ピレリ メキシコで2026年F1タイヤ開発テスト完了 ボッタスがメルセデス担当
ピレリは、2026年シーズンに向けたF1タイヤの最終開発テストを10月28日(火)と29日(水)の2日間にわたり、メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで実施した。

今回のテストは、12月のアブダビGP後に全チームが参加して行われる合同テストを前にした“最終個別テスト”であり、来季に向けたタイヤ仕様確定に向けた重要なセッションとなった。

初日はザウバーのルーキー、ガブリエル・ボルトレトがドライバーを務め、現行C45をベースにしたミュールカーで走行した。テストでは2026年仕様のソフトレンジにあたるC3からC6までの4種類を評価。午前中はC6などの柔らかいコンパウンドを中心にパフォーマンスランを行い、各タイヤ間のラップタイム差や初期グリップの特性を確認。午後は温度上昇を利用してよりハードなコンパウンドを試し、15周規模のロングランを重ねてデグラデーション(劣化)挙動を重点的に分析した。ボルトレトはこの日合計136周・585.3kmを走破し、ベストラップは1分19秒089(45周目)を記録。終日晴天で路面温度は最大51℃に達し、安定したデータ収集環境が得られた。

F1 タイヤ ピレリ

2日目はメルセデスが担当し、同チームのテスト兼リザーブドライバーであるバルテリ・ボッタスが現行W16をベースとしたミュールカーで走行を開始。ピレリは初日と同様にC3〜C6レンジのソフト系タイヤを中心にテストを行い、とくにボルトレトが注目したC3コンパウンドでのロングラン評価を継続した。ボッタスは各コンパウンドでパフォーマンスランを繰り返しながら、ウォームアップラップを経て温度管理と摩耗傾向の確認を実施。午前から午後にかけて112周・約581kmを走破し、ベストタイムは1分18秒204(109周目)を記録した。

午後遅くには、メキシコGPのFP1でメルセデスから出走したフレデリック・ベスティがステアリングを引き継ぎ、10周スティント単位で複数構造のテストタイヤを比較評価。走行中のベストは1分19秒657(41周目)で、49周・約112kmを走行した。ボッタスとベスティ合わせて合計161周、693kmを走破。路面温度は前日とほぼ同じく49℃前後で推移し、2日間合計の走行距離は1,278kmに達した。

今回のメキシコテストでは、C3〜C6レンジにおけるグリップ特性と耐久性、そして新しい構造の温度安定性に関するデータが収集された。ピレリはこれらの情報をもとに2026年用コンパウンドの最終仕様を確定させる見通しで、次回テストは12月9日(火)にアブダビで開催されるシーズン後公式テストにて、全10チームが実車で同仕様タイヤを初走行する予定となっている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ピレリ