ルノー F1撤退
レッドブルは、ルノーのF1における将来は今後のダイナモでのテスト次第であり、同時にFIAが来年もシーズン中の開発を許可するかにかかっていると考えている。

V6ターボエンジンの導入後2年連続で低迷するルノーは、ライバルと比較してパフォーマンス面で苦戦を強いられている。先週末F1カナダGPでも、それはルノー製パワーユニットを搭載するレッドブルとトロ・ロッソの戦いぶりにはっきり表れていた。

今年はエンジン規約に抜け穴があったため、FIAは、トークンシステムを使ってシーズンを通してパワーユニットの開発を許可した。

しかし、来年にはその抜け穴も塞がれることになっており、2月28日(日)がホモロゲーション期限とされている。そのため、2015年に使用できる開発トークンは、その期限までに消費しなければならない。

今年のルノーは信頼性の問題によって開発に遅れが出ており、2015年に配分された32のトークン中、まだ20しか使用していない。

2016年のホモロゲーション期限にこのまま変更がなければ、ルノーは2月28日までにトークンを使い切らなければならないことになる。そうなれば、それぞれのトークンを馬力に変換していくのは厳しいタスクになるだろう。また、2月28日の期限には2016年のレギュレーションによってパワーユニットの23%が凍結され、取り戻せない遅れが出てくる可能性がある。

レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「ルノーの立場から見れば、エンジンは実質的にそれ以降ずっと凍結されるため、期限があるのは最悪だ」とコメント。

「2月28日までに失敗すれば、差の大きさはそのタイムフレームでは達成できない。このレギュレーションは比較的に未成熟であり、今年そうだったように、シーズン中の開発を許容することが合理的だろう」

しかし、シーズン中の開発を許可するには、メルセデスの合意も必要になる。現状、メルセデスはトークンの消費において最も優れており、最強のエンジンを有している。

クリスチャン・ホーナーは、2月28日の期限がそのまま変わらなければルノーがF1撤退に追い込まれる可能性があることに触れつつ、何がF1にとってベストかを考慮するようライバルたちに呼びかけた。

「彼ら(メルセデス)には明らかにその(シーズン中の開発に合意する)必要はない。それは明らかだ。だが、ルノーの将来のコミットメントという点では、状況は危険なところに来ている。実際に2月にシャットダウンするのであれば、ルノーのほぼ別れの手を振っているようなものだ」

「彼ら(メルセデス)もFIAも、何がF1の利益にとってベストかを決める上で大人の考えを持つことが必要ではないかと思う。F1がエンジンマニュファクチャラーの1つを失ってもいいのであれば、2月28日にこだわればよい」

ルノーはすでに2016年のプログラムをスタートさせており、今後数週間のテストが将来の競争力にとって重要になるだろう。

「パワーユニットについてフラストレーションが溜まるのは、(新パーツの)リードタイムがあまりにも長過ぎることだ。ヴィリーでは今後数週間でダイナモを使って重要なテストが行われ、それらは来季の方向性に重大な影響を与えるだろう。ヴィリー・シャティヨンでは水面下で非常に重要な2週間になる」

「時間と共にこれらのエンジンがパフォーマンスに収束していくと良いのだがね。フェラーリは非常に優れた仕事をし、多くの時間をつぎ込んでいる。努力とリソースがそのギャップを縮めており、それが可能であることを示している。私はそれを心強く思っているし、ルノーがこのギャップを埋めるために同じコミットメントができるよう願うしかない」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ルノーF1チーム