映画『F1/エフワン』続編が始動? ブラッカイマー「ハミルトンと話をしている」
映画『F1/エフワン』(原題:F1 The Movie)の世界的な成功を受け、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが早くも続編の構想を明かした。

ブラッド・ピット主演で2025年6月に公開された本作は、これまでに世界で約6億3000万ドルを稼ぎ出しており、サニー・ヘイズとAPXGPの物語はまだ終わっていないようだ。

ブラッカイマーは『Forbes』のインタビューで、エグゼクティブ・プロデューサーを務めたルイス・ハミルトンとすでに続編について話し合いを行ったと明かした。

「数週間前にルイス・ハミルトンと会って、いくつかのアイデアを話し始めた」と、ベテラン製作者は語った。

彼はまた、ロンドンで行われている上映イベントについて「ここで3晩続けて毎晩2回の上映を行っている。観客に『この映画をまだ観ていない人は?』と聞くと、80%が手を挙げるんだ。信じられないよ」と熱気を伝えた。

「残りの20%はすでに何度も観ている人たちだ。『自分には関係ない映画だと思っていた』という人もいるけど、これはあなたの映画だ。感情的で、楽しくて、劇場で素晴らしい夜を過ごせる作品なんだ」と語っている。

リアリティを追求した“本物のF1映画”
ブラッカイマーは、ジョセフ・コシンスキー監督やF1運営側との連携が生んだ“本物のF1体験”を称賛した。

「F1の映画を作るなら、リアルにやるしかない。それがジョーとチーム全員の思いだった」と語り、「彼らはF4、F2、そして我々のマシンと段階を踏んで4か月間トレーニングした。これはF1なしには実現できなかった」と明かした。

さらに「ステファノ・ドメニカリ(F1社長兼CEO)が本当に協力してくれた。おかげで9つの異なるサーキットで撮影することができた」と続けた。

このように“本物のF1世界”を再現した本作は、興行面でも批評面でも成功を収めており、続編の実現はほぼ確実と見られている。
ブラッカイマーの熱意とハミルトンの創造的関与を考えれば、『F1/エフワン』は単なる一発のヒットではなく、フランチャイズとして発展する可能性が高い。

F1/エフワン

続編構想の背景と展望
世界興行収入6億ドル超という数字は、モータースポーツ映画としては異例の成功だ。ブラッカイマーが語る「ハミルトンとの再会」は、単なる社交的な話し合いではなく、次章の方向性を模索する具体的な準備段階と見られる。

ハミルトンが強調する「焦らず質を追求する」姿勢は、スピードよりも完成度を重視する映画制作の哲学を示している。F1の世界でも“開発競争”に例えられるように、続編は慎重なチューニングが求められるだろう。

F1と映画の共振:続編に求められるリアリティ
初作では実際のF1サーキットやマシンを使用し、ブラッド・ピットが本物のコースを走るシーンを撮影するなど、これまでのレース映画とは一線を画した“没入感”が話題を呼んだ。
続編では、2026年の新レギュレーションを背景に「次世代F1」を描く可能性もある。技術の進化や環境対応型パワーユニットなど、現実のF1が進む方向性と物語をリンクさせることで、さらなるリアリティを演出できるだろう。

“F1の新たなブランド資産”としての映画シリーズ
F1はこの映画を通じて、スポーツとしてだけでなく“文化的コンテンツ”としての存在感を拡大した。Apple Original FilmsとF1のコラボレーションによる映像体験は、若年層や新規ファン層を取り込む効果をもたらしており、続編ではこの勢いを維持・拡大することが期待される。

ブラッカイマーが語る「80%の未観客層」は、いまだ開拓の余地がある市場の広さを意味している。つまり、『F1/エフワン』続編は、映画産業だけでなく、F1ビジネス全体の成長戦略の一部としても重要な位置づけになるだろう。

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カテゴリー: F1 / F1動画 / ルイス・ハミルトン