ピレリ F1アメリカGP
ピレリが、F1アメリカGPの決勝レースを振り返った。

ルイス・ハミルトンが、ウェットからドライへとコンディションが変化するアクション満載のアメリカグランプリを制し、2015年のドライバーズチャンピオンシップタイトルを獲得した。

全ドライバーが新品のインターミディエイトタイヤでスタートし、スリックタイヤに移行可能なクロスオーバーポイントの到来を待った。

ルイス・ハミルトンと2位でフィニッシュしたチームメイトのニコ・ロズベルグは、インターミディエイトで第1スティントを走行し、後続の2スティントをソフトタイヤで走行した。

決勝前にドライ走行の機会が無く、タイヤの摩耗とデグラデーションに関する情報が欠如していた中でピットウォールとドライバーは戦略を実行しなければならない状況にあり、ピットストップのタイミングが優勝への鍵となった。

2回のセーフティーカーと2回のバーチャルセーフティーカーによって戦略が形成された。ルイス・ハミルトンは、終盤の2回目のセーフティーカー導入周回中にピットストップを行い、序盤の1回目のセーフティーカー導入周回中にはピットストップを行わなかった。

1回目のセーフティーカー導入周回中にピットストップを行ったドライバーたちが一時はアドバンテージを得たが、2回目のセーフティーカー導入によって、ピットレーンでのタイムをロスすることなくタイヤ交換が可能となり、アドバンテージの大半を失った。

2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトンは、最終ピットストップを終えた時点で2位を走行していたが、P Zeroイエロー・ソフトタイヤのスピードを活かし、ニコ・ロズベルグからトップの座を奪った。ニコ・ロズベルグは、午前中の予選でポールポジションを獲得していた。

3ストッパー中の最上位ドライバーは、3位を獲得したフェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。13番グリッドからスタートしたセバスチャン・ベッテルは、2回目のピットストップで、ライバルたちが装着していたソフトタイヤではなくミディアムタイヤへ交換した。その後、2回目のセーフティーカー導入周回中、ルイス・ハミルトンと同じタイミングで3回目のピットストップを行った。

ウェットコンディション下のスタートとなったため、両スリックコンパウンドの使用義務は無くなった。大半のドライバーが、ドライコンディション下でスピードのあるソフトタイヤを使用した中、ベッテルは、上位勢で最初に耐久性のあるミディアムを使用した。

フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、唯一人インターミディエイト-ソフト-ミディアムと繋ぐ2ストップ戦略を採り、3ストッパーのマクラーレンのジェンソン・バトンとトロ・ロッソのカルロス・サインツを抑え、5位でフィニッシュした。予選でクラッシュしたカルロス・サインツは、最後尾からスタートし、7位でフィニッシュした。最多ピットストップを行ったドライバーは、ザウバーのフェリペ・ナッセだった。フェリペ・ナッセは5回のストップを行いながらも、ポイント圏内の9位でフィニッシュした。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「幾度ものセッション中断や中止を経て、やっと待望の決勝を行うことができました。スタート時のウェットコンディションは、レースの妨げというよりも、戦略に魅力を加える要素になりました。決勝のスタート前にドライ走行の機会が得られませんでしたので、各チームは、変化する状況を読みながら反応しなければなりませんでした。したがって、チャレンジングな状況に打ち勝ったドライバーがチームに最も貢献できたと思います。今シーズン素晴らしい成績を挙げ、3度目のドライバーズチャンピオンシップタイトルを獲得したルイスを祝福したいと思います。フィニッシュ直前まで結果が見えないレースとなり、スリリングなフィナーレは、とりわけファンに報いることができたと思います。記憶に残る週末になりました」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1アメリカGP