MotoGP ホンダ
終日、青空が広がったMotoGP オーストリアGP決勝は、今季4度目のポールポジション(PP)から2周目にトップに立ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)と、予選3番手のホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)の一騎打ちとなり、後半追い上げた後半追い上げたロレンソが優勝、マルケスは惜しくも2位だった。終盤は何度も首位を入れ替える激しい戦いとなったが、レッドブル・リンクで2連勝中のドゥカティは今年も強さをみせた。

レッドブル・リンク初制覇にあと一歩に迫ったマルク・マルケスは、「優勝はできなかったがチャンピオンシップで2位以下にリードを広げられた」と笑み。レッドブル・リンクで3連勝のドゥカティを相手にすばらしい戦いを挑んだマルケスに、スタンドにつめかけた大勢のファンから大きな拍手が送られた。

これでマルク・マルケスは、総合首位をキープするだけでなく、総合2位で今大会6位に終わったバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)との差を49ポイントから59ポイントに広げ、3年連続5度目のチャンピオンに向けて、また一歩前進した。総合3位のホルヘ・ロレンソとは71ポイント差。総合4位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とは72ポイント差と、大きなリードを築いた。

今大会、序盤は、マルケス、ロレンソ、ドヴィツィオーゾの3人がトップグループを形成。中盤過ぎからはドヴィツィオーゾがトップの2人からジリジリと遅れ、そのロレンソに迫ったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が4位でチェッカーを受けました。クラッチローは、今大会も表彰台争いを視野に入れるも、あと一歩届かず。しかし、シーズンを通して苦手とするサーキットでトップグループを追撃する走りを披露、クラッチローのホームGPとなる次戦イギリスGPに向けて手応えある走りとなった。

昨年の大会で3位表彰台に立ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、今年は表彰台争いに加われず7位だった。予選9番手から追い上げに気合満点のペドロサでしたが、オープニングラップに他車と接触して14番手までポジションを落とした。それから全力で追い上げ、終盤ダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、ロッシとし烈な5位争いのグループに加わり、僅差の7位でフィニッシュした。

以下、予選21番手から決勝に挑んだ中上貴晶(IDEMITSU LCR Honda)が、追い上げて15位でフィニッシュ。6戦ぶりにポイント獲得となった。予選16番手のフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、リアにソフトコンパウンドを選択したことで、結果的に序盤からペースを上げられず、19位だった。チームメートのトーマス・ルティもタイヤのパフォーマンスを引き出せず22位。悔しい結果に終わった。

マルク・マルケス(MotoGP 2位)
「今日はとてもレースを楽しみました。2位でフィニッシュしましたが、全力を尽くしました。ブルノでは十分な自信がありませんでしたが、ここではがんばりました。序盤、ギャップを広げるためにリアにハードタイヤを選んだので、最初から一生懸命プッシュしました。なぜならドヴィやロレンソがレース終盤、タイヤが消耗したときにとても速くなることが分かっていたからです。これが今日の戦略でした。前半は、それがうまくいくと思いましたが、再び彼らに追いつかれてしまいました。すばらしいバトルでした。自分のラインを変えて守ろうとしましたが、不可能でした。このサーキットは彼らがとても強いところです。特にストレートが強いです。このような状況ではベストを尽くだけです。今日はブレーキングとコーナーエントリーに強みがありました。もちろんこの強みをほかのサーキットでも活かしていきます。ここまでの戦いでは、常に表彰台に上がっています。これはもっとも重要なことです。ロレンソに対してわずか5ポイント失っただけで、ランキング2位のバレンティーノに対してはさらに差を広げました。この結果には満足しています。すばらしい仕事ができました」

カル・クラッチロー(MotoGP 4位)
「今日は表彰台争いはできませんでしたが、レースウイークが始まる前にトップ6でフィニッシュできたらうれしいと話しました。それを達成できました。うまく走ることができましたが、スタートでは、前のライダーたちについていけませんでした。ハードフロントタイヤではタイヤが温まらず、それは不可能なことでした。それは1周目の4コーナーで危うく転倒しかけたことでも明白でした。今日の結果にはとても満足しています。ここ数年は15位だったので、今日の4位は大きな一歩でした。獲得してきたポイントと、ここ数戦の力強いフィニッシュは、2週間後のシルバーストンで勝負に出られることを意味しています。トップ5フィニッシュは論外ではありません。ホームのファンの前で表彰台に上がることが目標です」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 7位)
「スタートしてから1コーナーまで少し混乱していましたが、なんとか大丈夫でした。でもその後、僕とスミス、ロッシ、そしてザルコとの間で何かが起きました。ほかにだれがいたかは分かりません。僕はコースを外れ、ポジションを5つか6つ落とし、かなり後方に下がりました。序盤は、いつものようにグリップに苦戦しました。そのためいいリズムをつかむまで時間が少しかかりました。快適になってきてから何人かパスをして、状況はどんどんよくなっていきました。速いペースで走れるようになったころにはレースは後半に入っていました。次のレースでは、この点を解決する必要があります」

中上貴晶(MotoGP 15位)
「天気が回復していいコンディションになりました。朝のウォームアップでセッティングを少し変えて決勝に挑みました。セッティングの変更がタイム短縮につながりました。前半はビニャーレスについていけたし、それからもいいスペースを見つけてペースをキープできました。過去5戦、ポイントを獲得できないレースが続いていたので、1ポイントですが、獲得できてよかったです。終盤、アレイシ・エスパルガロをかわせてよかったです。今週はサンマリノGPの行われるミサノでテストがあるので、この数戦の課題をしっかり確認して改善したいです」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 19位)
「自分のパフォーマンスにはかなり満足していますが、残念ながらタイヤの選択を誤ってしまいました。リアにソフトを選んだため、一緒に戦ったグループのほかのライダーよりは最初からグリップがありませんでした。終盤へ向けてグリップがさらに落ちたので、ソフトタイヤはいい選択ではありませんでした。でも自分のライディングとマシンのパフォーマンスには満足しています。シルバーストンのレース前に行われるミサノのテストが楽しみです」

トーマス・ルティ(MotoGP 22位)
「レースではいいリズムがつかめず、また今日は暑かったにもかかわらず、タイヤが温まらず難しいレースとなりました。忘れたい週末となりました。この問題の原因を確認して次のシルバーストンへ進みたいです」

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カテゴリー: F1 / MotoGP