電気自動車SUVによる新シリーズ『エクストリームE』が旗揚げ
電気自動車SUVで過酷なオフロードを戦う新たなレーシングシリーズ『エクストリームE』を創設する構想を発表した。
フォーミュラE会長のアレハンロド・アガグとマクラーレンF1チームのスポーティングディレクターを務めるジル・ド・フェランが計画している『エクストリームE(Extreme E)』は、「電気自動車SUVを極限の環境で競争させることでマシン性能やドライバーの腕、新たな技術を鍛えていくととともに、我々が直面している環境問題にも取り組む」というコンセプトを掲げ、2021年1月をスタートを目指す。
地球温暖化による環境的問題に光を当てるべく、レースは北極圏やヒマラヤ、サハラ砂漠、アマゾンの熱帯雨林、インド洋の海抜の低い島々での開催を計画している。
『エクストリームE』はフルEVのSUVで10km以上のステージを戦う。12チームが1台のマシンでエントリーし、年間5ラウンドを戦う。“カーボンニュートラル”を目標としいて、パドックは元英国郵便船のセントヘレナ号(RMS St Helena)の上におかれ、この船でマシンやチームメンバー、備品等がレース会場に輸送される。
1月31日(木)のエクストリームEの発表イベントは、ロンドンのテムズ川に停泊されたこのセントヘレナ号で行われた。船内は数百万ポンドをかけてリノベーションされ、貨物室には12台のマシンを収容できるよう改修されている。この船には各チームやドライバー、組織の拠点が置かれるほか、研究船として使用することも可能となるという。
エクストリームEはライブ放送を計画していないが、アカデミー賞映像作家であるフィッシャー・スティーブンスがドキュメンタリーシリーズを編集する。このドキュメンタリーでは、各レースのストーリーだけでなく、舞台となった地域の環境問題を取り上げていくという。
アレハンロド・アガグは、フランスの探検家であり、環境活動家のジャック・クストーにインスピレーションを得て、エクストリームEのプロジェクト、打ち出したいメッセージが浮かんだと述べた。
アレハンドロ・アガグは「海への憧れは子どもの頃に始まった。その理由はたった一つだ。フランスの生物学者、ジャック・クストーのドキュメンタリーを見たからだ」とコメント。
「あのドキュメンタリーを見てから私の見方は変わった。海への愛情も変わった。ドキュメンタリーにはそれくらいの力がある」
「なによりも、ジャック・クストーは私に夢を与えてくれた。彼はカリスポという船を持っていた。私の夢はこの船(セントヘレナ号)が新たなカリスポ、21世紀のカリスポになることだ。しかし、これはただ言えば叶うものではなく、勝ち取らなければならない名声だ。だからこそ、私はこの船が巨大なアドベンチャーを見せられるものになることを願っている。クストーが描いた美しい環境ではなく、我々の星が直面している非常に大きな問題を示す船だ」
車両となるSUVにはフォーミュラEのテクノロジーが採用されるが、パワーは2倍になり、4輪駆動が採用される。マニュファクチャラーはマシンを駆動させるモーター発電ユニットを開発することが可能となり、公道を走行するSUVに似せてボディワークを加工する自由が与えられる。
バッテリーはフォーミュラEと同じマクラーレン・アプライド・テクノロジーが供給する。また、第2世代のエクストリームEの車両には液体水素燃料セルが導入される予定だという。予算は各チーム500万ポンド(約7億1,000万円)ほどに制限され、公平な競争のためにマニュファクチャラーは独立系チームと技術を共有しなければならない。
現状ではまだ契約を結んだチームやドライバー、開催地はないが、自動車メーカー9社がすでに関心を示しているいう。タイヤサプライヤーについてはコンチネンタルタイヤがパートナーを務めることが決定している。
「我々は各メーカーと話し合っており、このシリーズはマニュファクチャラーにとって素晴らしいプラットフォームだというのが私の個人的な意見だ。なぜなら、彼らは公道を走る一般車両として販売するクルマで参戦できるからだ」とアレハンロド・アガグはコメント。
「また、マニュファクチャラーが電気自動車、特に電動SUVを走らせることには非常に重要なメッセージがある。そのようなクルマが暑さ、寒さといったあらゆる気温、いかなる路面、コンディションでも走行できるというメッセージだ。これはマニュファクチャラーにとって非常に魅力的なコンセプトだと考えている」
エクストリームEは、レースに適したロケーションを探すためにイギリスの探検家であり、環境保護主義者のデビッド・デ・ロスチャイルドを“チーフエクスプローラー”として起用する。
アレハンロド・アガグは、地域の環境にダメージを与えることなく極限的な環境でレースすることで各政府がレース開催を前向きに検討してくれるはずだと語る。
「我々が望んでいることを知れば、各政府はこのコンセプトに関心を持ってくれるはずだ。フォーミュラEでは“どうやって市街地でレースをする許可を各都市から取るか”が大きな問題だったが、その答えはシンプルでだ。『我々はエレクトリックだ』ということに尽きる」
「また面積も非常に小さい。我々は10kmのループを4つ設定する予定だが、大きな面積を占有するつもりはない。まだ政府との話し合いは始まっていないが、調査が始まれば政府との話し合いに取り組むことになるだろう。しかし、フォーミュラEと各都市の話し合いよりも容易になると考えている」
カテゴリー: F1 / F1関連
フォーミュラE会長のアレハンロド・アガグとマクラーレンF1チームのスポーティングディレクターを務めるジル・ド・フェランが計画している『エクストリームE(Extreme E)』は、「電気自動車SUVを極限の環境で競争させることでマシン性能やドライバーの腕、新たな技術を鍛えていくととともに、我々が直面している環境問題にも取り組む」というコンセプトを掲げ、2021年1月をスタートを目指す。
地球温暖化による環境的問題に光を当てるべく、レースは北極圏やヒマラヤ、サハラ砂漠、アマゾンの熱帯雨林、インド洋の海抜の低い島々での開催を計画している。
『エクストリームE』はフルEVのSUVで10km以上のステージを戦う。12チームが1台のマシンでエントリーし、年間5ラウンドを戦う。“カーボンニュートラル”を目標としいて、パドックは元英国郵便船のセントヘレナ号(RMS St Helena)の上におかれ、この船でマシンやチームメンバー、備品等がレース会場に輸送される。
1月31日(木)のエクストリームEの発表イベントは、ロンドンのテムズ川に停泊されたこのセントヘレナ号で行われた。船内は数百万ポンドをかけてリノベーションされ、貨物室には12台のマシンを収容できるよう改修されている。この船には各チームやドライバー、組織の拠点が置かれるほか、研究船として使用することも可能となるという。
エクストリームEはライブ放送を計画していないが、アカデミー賞映像作家であるフィッシャー・スティーブンスがドキュメンタリーシリーズを編集する。このドキュメンタリーでは、各レースのストーリーだけでなく、舞台となった地域の環境問題を取り上げていくという。
アレハンロド・アガグは、フランスの探検家であり、環境活動家のジャック・クストーにインスピレーションを得て、エクストリームEのプロジェクト、打ち出したいメッセージが浮かんだと述べた。
アレハンドロ・アガグは「海への憧れは子どもの頃に始まった。その理由はたった一つだ。フランスの生物学者、ジャック・クストーのドキュメンタリーを見たからだ」とコメント。
「あのドキュメンタリーを見てから私の見方は変わった。海への愛情も変わった。ドキュメンタリーにはそれくらいの力がある」
「なによりも、ジャック・クストーは私に夢を与えてくれた。彼はカリスポという船を持っていた。私の夢はこの船(セントヘレナ号)が新たなカリスポ、21世紀のカリスポになることだ。しかし、これはただ言えば叶うものではなく、勝ち取らなければならない名声だ。だからこそ、私はこの船が巨大なアドベンチャーを見せられるものになることを願っている。クストーが描いた美しい環境ではなく、我々の星が直面している非常に大きな問題を示す船だ」
車両となるSUVにはフォーミュラEのテクノロジーが採用されるが、パワーは2倍になり、4輪駆動が採用される。マニュファクチャラーはマシンを駆動させるモーター発電ユニットを開発することが可能となり、公道を走行するSUVに似せてボディワークを加工する自由が与えられる。
バッテリーはフォーミュラEと同じマクラーレン・アプライド・テクノロジーが供給する。また、第2世代のエクストリームEの車両には液体水素燃料セルが導入される予定だという。予算は各チーム500万ポンド(約7億1,000万円)ほどに制限され、公平な競争のためにマニュファクチャラーは独立系チームと技術を共有しなければならない。
現状ではまだ契約を結んだチームやドライバー、開催地はないが、自動車メーカー9社がすでに関心を示しているいう。タイヤサプライヤーについてはコンチネンタルタイヤがパートナーを務めることが決定している。
「我々は各メーカーと話し合っており、このシリーズはマニュファクチャラーにとって素晴らしいプラットフォームだというのが私の個人的な意見だ。なぜなら、彼らは公道を走る一般車両として販売するクルマで参戦できるからだ」とアレハンロド・アガグはコメント。
「また、マニュファクチャラーが電気自動車、特に電動SUVを走らせることには非常に重要なメッセージがある。そのようなクルマが暑さ、寒さといったあらゆる気温、いかなる路面、コンディションでも走行できるというメッセージだ。これはマニュファクチャラーにとって非常に魅力的なコンセプトだと考えている」
エクストリームEは、レースに適したロケーションを探すためにイギリスの探検家であり、環境保護主義者のデビッド・デ・ロスチャイルドを“チーフエクスプローラー”として起用する。
アレハンロド・アガグは、地域の環境にダメージを与えることなく極限的な環境でレースすることで各政府がレース開催を前向きに検討してくれるはずだと語る。
「我々が望んでいることを知れば、各政府はこのコンセプトに関心を持ってくれるはずだ。フォーミュラEでは“どうやって市街地でレースをする許可を各都市から取るか”が大きな問題だったが、その答えはシンプルでだ。『我々はエレクトリックだ』ということに尽きる」
「また面積も非常に小さい。我々は10kmのループを4つ設定する予定だが、大きな面積を占有するつもりはない。まだ政府との話し合いは始まっていないが、調査が始まれば政府との話し合いに取り組むことになるだろう。しかし、フォーミュラEと各都市の話し合いよりも容易になると考えている」
カテゴリー: F1 / F1関連