【WTCR】 ホンダ:開幕戦モロッコ レースレポート
2018年より新たな世界選手権として始まった、FIA ワールド・ツーリングカー・カップ(WTCR)の初レースが、モロッコ・マラケシュの市街地コースで開幕した。
5台がエントリーしたHonda Civic TCRは、土曜日に行われたレース1で2台がポイントを獲得。幸先のいいスタートを切った。
予選前最後のフリー走行であるP2では、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのエステバン・グエリエリがトップタイム、ヤン・アーラッカーが2番手、同チームのジェームス・トンプソンも11番手と、好調さを見せたCivic勢は、ポイント獲得へ自信を深めていた。
しかし、レース1スタート直後に、エステバン・グエリエリがメディ・ベナーニ(フォルクスワーゲン)に押し出されてコースアウト。さらにジェームス・トンプソン、同じくCivicを駆るチームメートのトム・コロネルもフレデリック・ヴェルヴィッシュ(アウディ)に接触されてスピンしてしまう。
エステバン・グエリエリは、マシンにダメージを受けながらもなんとか7位フィニッシュ。オープニングラップの混乱を避けて8番手まで浮上していたヤン・アーラッカーが続いてチェッカーフラッグを受けた。レース後にベナーニへ10秒加算のペナルティーが下されたため、エステバン・グエリエリが6位、ヤン・アーラッカーが7位というリザルトとなった。
ジェームス・トンプソンは、アクシデントによって順位を下げたものの、レースの大半でチームメートと遜色のないラップタイムで走行し、14位でゴールした。
トム・コロネルは、ヴェルヴィッシュとのアクシデントでリアサスペンションにダメージを負い、修復を行ってコースへ戻るまでに、トップとの差は2周遅れまで拡大。残り数周で不要なリスクを負うことを避けるため、リタイアを選択した。
トム・コロネルのチームメート、ベンジャミン・レッスンは、24番手から15位まで順位を上げてフィニッシュ。初走行のサーキットで、予選時にはブレーキシステムにトラブルを抱えていたにもかかわらず、ミスのない走りを披露した。
日曜の午前中に予選第2回が行われ、レース2と3のグリッドが決定する。
エステバン・グエリエリ(6位)
「ポイントが得られたので、まずまずの出だしです。6番グリッドから、さらに上位を目指せると思っていましたが、ベナーニ選手に後ろから追突されてコーナーではらんでしまい、ポジションを落としてしまいました。そのダメージによってバランスが狂い、パワーも下がったように思います。この状況ですから、ヤンの前での6位フィニッシュはいい結果です」
ヤン・アーラッカー(7位)
「オーバーテイクの難しいこのコースで、12番手からスタートしての7位という結果には満足しなければなりません。スタートでは混乱を避けて大きくポジションを上げようと試みましたが、マシンに問題を抱えたエステバンの後ろになってしまい、それ以上はポジションを上げられませんでした。明日に向けて改善できる点はまだあるので、さらなるポイント獲得ができる自信があります」
ベンジャミン・レッスン(15位)
「この結果には満足しています。シミュレーターですら走ったことのないコースで、23番手から15位まで順位を上げられるとは、予選のときには思ってもみませんでした。予選ではブレーキ系のトラブルがありましたが、レースでは解決したので、マシンの感触はだいぶよくなりました。明日またこのマシンに乗ってレースをするのが楽しみです」
トム・コロネル(21位)
「このような結果は残念ですが、レースでは起こりうることです。スタート時に何台かが私のイン側に向かうのが見えたので、“それはうまくいかないだろう”と考えてアウト側に寄せましたが、それも失敗でした。ヴェルヴィッシュ選手に左リアへヒットされ、サスペンションを破損したために、ピットへ戻らなければなりませんでした。チームは素晴らしい速さで修復してくれましたが、その時点で2周遅れとなっており、リスクを負って最後まで走ってもほとんどポイントは得られなさそうだったので、ガレージへマシンを戻しました。明日は上位を目指せればと思います」
迎えた2日目。Honda Civic Type R TCRを駆るヤン・アーラッカー(ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)がレース2、レース3で4位を獲得。モロッコでの開幕戦を順調な走りで締めくくった。予選ではQ3まで進出し、5番手タイムを記録。リバースグリッドで行われたレース2は6番グリッドからスタート。第1コーナーで4番手に躍り出ると、そのままポジションを守りきりフィニッシュ。わずかな差で表彰台を逃したものの、そのあとに行われたレース3でも同じく4位を獲得。この結果により、ヤン・アーラッカーはポイントランキングで5位につけた。
18カ月のブランクがあったチームメイトのジェームス・トンプソンは、予選を8番手でフィニッシュ。レース2では3番グリッドからスタートした。しかし、ピットストップからコースに戻る際、クラッシュを避けるためにスムーズなコースインができず、その影響で2番手から7番手に後退。最終的には6位でフィニッシュした。レース3では8位になり、ポイントランキングで11位につけた。
前日のレース1でチーム最上位となる成績を収めたエステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)は、レース2で8位フィニッシュ。レース3ではターン12でジョン・フィリッピ(セアト)とバトルを演じた末に、14位でフィニッシュした。エステバン・グエリエリはポイントランキングで10位となり、ALL-INKL.COM Munnich Motorsportはチームランキングで5位につけた。
Boutsen Ginion Racing Hondaのトム・コロネルはレース2で10位に入り、今シーズン初めてのポイントを獲得。レース3では終盤で前の選手に迫ったものの、最終的に12位でフィニッシュし、わずかな差でポイント獲得を逃した。開幕戦を終え、ポイントランキングでは15位。Boutsen Ginion Racingはチームランキングで8位につけている。
トム・コロネルのチームメートで若干18歳のドライバー、ベンジャミン・レッスンは、レース2を16番グリッドからスタート。一時は12番手で周回したが、ターン11で他車と接触してしまう。その影響により、レース3はピットスタート。随所で好走を披露したが、17位フィニッシュとなった。
第2戦は4月28~29日にハンガリーのハンガロリンクで行われる。
ヤン・アーラッカー(4位/4位)
「今日の両レースを4位で終えられてうれしいです。レース2のスタートはうまくいきました。集団に巻き込まれることなく、6番手スタートから4位でフィニッシュできました。両レースで上位のマシンについていくことができました。昨日の予選ではあまりいい結果ではありませんでした。しかし、そのあと、チームスタッフが懸命にマシンをいい状態にしてくれ、今日の予選ではQ3まで進めました。非常にうまくいったと思います」
ジェームス・トンプソン(6位/8位)
「2週間前には、今シーズン参戦するかどうかも決めていませんでした。なので、Honda Civic Type R TCRを駆る最初のレースで10位以内に入れたことはすばらしいです。日を追うごとに快適にマシンを操ることができ、タイムも縮められました。レース2ではもっと上位を狙えましたが、ピットからコースに戻る際に他車に進路を阻まれて、そのために順位を上げることができませんでした。ハンガリーでの次戦もがんばります」
エステバン・グエリエリ(8位/14位)
「今日のレース状況からも、今年のWTCRは激戦続きになりそうな予感がします。もしQ2に進出できていれば、レース2をフロントローからスタートできたでしょう。しかし、わずかな差でそれを逃し、苦しい一日になりました。レース2でポイントを獲得できたのはよかったです。オーバーテイクが難しいサーキットですが、12番グリットからスタートし、いくつかオーバーテイクを成功させることができました。レース3はうまくスタートが決まらず、そのあとはフィリッピとのバトルになってしまいました」
トム・コロネル(10位/12位)
「今日は、今シーズン最初のポイントを獲得できてうれしかったです。マシンはとても安定していて、前を走るライバルを容易に捕らえられる気がしました。レース3中盤のターン1ではミスをしてしまい、いくつか順位を落としました。しかし、そのあとも順位を上げるためにがんばりました。わずかな差でQ2進出を逃さなければ違った結果になったと思いますが、これもレースです」
ベンジャミン・レッスン(21位/17位)
「今日の予選の結果には納得していますし、レース2はいくつかオーバーテイクもできました。しかし、ターン11で他車と接触したのはもったいなかったです。レース3をピットからスタートすることになりましたが、チームは懸命にマシンを修復してくれました。ステアリングに不具合があり、苦しい戦いになりましたが、多くのことを学びました。ハンガリーでの次戦はよりオーソドックスなサーキットで行われますし、今戦よりもポジションを上げられると思います」
カテゴリー: F1 / F1関連
5台がエントリーしたHonda Civic TCRは、土曜日に行われたレース1で2台がポイントを獲得。幸先のいいスタートを切った。
予選前最後のフリー走行であるP2では、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのエステバン・グエリエリがトップタイム、ヤン・アーラッカーが2番手、同チームのジェームス・トンプソンも11番手と、好調さを見せたCivic勢は、ポイント獲得へ自信を深めていた。
しかし、レース1スタート直後に、エステバン・グエリエリがメディ・ベナーニ(フォルクスワーゲン)に押し出されてコースアウト。さらにジェームス・トンプソン、同じくCivicを駆るチームメートのトム・コロネルもフレデリック・ヴェルヴィッシュ(アウディ)に接触されてスピンしてしまう。
エステバン・グエリエリは、マシンにダメージを受けながらもなんとか7位フィニッシュ。オープニングラップの混乱を避けて8番手まで浮上していたヤン・アーラッカーが続いてチェッカーフラッグを受けた。レース後にベナーニへ10秒加算のペナルティーが下されたため、エステバン・グエリエリが6位、ヤン・アーラッカーが7位というリザルトとなった。
ジェームス・トンプソンは、アクシデントによって順位を下げたものの、レースの大半でチームメートと遜色のないラップタイムで走行し、14位でゴールした。
トム・コロネルは、ヴェルヴィッシュとのアクシデントでリアサスペンションにダメージを負い、修復を行ってコースへ戻るまでに、トップとの差は2周遅れまで拡大。残り数周で不要なリスクを負うことを避けるため、リタイアを選択した。
トム・コロネルのチームメート、ベンジャミン・レッスンは、24番手から15位まで順位を上げてフィニッシュ。初走行のサーキットで、予選時にはブレーキシステムにトラブルを抱えていたにもかかわらず、ミスのない走りを披露した。
日曜の午前中に予選第2回が行われ、レース2と3のグリッドが決定する。
エステバン・グエリエリ(6位)
「ポイントが得られたので、まずまずの出だしです。6番グリッドから、さらに上位を目指せると思っていましたが、ベナーニ選手に後ろから追突されてコーナーではらんでしまい、ポジションを落としてしまいました。そのダメージによってバランスが狂い、パワーも下がったように思います。この状況ですから、ヤンの前での6位フィニッシュはいい結果です」
ヤン・アーラッカー(7位)
「オーバーテイクの難しいこのコースで、12番手からスタートしての7位という結果には満足しなければなりません。スタートでは混乱を避けて大きくポジションを上げようと試みましたが、マシンに問題を抱えたエステバンの後ろになってしまい、それ以上はポジションを上げられませんでした。明日に向けて改善できる点はまだあるので、さらなるポイント獲得ができる自信があります」
ベンジャミン・レッスン(15位)
「この結果には満足しています。シミュレーターですら走ったことのないコースで、23番手から15位まで順位を上げられるとは、予選のときには思ってもみませんでした。予選ではブレーキ系のトラブルがありましたが、レースでは解決したので、マシンの感触はだいぶよくなりました。明日またこのマシンに乗ってレースをするのが楽しみです」
トム・コロネル(21位)
「このような結果は残念ですが、レースでは起こりうることです。スタート時に何台かが私のイン側に向かうのが見えたので、“それはうまくいかないだろう”と考えてアウト側に寄せましたが、それも失敗でした。ヴェルヴィッシュ選手に左リアへヒットされ、サスペンションを破損したために、ピットへ戻らなければなりませんでした。チームは素晴らしい速さで修復してくれましたが、その時点で2周遅れとなっており、リスクを負って最後まで走ってもほとんどポイントは得られなさそうだったので、ガレージへマシンを戻しました。明日は上位を目指せればと思います」
迎えた2日目。Honda Civic Type R TCRを駆るヤン・アーラッカー(ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)がレース2、レース3で4位を獲得。モロッコでの開幕戦を順調な走りで締めくくった。予選ではQ3まで進出し、5番手タイムを記録。リバースグリッドで行われたレース2は6番グリッドからスタート。第1コーナーで4番手に躍り出ると、そのままポジションを守りきりフィニッシュ。わずかな差で表彰台を逃したものの、そのあとに行われたレース3でも同じく4位を獲得。この結果により、ヤン・アーラッカーはポイントランキングで5位につけた。
18カ月のブランクがあったチームメイトのジェームス・トンプソンは、予選を8番手でフィニッシュ。レース2では3番グリッドからスタートした。しかし、ピットストップからコースに戻る際、クラッシュを避けるためにスムーズなコースインができず、その影響で2番手から7番手に後退。最終的には6位でフィニッシュした。レース3では8位になり、ポイントランキングで11位につけた。
前日のレース1でチーム最上位となる成績を収めたエステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)は、レース2で8位フィニッシュ。レース3ではターン12でジョン・フィリッピ(セアト)とバトルを演じた末に、14位でフィニッシュした。エステバン・グエリエリはポイントランキングで10位となり、ALL-INKL.COM Munnich Motorsportはチームランキングで5位につけた。
Boutsen Ginion Racing Hondaのトム・コロネルはレース2で10位に入り、今シーズン初めてのポイントを獲得。レース3では終盤で前の選手に迫ったものの、最終的に12位でフィニッシュし、わずかな差でポイント獲得を逃した。開幕戦を終え、ポイントランキングでは15位。Boutsen Ginion Racingはチームランキングで8位につけている。
トム・コロネルのチームメートで若干18歳のドライバー、ベンジャミン・レッスンは、レース2を16番グリッドからスタート。一時は12番手で周回したが、ターン11で他車と接触してしまう。その影響により、レース3はピットスタート。随所で好走を披露したが、17位フィニッシュとなった。
第2戦は4月28~29日にハンガリーのハンガロリンクで行われる。
ヤン・アーラッカー(4位/4位)
「今日の両レースを4位で終えられてうれしいです。レース2のスタートはうまくいきました。集団に巻き込まれることなく、6番手スタートから4位でフィニッシュできました。両レースで上位のマシンについていくことができました。昨日の予選ではあまりいい結果ではありませんでした。しかし、そのあと、チームスタッフが懸命にマシンをいい状態にしてくれ、今日の予選ではQ3まで進めました。非常にうまくいったと思います」
ジェームス・トンプソン(6位/8位)
「2週間前には、今シーズン参戦するかどうかも決めていませんでした。なので、Honda Civic Type R TCRを駆る最初のレースで10位以内に入れたことはすばらしいです。日を追うごとに快適にマシンを操ることができ、タイムも縮められました。レース2ではもっと上位を狙えましたが、ピットからコースに戻る際に他車に進路を阻まれて、そのために順位を上げることができませんでした。ハンガリーでの次戦もがんばります」
エステバン・グエリエリ(8位/14位)
「今日のレース状況からも、今年のWTCRは激戦続きになりそうな予感がします。もしQ2に進出できていれば、レース2をフロントローからスタートできたでしょう。しかし、わずかな差でそれを逃し、苦しい一日になりました。レース2でポイントを獲得できたのはよかったです。オーバーテイクが難しいサーキットですが、12番グリットからスタートし、いくつかオーバーテイクを成功させることができました。レース3はうまくスタートが決まらず、そのあとはフィリッピとのバトルになってしまいました」
トム・コロネル(10位/12位)
「今日は、今シーズン最初のポイントを獲得できてうれしかったです。マシンはとても安定していて、前を走るライバルを容易に捕らえられる気がしました。レース3中盤のターン1ではミスをしてしまい、いくつか順位を落としました。しかし、そのあとも順位を上げるためにがんばりました。わずかな差でQ2進出を逃さなければ違った結果になったと思いますが、これもレースです」
ベンジャミン・レッスン(21位/17位)
「今日の予選の結果には納得していますし、レース2はいくつかオーバーテイクもできました。しかし、ターン11で他車と接触したのはもったいなかったです。レース3をピットからスタートすることになりましたが、チームは懸命にマシンを修復してくれました。ステアリングに不具合があり、苦しい戦いになりましたが、多くのことを学びました。ハンガリーでの次戦はよりオーソドックスなサーキットで行われますし、今戦よりもポジションを上げられると思います」
カテゴリー: F1 / F1関連