ピレリ
ピレリが、F1シンガポールGPが開催されるマリーナ・ベイでのタイヤについて語った。

今週末、F1は、マリーナベイで開催されるナイトレースとして有名な、シーズン中でも屈指の見応えあるシンガポールグランプリに臨む。

通常のレースとは異なる様相を数多く呈する市街地サーキット用として、レンジ中で最も軟らかい組み合わせのP Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトが選択されている。

決勝、フリー走行、予選は全て夜間に行われ、通常のグランプリとは異なる路面温度の変化は、タイヤの使用方法にも大きな影響を及ぼす。

シンガポールにはF1カレンダー中で最多のコーナー(23)が存在し、タイヤは一層酷使される。80%の湿度、2時間に及ぶレース、モナコに次いで2番目に低速なラップタイム(この点は、冷却および空気の流れを限定的にする)によって、マリーナベイは、ドライバーたちにとって最も肉体的に苛酷なサーキットとなっている。

トラクションとブレーキングが、マリーナベイサーキットの最も重要な2つの要素。多くの市街地サーキット同様、シンガポールの路面は極めてバンピーで、タイヤへの厳しさが加わる。ランオフエリアが限られたトラック上でのミスは命取りとなる可能性が高いことから、タイヤの正確な動作が求められる。ハイダウンフォースのセットアップで走行する中、左リアタイヤが最も酷使される。

ナイトレースながら、気温は30〜35℃付近になることが多く、作動温度領域が高いソフトタイヤにとって理想的な環境。ドライバーたちは、オーバーヒートさせることなく最大限の性能を引き出すことを狙って、スーパーソフトを注意深くマネージする必要がある。

昨年は、ルイス・ハミルトンが3ストップ戦略で61周のレースを制した。ハミルトンは、スーパーソフトでスタートし、15周目にスーパーソフトへ、31周目にスーパーソフトへ、52周目にソフトへ交換した。上位から下位まで、広範囲に渡る戦略が見られた。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「2008年の初開催以来、シンガポールのナイトレースは、世界で最も先進的なテクノロジーを誇るFormula Oneの圧倒的な見応えを提供する舞台となっています。市街地サーキット用として、タイヤレンジ中で最も軟らかい組み合わせを選択しました。この組み合わせは、シンガポールでの成功の鍵となる、最大限のメカニカルグリップと迅速なウォームアップを提供します。通常とは異なる路面温度の変化、両コンパウンド間の大きな性能差、厳しいレース距離を走破するための燃費戦略、これまでシンガポールでは常に登場しているセーフティーカーの導入率の高さなど、タイヤ戦略構築にあたっては、各チームおよびドライバーが検討すべき数多くの要素があります。そのうえ、過去にドライバーのミスを誘発した市街地サーキット特有の白線やマンホールカバーなどもあるため、必要なタイヤデータを収集するフリー走行での作業は、通常よりもさらに重要になります。我々はFIAとともに、各チームが、より簡単にタイヤの使用方法に関するルールを順守できるように明確な手順を定義しています。より正確な指示を各チームに伝えることにより、あらゆる誤解を取り除くことが重要です。これによって、モンツァでメルセデスに起こったような事態を無くすことができると思います」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1シンガポールGP