ブラッド・ピットがF1マシン初走行 映画はメルセデス主導も実現はマクラーレン

映画では架空の元F1ドライバー「ソニー・ヘイズ」役を演じるピットだが、これまで本物のF1マシンをドライブしたことはなかった。しかし今週、マクラーレンが主催した非公開テストにて、2023年型のMCL60で初めてF1マシンのステアリングを握ったとオートスポーツ誌が報じている。
マクラーレンは公式SNSで、ピットのイニシャルが入ったドライバー用スーツの画像と共に「オースティンはSonny日和」と投稿しており、テスト実施をほのめかしていた。
このテストにはチームメイトのランド・ノリスも同席していたとされ、彼がピットに操縦の手ほどきをしたと見られる。一方、同僚のオスカー・ピアストリは映画プレミアへの出席を見送り、直接COTAに向かっていた。

映画『F1/エフワン』では、ピットと共演のダムソン・イドリスがドライブするのはF2マシンを改造した架空チーム「APX GP」のマシンであり、改造・技術協力を担ったのはメルセデスだった。共同プロデューサーとして関わったルイス・ハミルトンを筆頭に、メルセデスはピットウォールやガレージのリアリティ確保に全面協力。トト・ヴォルフ代表も映画にカメオ出演しており、APX GPマシンにはIWCやトミー・ヒルフィガー(現アディダスに変更)など、実在のスポンサーがあしらわれている。
しかし今回のF1初走行の舞台がメルセデスではなくマクラーレンだったことは注目すべき点だ。映画撮影開始以前の2023年には、ヴォルフがピットをフランスのドライビングスクールへ送り込み、F4マシンから経験を積ませていたことも明かされている。
「ガレージやピットウォールの設計もすべて、できる限りリアルに見えるように協力した」と語るヴォルフは、監督のジョセフ・コシンスキーと親交があり、「最近どこにいるのか聞いたら“ブラックリーのアパートだよ”って返ってきた」と笑い話を披露していた。
メルセデスの全面協力のもとで制作された映画ながら、ブラッド・ピットの初F1走行はマクラーレンと共に実現。2026年のF1新時代を前に、ハリウッドとF1の交錯はさらなる注目を集めている。
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