセデスがプロジェクト ワンに取り組んでいることを知らなかった。噂はあったが、それについては考慮していなかった」とアンディ・パーマーはコメント。
「彼らはプロジェクト ワンという素晴らしいクルマをもたらしたが、技術的な見地では異なる場所にいる。ジャーナリストに2台を比較してもらおう。興味深いね。面白い走行テストになるだろう。我々のものはこの世界から抜け出しているように思う。巨大なエンジンを積んだ我々のクルマは、シャシーと空力という点でフォーミュラ1だ。彼らはF1のパワートレインに比較的保守的なボディを市販車に落とし込むことを選んだ。そこは興味深い。2台を並べたら興味深いだろう。私は我々のコンセプトが好きだがね!」
アストンマーティンと言えば、映画007でジェームス・ボンドが乗っているクルマというイメージが強い。だが、アンディ・パーマーは、アストンマーティンのDNAはモータースポーツにあり、F1はアストンマーティンを物語るストーリーテリングの役割を果たすと考えている。
「ジェームス・ボンドは素晴らしい。我々はそれを愛している。だが、映画のなかだけで定義することはできない。世界のいくつかの地域、時に我々にとって新しい地域では、ジェームス・ボンドによって我々が定義されることもある」とアンディ・パーマーはコメント。
「我々の歴史、我々のDNAはレースにある。アストンマーティンは、アストン・ヒルでのライオネル・マーティン・レーシングだ。我々の名前でもレースをしている。我々はWECのレースを好んでいる。それは続けていくことになるだろう。だが、F1はその全てを異なるレベルに連れて行く。中国のような場所は特にそうだし、米国にもある程度広まる。F1は米国では比較的小さなスポーツだが、それでも多くの人々がいる。フェラーリでそれを見ることができる。フェラーリはF1で定義されている。F1でも定義され、ル・マンでも定義され、ジェームス・ボンドでも定義される会社はどうだろう? 実際には1つだけでなく、3つのストーリーテリングの柱がある!」
「4歳のときに父にシルバーストンに連れて行ったもらって以来、私はF1のファンだった。だが、F1への参入は感情的な決定であってはならない。ビジネス上で決定でなければならない。そして、我々にとってのビジネス上の決定は、美しいプロダクト、ハンドメイド、英国、そして、最先端の技術であることだ。芸術作品だ」
「ヴァルキリーは、F1のテクノロジーを採用し、公道にそれを持ち込んでいる。それは残りのクルマにも効果がある。なので、F1を愛しているかは重要ではない。私はF1を愛しているが、シーズンで5億5000万人もの視聴者がいる。それは多くの人々だ。それらの人々のなかにはクルマの購入に影響を受ける人もいる。実際、それはフェラーリのIPOではっきりと評価されている。そこには価値がある」
「アストンマーティンが走るには会社に付加価値がなければならない。我々がF1でやっていることはストーリーテリングに役立ち、最終的に会社に価値をもたらすことに役立つだろう」
関連:【F1】 アストンマーティン・レッドブル・レーシングが誕生!
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング
レッドブルは25日(月)、アストンマーティンがタイトルスポンサーに就任し、2018年から『アストンマーティン・レッドブル・レーシング』として参戦することを発表した。
F1シンガポールGPの週末には、ポルシェがレッドブル・レーシングを買収してワークス参戦すると噂が広がったが、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「我々にはF1エンジンを製造していないOEMとの関係がすでにある」とアストンマーティンとの関係強化を示唆していた。
アストンマーティンは、2016年にレッドブルのスポンサーに就任し、ハイパーカー「ヴァルキリー」をレッドブルと共同開発。デザインは、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイが手掛けている。
シンガポールにはそのアストンマーティンのCEOを務めるアンディ・パーマーが姿を見せていた。その件について質問されたアンディ・パーマーは「シンガポールにはデュラン・デュランを見に行ったんだよ」と冗談交じりにコメント。
「だが、もちろん、私がシンガポールにいたのは理由があった。私のリストの2つのことをチェックしたかった。クリスチャン(ホーナー、レッドブル チーム代表)と来年の我々のチームとの関与について話をしていた」
「我々はフォーミュラ1を気に入っている。我々のブランドにとって良いことだ。レッドブルと協力したヴァルキリーは進化している。スーパーカーとしてだけでなく、このクルマにFマシンのテクノロジーをどのように活用することができるか? 当然ながら、彼らとより多くのことに取り組んでいこうという意向がある」
アストンマーティンは、2021年に導入が予定される新しいF1エンジンレギュレーションによっては、エンジンサプライヤーとしてF1に参入することに興味を持っていることを以前から示唆している。
「その一方で2021年にはエンジンのルールが変更される可能性がある。我々はエンジンメーカーであり、ルールが大きく変化し、我々のような会社がエンジンを開発する余裕ができるようにコストが下がれば、我々はエンジンを開発したい。我々の主なカスタマーとともにF1への独立したエンジンの供給者になりたいと思っている。もちろん、それは我々の友人であるレッドブルだ」
「それら2つのことには線が引かれている。現在、我々はスポンサーであり、革新的なパートナーだ。これはもう少し成長していくかもしれないが、どの程度はF1の方向性によって異なってくる」
以前、日産自動車の副社長を務めていたアンディ・パーマーは、インフィニティがレッドブルのタイトルスポンサーに就任した際にレッドブルと仕事をしている。
「以前の職場(インフィニティ)で私はすでにクリスチャンやエイドリアン(ニューウェイ)と働いていたし、エイドリアンは市販車をやりたがっていた。私はアストンマーティンを世界的な会社に変えようとしている。変化のシンボルを必要としていた。そして、エイドリアンはシンボルを作りたいと思っている。我々はクルマを設計し、生産に組み込む方法をしっている。エイドリアンはそれをエンジニアリングする方法を知っている」
「我々はそれに名前をつけた。ヴァルキリーはかなりセクシーな名前だ。戦場で英雄を選り分けた神々の侍女。選ばれし者たちだ! 実際、驚いたことに名前は私が決めた。通常であれば、そのようなことは私の仕事ではないがね。ヴァルキリーは私のものだ!(笑) 我々のクルマはVで始まる名前を使用してきた歴史がある。辞書をめくって、“Wow、ヴァルキリーという響きはクールだ”と考えたんだ」
販売価格は4億円ともされるヴァルキリーだが、コンセプトカーが公開された段階で公道仕様の150台はすでに完売。だが、アンディ・パーマーはレッドブルと第2弾となる後継モデルを開発していくことを明らかにしている。
「シンガポールでさえ、人々は1台買えないかと問い合わせてきた。残念ながら、答えはノーだ。安いクルマではない。公道で150台、サーキットでは25台しかない。良いニュースは、我々が成長している会社だということだ。今後、多くのクールな製品を生産していく会社だ。なので、ヴァルキリーを手に入れられずに落胆している人々は、将来なにかを手に入れるチャンスがあるだろう。ヴァルキリーは将来の多くのプロジェクトの扉を開くことができる」
レッドブルとほぼ同じタイミングで、メルセデスAMGも公道F1カーという同じコンセプトで『プロジェクト ワン』というモデルを発表している。
「ヴァルキリーの決断を下した際、我々はメルセデスがプロジェクト ワンに取り組んでいることを知らなかった。噂はあったが、それについては考慮していなかった」とアンディ・パーマーはコメント。
「彼らはプロジェクト ワンという素晴らしいクルマをもたらしたが、技術的な見地では異なる場所にいる。ジャーナリストに2台を比較してもらおう。興味深いね。面白い走行テストになるだろう。我々のものはこの世界から抜け出しているように思う。巨大なエンジンを積んだ我々のクルマは、シャシーと空力という点でフォーミュラ1だ。彼らはF1のパワートレインに比較的保守的なボディを市販車に落とし込むことを選んだ。そこは興味深い。2台を並べたら興味深いだろう。私は我々のコンセプトが好きだがね!」
アストンマーティンと言えば、映画007でジェームス・ボンドが乗っているクルマというイメージが強い。だが、アンディ・パーマーは、アストンマーティンのDNAはモータースポーツにあり、F1はアストンマーティンを物語るストーリーテリングの役割を果たすと考えている。
「ジェームス・ボンドは素晴らしい。我々はそれを愛している。だが、映画のなかだけで定義することはできない。世界のいくつかの地域、時に我々にとって新しい地域では、ジェームス・ボンドによって我々が定義されることもある」とアンディ・パーマーはコメント。
「我々の歴史、我々のDNAはレースにある。アストンマーティンは、アストン・ヒルでのライオネル・マーティン・レーシングだ。我々の名前でもレースをしている。我々はWECのレースを好んでいる。それは続けていくことになるだろう。だが、F1はその全てを異なるレベルに連れて行く。中国のような場所は特にそうだし、米国にもある程度広まる。F1は米国では比較的小さなスポーツだが、それでも多くの人々がいる。フェラーリでそれを見ることができる。フェラーリはF1で定義されている。F1でも定義され、ル・マンでも定義され、ジェームス・ボンドでも定義される会社はどうだろう? 実際には1つだけでなく、3つのストーリーテリングの柱がある!」
「4歳のときに父にシルバーストンに連れて行ったもらって以来、私はF1のファンだった。だが、F1への参入は感情的な決定であってはならない。ビジネス上で決定でなければならない。そして、我々にとってのビジネス上の決定は、美しいプロダクト、ハンドメイド、英国、そして、最先端の技術であることだ。芸術作品だ」
「ヴァルキリーは、F1のテクノロジーを採用し、公道にそれを持ち込んでいる。それは残りのクルマにも効果がある。なので、F1を愛しているかは重要ではない。私はF1を愛しているが、シーズンで5億5000万人もの視聴者がいる。それは多くの人々だ。それらの人々のなかにはクルマの購入に影響を受ける人もいる。実際、それはフェラーリのIPOではっきりと評価されている。そこには価値がある」
「アストンマーティンが走るには会社に付加価値がなければならない。我々がF1でやっていることはストーリーテリングに役立ち、最終的に会社に価値をもたらすことに役立つだろう」
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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング