YAMAHA 2016 MotoGP 日本グランプリ
MotoGPは、アジア、オセアニアで行われる3連戦をスタート。その1戦目となる日本GPがツインリンクもてぎで行われ、フリープラクティスでMovistar Yamaha MotoGPのホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシは、それぞれ1位と7位を獲得した。

ホルヘ・ロレンソは午前中の第1セッションからペースをつかんで順調な滑り出し。序盤で2番手に上がったあとは、主にドライコンディションのセッティング作業に取り組んだ。そして3回目の走行で1分46秒181のベストタイムを記録。トップから0.695秒差の3位でセッションを終了した。

午後からの第2セッションでも同様にスムースなライディング。開始早々に1分46秒111に更新し、さらにペースを上げると46秒台の壁を破る1分45秒911を記録して暫定3位につけた。最後までペースを緩めず走り切ったホルヘ・ロレンソはセッション終盤、さらにタイムを短縮して1分45秒151。これでライバルを0.053秒上回り、一気にトップに立った。

チームメイトのバレンティーノ・ロッシも、第1セッション開始早々からハイペースをアピール。ストップ&ゴーの特徴的なコースに合わせるため、セッティング作業に専念しながら合計20ラップを走行した。ほとんどの時間帯で2番手をキープしていたが、終盤で4番手へ後退。1分46秒222のベストラップで、トップとの差は0.463秒。

第2セッションではやや遅れてコースイン。それでも素早くペースを掴み、マシンのパーフェクトなバランスを求めて作業を続けた。何度かセッティング変更を行いながら、数種類のタイヤスペックをテスト。セッション終盤にはラップタイムを1分45秒684に短縮して暫定トップに立ち、その後さらに1分45秒532へと更新したが、ライバルたちもペースを上げたため7番手へ後退した。トップとの差は0.381秒。

1年ぶりの MotoGPで中須賀は17番手
Yamalube Yamaha Facory Racingの中須賀克行は、フリープラクティス1を1分48秒058で終え、総合17番手。1年ぶりに走るMotoGPで、改めてそのレベルの高さを実感したようで「彼らは、とても1年ぶりにツインリンクもてぎを走るというようなレベルではない。コーナー進入時のフルブレーキなど、マネをしようとするとこっちのリズムが乱れてしまう」と語った。

路面温度が上がったフリープラクティス2では、1分47秒135が中須賀のベストタイム。そしてこのフリープラクティス2でのヤマハ勢トップスピードで中須賀は、ポル・エスパルガロに次ぐ305.2km/hを記録。これは総合で10番手となるが、ミシュランタイヤの特性を把握できれば、さらにラップタイムが上がることを期待させるものだった。

Movistar Yamaha MotoGP
ホルヘ・ロレンソ (フリー走行総合トップ/1分45秒151)
「今日はとても順調だったよ。でも午後は気温のせいでコンディションが悪化し、転倒者が何人か出てしまったけれどね... 実際、とても難しい状況で、あのようなときには気温とタイヤに十分に気をつけなければならないんだ。タイヤについては最後に試したセットがとても良くて、そのおかげでコーナリング性能も向上。マシン自体もよく走ってくれているし、僕の体調もばっちりだから、きっといいレースができると思うよ」

バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合7番手/1分45秒532)
「良いところもあったし、悪いところもあった。午前中はハイペースで走ることができたけれど、午後のセッションはちょっと大変だったよ。硬めのコンパウンドのタイヤを試してみたら、前後ともフィーリングがつかめなかった。最後にソフト・コンパウンドに戻すと、ようやくラップタイムが上がってきたけれど、それではまだ不十分。ブレーキングがうまくいかず、セッティングにもマシンのバランスにも満足できない状態なので、これから何とかしないとね。全体のラップタイムは昨年とそう変わっていないのに、午後のセッションではたくさんの転倒者が出てしまい、そのなかでペドロサが怪我をしてしまったのは不運だった。おそらく、午後になって急に気温が下がったことが原因だろう。ペドロサの回復を祈り、僕ら自身も明日は良いコンディションを期待したい。そしてマシンバランスの調整を行い、もっと競争力を高めていきたい」

マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「フリープラクティス初日は順調にスタートできた。ホルヘもバレンティーノも開始早々から好位置につけており、ペースもとても良かった。午後はセッションのほとんどの時間をタイヤテストに費やし、フロント、リアともに様々なスペックのものを試すことができた。これは非常に重要な作業だが、一方では、そのせいでセッティングが遅くなってしまうということもある。そんななかでもホルヘは、最後の走行で新品のソフトタイヤを生かしてファステストラップを記録。しかしバレンティーノのほうは、セッション序盤でグリップ不足に悩まされ、ソフトコンパウンドの新品タイヤに交換してからも、とくにこのコースの特徴であるハード・ブレーキングで、思うように制動できず苦労した。決勝までにはまだ時間があるので、これから改善していく。明日はまた一歩前進できるだろう」

YAMALUBE YAMAHA FACTORY RACING
中須賀克行 (フリー走行総合17番手/1分47秒135)
「今年はECU(電子制御ユニット)が全車統一になり、タイヤも昨年までのブリヂストンからミシュランに変更されました。ECUに関してはテストできているのですが、レース用のミシュランタイヤは経験が少なく、まだ理解できていない状態です。今日マークした1分47秒135は、テストで出しているタイムなのでもっと上を狙えるのですが、これ以上攻めると、転倒しそうな雰囲気もあるので踏み切れていない状態です。明日は、もう少しタイヤ特性を生かせるライディングをみつけて攻めていきたい。昨年とは1秒落ちになりますが、1分46秒前半を目標にしていきます」

尾方宏彰 (チーム監督談)
「今年は、ワイルドカード参戦ですがファクトリーと同スペックのエンジンを使うというレギュレーションであるため、例年のように先行開発を主とした参戦とは少し異なります。ただ、エンジンなどのハードウエアは減っていますが、全車共通のECUでレースを戦うことで、さまざまなデータが収集できます。開発テストでは、基本的に各パーツ類がちゃんと機能しているかのチェックがメインでしたが、今回は、普段のテストでは施さないようなセッティングもトライしているので、中須賀選手も驚くような場面もありました。また、中須賀選手は、自分のマシンのことはもちろんですが、ライバルメーカーのライダーと一緒に走ってその比較をアナウンスしてくれいます。これは、例年とは違って冷静に走れている証拠だと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP