F1 ピエール・ガスリー トロロッソ・ホンダ
トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、F1ドイツGP終盤の雨でピットインした際にチームが自分のクルマにフルウエットタイヤを装着するとは思っていなかったと語った

F1ドイツGPはレースが終盤に向かう40周過ぎ、コースの一部に雨が降り始めた。雨は次第に強さを増し、インターミディエイトタイヤに交換するマシンが出始める。

トロロッソ・ホンダは雨が強くなることに賭け、ピエール・ガスリーのマシンを43周目にフルウエットタイヤに交換。しかし、雨が収まり始めたことで、その作戦は功を奏さず、ペースの上がらないガスリーは46周目に再びピットに戻りウルトラソフトタイヤに交換して落とすことになった。

ピエール・ガスリーは、フルウエットを装着した唯一のドライバーだったが、ドライ路面で走るのはほぼ不可能な状態となり、コースオフを喫している。

「彼らは僕に意見を求めてきたので、僕は雨はまだかなり軽いと伝えた」とピエール・ガスリーはコメント。

「そして彼らは僕にピットに入るよう伝えてきた。でも、まさか彼らがフルウエットを装着するとは思っていなかった」

「彼らがフルウエットを装着したので、僕としては『OK、やってみよう』という感じだったね。彼らにはレーダーがあるし、もちろん、クルマにはそのような情報はない。たぶんうまくいくだろうと思っていたよ」

だが、ピエール・ガスリーは、コースに復帰してすぐにそのギャンブルは失敗だったと気づいたと語る。

「3コーナーを走って、『OK、雨が降ってチャンスを掴めるか、死ぬかのどっちかだ』という感じだったね」

「3周走ってタイヤは完全にオーバーヒートしていた。もう不可能だった。乾いた路面でウェットタイヤがどのように滑っているのかを感じることさえできないくらいだったし、とにかくどこでも滑っていた」

ピエール・ガスリーがピットに戻ってドライタイヤに交換した後、再び雨脚は強くなった。

「コースがまだドライすぎるときにウエットに交換するためにピットに入り、それがうまくいかないことがわかったのでドライバイヤに戻した。そしたら、2周後に雨がはるかに強くなった」とピエール・ガスリーはコメント。

「僕たちはだいたい20周くらいを必要としていたものと逆のタイヤで走っていたことになるね」

最終的にピエール・ガスリーは1周遅れの14位でレースをフィニッシュすることになったが、あのようなコンディションで賭けに出るというチームの決断を支持した。

「僕たちは良いポジションにいたわけではなかった。うまくいけば、同じ戦略を突き通そうとしていた他のドライバーたちよりもはるかに大きなゲインを得られただろう」とピエール・ガスリーはコメント。

「かなり確立の低いかなり大きな賭けだったけど、13番手や12番手を走っているときは問題ではない」

「失うものはなにもないことが、立てた戦略に忠実に戦うことを後押ししてくれたと思う。結果この作戦は上手く作用はしなかったけど、あのときはリスクを負ってでも遂行するべきだったと思う」

トロロッソのチーム代表フランツ・トストは、チームはピエール・ガスリーがピットに入った直後に豪雨になると予想ていたと説明する。

「雨が降り始めた時に雨量がさらに増えると予想し、ピットストップを行いウエットタイヤへ変更する賭けに出たが、天候は味方せず、作戦成功とはならなかった」とフランス・トストはコメント。

「ピエールには大変申し訳なく思っているが、ときには挑戦することも必要であり、残念ながら今回は我々が選んだ作戦が奏功しなかった」

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カテゴリー: F1 / ピエール・ガスリー