MotoGP | ヤマハ 第16戦 日本GP 初日レポート
MotoGP 日本GPのフリープラクティス初日、Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは午前、午後の両セッションでドライ・コンディションとウエット・コンディションを経験し、ベース・セッティングの向上に取り組み、総合順位でそれぞれ5番手と9番手を獲得した。
昨年はウイークを通して雨に見舞われたため、ビニャーレスにとってドライコンディションは初めての経験。午前中の第1セッションではツインリンクもてぎの感触を思い出すところからはじめ、少しずつ着実に前進していった。
ハードブレーキングが必要となるコースの特徴を考慮して時間をかけカーボンブレーキ・ディスクを暖めてから、残り15分で徐々にペースアップ。終盤で2番手に上がってからリアタイヤをソフトコンパウンドに履き替えると、最後のトライでさらに1分45秒640へと更新してトップから0.282秒差の5番手を獲得した。
第2セッションはウエットコンディションとなったが、ビニャーレスは早々にコースに飛び出して予定通りにセッティング作業をこなしていった。ラップタイムでは1分54秒133を記録して終盤まで上位をキープ。しかし路面が乾き始めると他のライダーたちもペースを上げたため、最終的にはトップから5.997秒差の15番手に後退した。総合順位では第1セッションのタイムが採用されて5番手となっている。
チームメイトのロッシはフリープラクティス第2セッションの序盤で2番手につけたあと、タイヤスペックを含めた様々なセッティングオプションのテストに専念。その後、作業のほとんどを終えてからタイムアタックを開始した。そして最終ラップで1分46秒329を記録。トップから0.971秒差の9位を獲得した。
午後になると予想通りコンディションが悪化し、第2セッションでは誰ひとりラップタイムを更新することができなかった。ロッシはウエットコンディションでのフィーリングをつかむために、ひたすらマシンバランスの向上に取り組み、ラップタイムではトップから5.942秒差の1分54秒078に留まった。しかし総合順位では9番手をキープした。
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコがヤマハ勢トップの総合3番手
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはフリープラクティス初日、午前中の第1セッションでハイペースをキープし3番手を獲得。第2セッションはウエットからスタートし、ほとんどの時間帯でトップをキープしたが、終盤になると路面が乾きスリックタイヤに交換すると、トップから0.125秒差の5番手で終了した。
チームメイトのハフィス・シャーリンはYZR-M1でツインリンクもてぎを初走行。天候の変化もあり難しい状況だったが、第2セッションではフィーリングが向上して6番手獲得と健闘した。
ワイルドカード参戦の中須賀、初日総合15番手
日本GPに出場するのは今年で連続7回目となる中須賀克行。今年のチームはYAMALUBE YAMAHA FACTORY RACINGで、マシンはYZR-M1。ゼッケンは89で、これは中須賀の誕生日である8月9日から用いられたもの。さらにチームクルーは日ごろマシン開発に携わるメンバーで気心は知れている。
走り出しのFP1では、開始早々にトップ10入りする好タイムをマークするが、時間経過とともに他ライダーのペースが上がり、最終的に1分46秒872がベストタイムとなり15番手。FP1から決勝まで雨が降り続いた昨年のデータとは比較はできないが、一昨年まで遡ると、2016年のFP1では1分48秒058で18番手だった。
FP2は、FP1後に降った雨の影響で路面がウエットとなっため出走を見合わせていたが、路面コンディションが回復したため、決勝に向けてのスタート練習を目的に走行時間終了直前にスリックタイヤを装着してコースイン。これで、FP2のポジションは12番手となったが、総合成績は15番手で初日を終えた。
Movistar Yamaha MotoGP
マーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合5番手/1分45秒640)
「順調な一日でした。それどころか非常すばらしかったと思っています。というのも前回のタイGPでの好調の原因が、タイヤではなくてセッティング変更にあったことを確認できたからです。タイヤのほうはタイGPのときとまったく違っているのに、依然として上位につけることができたので、本当にうれしい気持ちになりました。とはいえ、改善すべきところはまだ残っています。セッティングについては今の方向性を維持しながら、さらに改良に努めていきたいと思います。午後はおもにウエットタイヤのテストを行いました。昨年はこれにかなり苦戦したのですが、今年はウエットでもマシンが好調に走ってくれていて、マシンのバランスはドライでもウエットでも昨年よりよくなっているようです。また、私たちは今日、乳がんと闘う人たちへのサポートの一環として、ピンクのシャツを着用しました。このような活動を通して少しでも患者さんたちの支えになれるなればと思います」
バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合9番手/1分46秒329)
「コンディションが変わりやすかったので、今日のプラクティスについて評価するのは簡単ではありません。午前中は幸いドライコンディションに恵まれましたが、いろいろと試しておきたいこともあったので、十分にペースを上げることができませんでした。その一方で、マーベリックやザルコは走りもペースも非常に好調だったので、ヤマハにとってはよいことだと思います。午後はハーフ&ハーフのコンディションになったため難しかったのですが、明日のためにトライしておかなければならないことがありました。明日はマシンをモディファイする予定ですが、それによってペースが上がるかどうか、またユーズドタイヤでもペースを維持できるかどうか確かめたいと思っています。一日の最後にはウエアを着替え、大切なイベントに臨みました。マーベリックと私は記者会見でピンクのシャツを着用したのですが、これは、乳がんへの意識を高めるためにMovistarが取り組んでいるサポートの一環です」
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「今日はマーベリックが初めからハイペースで走ってくれたので、タイGPで使用したベースセッティングがここでも有効であることを確認することができました。バレンティーノは第1セッションで期待したようなスタートができませんでしたが、周回を重ねるにつれてどんどんよくなっていきました。ふたりとも、午後のウエットコンディションには好感触をつかんでいるようですし、ドライでのラップタイムを越えることはないとわかっていたので、プレッシャーを感じることなくマシンバランスの追求に専念することができました。明日はまた一歩前進し、決勝に向けてしっかり準備を整えるためにもドライコンディションを期待しています。特にタイヤの比較がまだ完了していないので、その部分にもう少し力を入れることになるでしょう」
Monster Yamaha Tech3
ヨハン・ザルコ (フリー走行総合3番手/1分46秒483)
「ウイーク初日は好調に運び、満足しています。ドライコンディションでは開始早々からハイペースで走ることができたので、落ち着いて多くの仕事をこなすことができました。午後になると雨が降ったりして難しいコンディションになったので、午前中のうちにタイムを上げておくことができてよかったです。フルウエットまではいきませんでしたが、所々に水たまりができている状態。両方のコンディションでレインタイヤとスリックタイヤを試すことができ、どちらもうまくマシンをコントロールできたので自信を持って臨めます。明日も速さを維持して予選で上位を目指したいと思っています」
ハフィス・シャーリン (フリー走行総合24番手/1分47秒726)
「ドライコンディションの間にあまり多くの周回を走ることができませんでしたが、マシンのフィーリングは上々で満足できました。第1セッションは終盤でブレーキに少し問題が出たため、走行を取りやめました。第2セッションは絶好調だったのですが、ドライの時間帯を十分に利用することができなかったのは残念です。全体的にはとても順調なので、明日はもっとタイムを短縮できるでしょう」
YAMALUBE YAMAHA FACTORY RACING
中須賀克行 (フリー走行総合15番手/1分46秒872)
「日本GPは、今年で連続7回目の出場です。ツインリンクもてぎに来るまでは、もうそろそろ緊張はしないだろうと思っていましたが、FP1直前は例年どおりに緊張して、走り出してそれが解けました。年に一度、世界最速ライダーたちが集まる日本GPは緊張に値するものだし、ここに自分が出場できることはとても誇りに思います。今大会は、これも例年どおりにテスト項目があるのですが、レギュレーションで手を加えられるところが限られているので、数年前のようなハードスケジュールではありません。FP1ではリズムも良かったし、テスト項目も順調にこなせました。FP2は路面が乾ききっていなかったので、チームと相して走ることを辞めました。ただ最後に路面が回復方向だったので、スタート練習のために出走。例年よりもしっかりと走れているので、明日はさらにいい走りをしていきます」
船沿広通監督 (技術本部MS開発室 モトGPグループ主査)
「走り出しとなるFP1では、これまで中須賀克行選手とともにこれまでテストしてきたパーツ類やセッティングなどを実践で確認するという作業でした。現在のレギュレーションではエンジンに手を加えることができないので、必然的に車体と制御に絞られてきますが、今大会で何か新しいパーツを試すのではなく、基本的にはこれまでやってきたことの確認作業が中心です。FP2は路面が乾ききっていなかったので、ここでリスクを背負う必要性はまったくなかったので、走行をキャンセルしました。セッション終盤で中須賀選手がコースインしましたが、コンディションが回復しつつあり、スタートの練習をしたいという本人の希望によるものです」
カテゴリー: F1 / MotoGP
昨年はウイークを通して雨に見舞われたため、ビニャーレスにとってドライコンディションは初めての経験。午前中の第1セッションではツインリンクもてぎの感触を思い出すところからはじめ、少しずつ着実に前進していった。
ハードブレーキングが必要となるコースの特徴を考慮して時間をかけカーボンブレーキ・ディスクを暖めてから、残り15分で徐々にペースアップ。終盤で2番手に上がってからリアタイヤをソフトコンパウンドに履き替えると、最後のトライでさらに1分45秒640へと更新してトップから0.282秒差の5番手を獲得した。
第2セッションはウエットコンディションとなったが、ビニャーレスは早々にコースに飛び出して予定通りにセッティング作業をこなしていった。ラップタイムでは1分54秒133を記録して終盤まで上位をキープ。しかし路面が乾き始めると他のライダーたちもペースを上げたため、最終的にはトップから5.997秒差の15番手に後退した。総合順位では第1セッションのタイムが採用されて5番手となっている。
チームメイトのロッシはフリープラクティス第2セッションの序盤で2番手につけたあと、タイヤスペックを含めた様々なセッティングオプションのテストに専念。その後、作業のほとんどを終えてからタイムアタックを開始した。そして最終ラップで1分46秒329を記録。トップから0.971秒差の9位を獲得した。
午後になると予想通りコンディションが悪化し、第2セッションでは誰ひとりラップタイムを更新することができなかった。ロッシはウエットコンディションでのフィーリングをつかむために、ひたすらマシンバランスの向上に取り組み、ラップタイムではトップから5.942秒差の1分54秒078に留まった。しかし総合順位では9番手をキープした。
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコがヤマハ勢トップの総合3番手
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはフリープラクティス初日、午前中の第1セッションでハイペースをキープし3番手を獲得。第2セッションはウエットからスタートし、ほとんどの時間帯でトップをキープしたが、終盤になると路面が乾きスリックタイヤに交換すると、トップから0.125秒差の5番手で終了した。
チームメイトのハフィス・シャーリンはYZR-M1でツインリンクもてぎを初走行。天候の変化もあり難しい状況だったが、第2セッションではフィーリングが向上して6番手獲得と健闘した。
ワイルドカード参戦の中須賀、初日総合15番手
日本GPに出場するのは今年で連続7回目となる中須賀克行。今年のチームはYAMALUBE YAMAHA FACTORY RACINGで、マシンはYZR-M1。ゼッケンは89で、これは中須賀の誕生日である8月9日から用いられたもの。さらにチームクルーは日ごろマシン開発に携わるメンバーで気心は知れている。
走り出しのFP1では、開始早々にトップ10入りする好タイムをマークするが、時間経過とともに他ライダーのペースが上がり、最終的に1分46秒872がベストタイムとなり15番手。FP1から決勝まで雨が降り続いた昨年のデータとは比較はできないが、一昨年まで遡ると、2016年のFP1では1分48秒058で18番手だった。
FP2は、FP1後に降った雨の影響で路面がウエットとなっため出走を見合わせていたが、路面コンディションが回復したため、決勝に向けてのスタート練習を目的に走行時間終了直前にスリックタイヤを装着してコースイン。これで、FP2のポジションは12番手となったが、総合成績は15番手で初日を終えた。
Movistar Yamaha MotoGP
マーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合5番手/1分45秒640)
「順調な一日でした。それどころか非常すばらしかったと思っています。というのも前回のタイGPでの好調の原因が、タイヤではなくてセッティング変更にあったことを確認できたからです。タイヤのほうはタイGPのときとまったく違っているのに、依然として上位につけることができたので、本当にうれしい気持ちになりました。とはいえ、改善すべきところはまだ残っています。セッティングについては今の方向性を維持しながら、さらに改良に努めていきたいと思います。午後はおもにウエットタイヤのテストを行いました。昨年はこれにかなり苦戦したのですが、今年はウエットでもマシンが好調に走ってくれていて、マシンのバランスはドライでもウエットでも昨年よりよくなっているようです。また、私たちは今日、乳がんと闘う人たちへのサポートの一環として、ピンクのシャツを着用しました。このような活動を通して少しでも患者さんたちの支えになれるなればと思います」
バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合9番手/1分46秒329)
「コンディションが変わりやすかったので、今日のプラクティスについて評価するのは簡単ではありません。午前中は幸いドライコンディションに恵まれましたが、いろいろと試しておきたいこともあったので、十分にペースを上げることができませんでした。その一方で、マーベリックやザルコは走りもペースも非常に好調だったので、ヤマハにとってはよいことだと思います。午後はハーフ&ハーフのコンディションになったため難しかったのですが、明日のためにトライしておかなければならないことがありました。明日はマシンをモディファイする予定ですが、それによってペースが上がるかどうか、またユーズドタイヤでもペースを維持できるかどうか確かめたいと思っています。一日の最後にはウエアを着替え、大切なイベントに臨みました。マーベリックと私は記者会見でピンクのシャツを着用したのですが、これは、乳がんへの意識を高めるためにMovistarが取り組んでいるサポートの一環です」
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「今日はマーベリックが初めからハイペースで走ってくれたので、タイGPで使用したベースセッティングがここでも有効であることを確認することができました。バレンティーノは第1セッションで期待したようなスタートができませんでしたが、周回を重ねるにつれてどんどんよくなっていきました。ふたりとも、午後のウエットコンディションには好感触をつかんでいるようですし、ドライでのラップタイムを越えることはないとわかっていたので、プレッシャーを感じることなくマシンバランスの追求に専念することができました。明日はまた一歩前進し、決勝に向けてしっかり準備を整えるためにもドライコンディションを期待しています。特にタイヤの比較がまだ完了していないので、その部分にもう少し力を入れることになるでしょう」
Monster Yamaha Tech3
ヨハン・ザルコ (フリー走行総合3番手/1分46秒483)
「ウイーク初日は好調に運び、満足しています。ドライコンディションでは開始早々からハイペースで走ることができたので、落ち着いて多くの仕事をこなすことができました。午後になると雨が降ったりして難しいコンディションになったので、午前中のうちにタイムを上げておくことができてよかったです。フルウエットまではいきませんでしたが、所々に水たまりができている状態。両方のコンディションでレインタイヤとスリックタイヤを試すことができ、どちらもうまくマシンをコントロールできたので自信を持って臨めます。明日も速さを維持して予選で上位を目指したいと思っています」
ハフィス・シャーリン (フリー走行総合24番手/1分47秒726)
「ドライコンディションの間にあまり多くの周回を走ることができませんでしたが、マシンのフィーリングは上々で満足できました。第1セッションは終盤でブレーキに少し問題が出たため、走行を取りやめました。第2セッションは絶好調だったのですが、ドライの時間帯を十分に利用することができなかったのは残念です。全体的にはとても順調なので、明日はもっとタイムを短縮できるでしょう」
YAMALUBE YAMAHA FACTORY RACING
中須賀克行 (フリー走行総合15番手/1分46秒872)
「日本GPは、今年で連続7回目の出場です。ツインリンクもてぎに来るまでは、もうそろそろ緊張はしないだろうと思っていましたが、FP1直前は例年どおりに緊張して、走り出してそれが解けました。年に一度、世界最速ライダーたちが集まる日本GPは緊張に値するものだし、ここに自分が出場できることはとても誇りに思います。今大会は、これも例年どおりにテスト項目があるのですが、レギュレーションで手を加えられるところが限られているので、数年前のようなハードスケジュールではありません。FP1ではリズムも良かったし、テスト項目も順調にこなせました。FP2は路面が乾ききっていなかったので、チームと相して走ることを辞めました。ただ最後に路面が回復方向だったので、スタート練習のために出走。例年よりもしっかりと走れているので、明日はさらにいい走りをしていきます」
船沿広通監督 (技術本部MS開発室 モトGPグループ主査)
「走り出しとなるFP1では、これまで中須賀克行選手とともにこれまでテストしてきたパーツ類やセッティングなどを実践で確認するという作業でした。現在のレギュレーションではエンジンに手を加えることができないので、必然的に車体と制御に絞られてきますが、今大会で何か新しいパーツを試すのではなく、基本的にはこれまでやってきたことの確認作業が中心です。FP2は路面が乾ききっていなかったので、ここでリスクを背負う必要性はまったくなかったので、走行をキャンセルしました。セッション終盤で中須賀選手がコースインしましたが、コンディションが回復しつつあり、スタートの練習をしたいという本人の希望によるものです」
カテゴリー: F1 / MotoGP