ピレリ、2020年シーズンはF1チームごとのタイヤ選択制の廃止を検討
新型コロナウイルスの世界的な大流行により、2020年のF1世界選手権は開幕から10戦が中止となり、現時点では7月上旬にオーストリアで再開する予定となっている。オーストリアとイギリスでの2レース開催を含め、合計で19戦が行われると考えられている。
F1の公式タイヤサプライヤーであるピレリは、キャンセルとなった数戦分のタイヤは備蓄しているものの、シーズン開始の計画が確認され次第、すぐに生産に戻らなければならない。
ピレリのF1責任者を務めるマリオ・イゾラは、今後起こり得る変化について説明した。
「ヨーロッパでシーズンの最初のパートが始まり、その後、アジアとアメリカに移動することになる場合、非常に短い期間で生産が行われることになり、かなり忙しい時期になるだろう」とマリオ・イゾラは語る。
「1年ではなく、2～3か月で約3万5000本近くのタイヤを生産しなければならないだろう。生産への影響が想像できる。それはかなり大きなものだ」
「我々はチームと話し合っている。たとえば、標準的な割り当てや非常に短期間で供給できるようにするためのある程度の柔軟性など、彼らは実用的なソリューションを見つけるためにかなり柔軟だと言っていいだろう」
近年、ピレリは5種類のコンパウンドから3種類を各グランプリのために選定し、F1チームはその3種類のコンパウンドの13セットを選ぶことが許可されている。それによってF1チーム間で戦略的な違いを生み出すことが狙いだ。
ただ、それを実現するために、F1チームはフラウアウェイレースでは14週間目、ヨーロッパラウンドでは8週間前にどのような選択をするかをピレリに通知する必要がある。
しかし、マリオ・イゾラは、タイヤ戦略はほぼ収束しており、F1チームがこの柔軟性を失うことについてあまり心配することはないと考えている。
「全員のシーズンを再開し、最善の解決策を得るためにすべてを可能にすることへの関心を考れば、実現可能だと私は信じている」とマリオ・イゾラは語る。
「問題はないと思う。可能な場合は、F1チームに選択させてもいいと思っている。だが、それは事前にイベントの情報をどれだけ得られるかによる」
「現在のシステムでは、フリープラクティスのたびに返さなければならないセットがいくつかあり、標準的な割り当てが異なる戦略を凍結することになるとは思わない。各チームが同じ数のタイヤや同じ種類のタイヤなどを返さなければならないということではない」
「彼らはイベントの初めに同じ割り当てを持っていることになるが、その後、予選とレースにむけて異なる割り当てになると思う。現在でもそのようなことが起こっている」
「昨年を見れば、F1チームは異なるタイヤセット、異なるコンパウンドを選択しても、予選とレースではほぼ同じ割り当てに収束していた。だから、それについてあまり問題があるとは思わない」
マリオ・イゾラは、競技規制でこのような変更を実施する場合には、F1チームの多数決で承認される必要があると述べた。
「今年、FIAがルールを変更するための柔軟性は少し高くなっている。満場一致は必要ない」とマリオ・イゾラは語った。
「もちろん、フローがあり、システムがあり、それを尊重する必要がある。緊急の決定については、世界評議会が他の決定のために過去2か月に起こったように電子投票システムを使用することもできると思う」
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