ピエール・ガスリー 「アルピーヌF1にバルテリ・ボッタスは不要」

アルピーヌは2025年シーズンに苦戦を強いられており、ドライバー交代や戦略変更の噂が飛び交っている。特に直近では、ジャック・ドゥーハンが6戦でシートを失い、代わってフランコ・コラピントが起用されたことが、さらなる憶測を呼んでいた。
イギリスGPを前に、アルピーヌがボッタスの獲得に関心を示しているとの報道が出たが、これについて問われたガスリーは明確に否定した。
「そうは思わない。あれはただの雑音だと思う」とガスリーはF1公式サイトの取材で語った。
「僕は毎週末、今のクルマでできることを証明している。土曜日の予選で良い仕事をして、データ上では“そんな位置にはいないはず”の場所にマシンを持っていけているんだ」
ガスリーは、現在のアルピーヌの苦戦はドライバーではなく、厳しい中団争いの中でのマシン性能の問題だと分析している。
「中団は非常に接戦だし、僕らはその後方にいる。特に今季前半の状況を考えれば、常に何かしらの雑音があるのは当然だ。でも僕らがやるべきなのは、自分たちのやるべき仕事に集中することだ」
「シーズンはまだ長いし、アップグレードもない。マシンはベストな状態とは言えないけれど、チーム全員が今あるもので最善を尽くす必要がある」

0.9秒の差で最後尾——過酷な中団の現実
さらにガスリーは、2025年の中団勢の激しい競争を強調し、パッケージ全体の競争力不足が課題だと語った。
「状況を大げさに見せるのは簡単だけど、実際には非常に接戦なんだ。2〜3年前ならトップから0.8〜0.9秒離れていても6〜7番手だった。でも今年はその差が最後列になってしまう」
「僕らはパッケージの長所と短所を理解している。最強のクルマではないし、最強のエンジンでもない。その両方が重なると、当然ポジションも苦しくなるよ」
ただしガスリーは、チームの将来に対しては前向きな姿勢を示しており、2026年の大規模レギュレーション変更に向けての準備が進んでいることにも触れた。
「今の状況は苦しいけれど、チーム内では最大限を引き出すための良い取り組みがたくさんある。2026年に焦点を合わせていて、そのために今シーズンをある程度犠牲にしている部分もある。でも、その代償が来年に実を結ぶことを期待しているよ」
ガスリーの発言は、外野の雑音に惑わされることなく、着実に開発と体制の強化に取り組むべきだというチーム内の共通認識を反映している。現時点でのドライバー変更は視野に入れておらず、2026年に向けて現在の体制の中で地道な進化を遂げていく方針だ。
カテゴリー: F1 / ピエール・ガスリー / バルテリ・ボッタス / アルピーヌF1チーム