レーシングブルズF1 レッドブルを上回るPU活用 最高速で防御力発揮
シーズン開幕2戦を経て、2026年F1におけるひとつの重要な傾向が浮かび上がってきた。バーレーンテストの時点で示唆されていた通り、レッドブル・フォード製パワーユニットの特性、そしてその活用方法において、チーム間で明確な差が生まれている。

その中で特に注目すべきは、レーシングブルズのVCARB 03だ。メルボルンと上海の両戦で、このマシンは「抜きにくいクルマ」として際立った存在となっている。

最高速を武器にした“抜かせないマシン”
開幕戦オーストラリアGPでは、オリバー・ベアマンがアービッド・リンドブラッドの背後に長時間留まりながら、最後までオーバーテイクの糸口を見いだせなかった。この事実が、VCARB 03の防御力を象徴している。

その理由の一つが、レッドブル・フォードのパワーユニットの特性だ。このPUはストレート終盤においても高いトップスピードを維持する傾向があり、他チームのようなデレーティング(出力低下)が比較的少ない。

つまり、単なる最高速の数値だけでなく、「ストレート後半で失速しない」ことが、バトルにおいて大きな武器になっている。

特にメルボルンのようにエネルギー回生が限られるサーキットでは、この特性が顕著に現れる。追い抜こうとする側はバッテリーを多く消費する必要があり、その結果、次の区間で逆に脆弱になるリスクを抱えることになる。

その状況において、レーシングブルズは高いトップスピードを維持することで、防御側として優位に立っていた。

電動エネルギー依存度で変わる勢力図
一方で上海のように長いストレートと十分なエネルギー回生が可能なサーキットでは、この優位性はやや薄れる。

バッテリーの蓄積と放出がしやすい環境では、他チームも攻撃のためのエネルギーを確保できるため、トップスピードの差だけでは決定的な武器にならない。

それでもレーシングブルズは、予選では依然としてミッドフィールド最上位に位置するパフォーマンスを発揮しており、PU特性の活用が結果に直結していることは明らかだ。

ただし決勝では、ハースのような優れたシャシーを持つチームに対してロングランでやや劣る傾向も見られた。

ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

レッドブルとの違いは“使い方”にあり
興味深いのは、同じパワーユニットを使用するレッドブルとの差だ。

レッドブルRB22は空力面や重量面に課題を抱えており、特に約15〜20kgのオーバーウェイトがパフォーマンスに影響しているとされる。その結果、PUのポテンシャルを最大限に引き出せていない。

一方でレーシングブルズは、その特性をより効果的に活用しており、結果として直線での強さが際立っている。

実際、上海ではリアム・ローソンが7位入賞を果たし、アイザック・ハジャーのレッドブル勢を上回る結果となった。ハジャーは序盤のスピンがあったものの、セーフティカーによって戦略的に復帰していた。

PU性能よりもシャシーが差を生む現状
ただし、これは単純に「レーシングブルズの方が速い」という話ではない。

現状、レッドブル陣営が直面している課題は、純粋なパワーユニット性能というよりも、シャシーやパッケージングに起因する部分が大きい。

実際、フェラーリやハースと比較しても、パワーユニットそのものが決定的な差を生んでいるわけではなく、全体のバランスが勝負を分けている。

レッドブル・フォードにとって初の自社製PUであることを考えれば、まだ改善の余地は大きい。しかし現時点では、そのポテンシャルをより引き出しているのはレーシングブルズであることは間違いない。

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カテゴリー: F1 / ビザ・キャッシュアップRB