F1カタールGP フリー走行1 展開:マクラーレン勢が最速 ピアストリが先制

■ ピアストリが“2023年再現”を示唆する強さ
2023年にスプリントポールとスプリント勝利で脚光を浴びたこの地で、ピアストリは再び強さを示した。まだ自信を取り戻し切れていないと言われる中でも、伝統的なサーキットでの走りには安定感が戻りつつあり、FP1終盤には1分20秒924でトップに浮上。ノリスの2回目アタックが中断されたこともあり、マクラーレン勢は“ピアストリ>ノリス”という形でFP1を締めた。
■ スプリント予選は20:30開始、SQ1・SQ2はミディアム強制
スプリント予選は20:30(現地)に開始予定。SQ1とSQ2ではミディアムタイヤの使用が義務付けられており、FP1で誰もミディアムを使わなかったため、後のセッションは“手探り状態”になる。
■ FP1はハード中心のロングラン、勢力図は読みにくい
セッション全体がハードタイヤでの高燃料ラン中心。アロンソは相変わらずの適応力で上位に入り、ウィリアムズの好調ぶりにはジェームス・ボウルズも驚きを隠せない様子。メルセデスはハードで良好なペースを見せ、ジョージ・ラッセルが序盤トップに立った。一方でフェラーリはハードでもソフトでも伸び悩み、ハミルトン9番手、ルクレール13番手と厳しい滑り出し。
■ ソフト投入で形勢逆転、“優位マクラーレン”へ
ソフトタイヤ投入後、状況が一変。ピアストリとノリスはともに大幅にタイムを伸ばし、マクラーレンがセッション最速クラスへ浮上。ノリスは初回アタックで1分20秒982を記録したが、2回目のアタックでコーナー外側に乗り上げてしまい失敗。実際にはノリスがもっと速かった可能性もある。
■ ラッセルが暫定トップも、ソフト勢の台頭で順位が入れ替わる
序盤、ハードで21周を走ったラッセルが1分22秒165でトップ。だがソフト勢が続々とタイム更新し、ベアマン、ハジャー、ストロール、オコン、ローソンが次々浮上。とりわけハジャーはソフトで3番手に入り、ルーキーながら存在感を見せた。
■ フェルスタッペンはマシンに苦しむ、ステアリングとフロントの不調
フェルスタッペンは「ステアリングが急におかしくなった」「フロントレフトがすぐ死ぬ」と訴え、ターン6の脱出でもグリップ不足を嘆いた。強風も重なりRB21は“セットアップ外し”の兆しが強く、無線では終始不満を口にしていた。
■ 中位勢:ウィリアムズが好調、アルボン&サインツJr.が上位へ
ウィリアムズはアルボンがP5、サインツJr.がP6と予想外の好調。レーシングブルズやザウバーも「相性が良い」と評価しており、中団勢はスプリント予選で順位が大きく変動しそうだ。
■ 路面進化:序盤は低グリップ、時間経過で一気に改善
走行が少なく路面は砂が浮いており、序盤は低グリップ。ベアマン、ストロール、ガスリーらが多くのコーナーで飛び出す場面が続いた。だが時間とともに急速に改善し、パーマーも「どんどん路面が良くなっている」と分析した。
■ タイヤ運用:25周上限ルールで戦略が難解に
カタールでは安全上の理由で全コンパウンドが“最大25周”の制限。これにより各チームは「ハードを早めに消化」する方針となり、FP1はハード一色に。パーマーは「レースではハードは役に立たない。日曜はミディアム中心」と述べ、ミディアム2回+ソフト1回の戦略が主流になると予測した。
■ 終盤:ピアストリ最速、ノリスはミスでP2止まり
残り5分、全車がソフトでアタック。フェルスタッペンは3番手に入ったがマクラーレン勢には届かず。ガスリーはミスが目立ち、アルピーヌは上位に絡めなかった。チェッカー時点のトップ10は以下の通り。
■ FP1トップ10
1.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2.ランド・ノリス(マクラーレン) +0.058s
3.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
4.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
5.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
6.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
7.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
8.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
9.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
10.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
■ 総評:勢力図は混戦、わずかにマクラーレン優勢
終盤のソフトではマクラーレン優勢が明確となったが、ハードでのレースペースでは全体に大差がなく、依然として混戦。フェルスタッペンは“セットアップ外し”の兆候を見せ、スプリント予選までに修正が急務となる。一方、中団勢の実力差は小さく、今季屈指の接戦スプリントになる可能性が高い。
カテゴリー: F1 / F1カタールGP
