MotoGP オランダGP ホンダ
前日に続き、快晴の中で行われたMotoGP オランダGPの予選は、フリー走行でセットアップに集中したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、予選でも快調にラップを刻んでトップタイムをマーク。第3戦アメリカズGP以来、今季2度目のポールポジション(PP)を獲得した。史上最多PP記録を更新中のマルケスは、これで通算記録を「75」とした。

マルケスは、初日のフリー走行では、ハードコンパウンドのタイヤを中心にロングランを行い8番手だった。しかし、2日目のFP3では、今大会初めてアタックを敢行して一気にトップに浮上。予選前のFP4でもすばらしいアベレージでトップタイムを刻んだ。こうして順調にメニューを消化したマルケスは、大接戦となった予選Q2でも最速タイムを刻む。1回目のアタックで1分33秒330をマークすると暫定トップに浮上。その後、ライバルたちがタイムを更新したためポジションを落としたが、2回目のアタックでは1分32秒791へとタイムを短縮、再びトップに浮上してPPを獲得した。

カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、第4戦スペインGPのPP獲得以来、4戦ぶりにフロントローを獲得した。今大会は初日のフリー走行で5番手とまずまずのスタートを切ると、2日目は3番手にポジションを上げて予選Q2に進出。そして、迎えた予選Q2では、前を走るマルケスを追撃し、わずか0.041秒差の2番手につけた。

PP獲得のマルケスから2番手のクラッチロー、そしてフロントロー3番手につけたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)までのタイム差は、わずか0.059秒。さらにトップから6番手までが0.193秒差という今季最も厳しい予選となった。

鈴鹿8時間耐久ロードレースのテストを終えてオランダにかけつけた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は13番手だった。初日のフリー走行は、スーパーバイクからMotoGPマシンへの乗り換えにやや時間を要し20番手と出遅れたが、2日目のフリー走行と予選で着実にタイムを短縮した。Q1では上位6人のタイム差が0.094秒という大接戦の中で3番手。わずかの差でQ2進出を逃したが、決勝に向けて登り調子をアピール。今大会は3戦ぶりのポイント獲得とベストリザルトが期待される。

トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、着実にタイムを更新。セットアップも進んだが、大接戦の中で思ったほどポジションを上げることができず、22番手。8列目からのスタートになるが、今季初ポイント獲得に向けて全力を尽くす。

初日のFP1で好調なスタートを切ったフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、さまざまなセットにトライして上位を目指したが、FP3で転倒を喫し、その転倒で左手甲の骨を骨折し、今大会を欠場することになった。

マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「今週末はここまでのところ、思っていた以上にうまくいっています。今シーズンは、ポールポジションは僕の最も強いポイントにはなっていません。オースティン(アメリカズGP)でポールポジションを獲得しましたが、(予選中のペナルティーで)4番グリッドからのスタートになったので、実際には今年は初めてトップグリッドからのレースになります。今日は、FP3とFP4で行った連続ラップのリズムにとても満足しています。そしてQ2の結果も満足できるものでした。いい方向でがんばって取り組んでいます。このサーキットでは安定性が一番の目標です。一歩一歩それをよくしてきました。最初の目標は表彰台フィニッシュですが、正直今は優勝争いができる可能性があります。引き続き集中して、明日のウォームアップでまた少し安定性をよくできるようにがんばり、タイヤの最後の選択をしたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 2番手)
「すばらしい気分です。チームはいい仕事をしてくれました。Hondaもいい仕事をしてくれました。みんなにとって、エキサイティングな予選セッションだったと思います。かなり挙動があるので、少し乗りにくいように見えますが、マシンがうまく機能しているので満足しています。力強い走りができる感じがします。フィーリングもいいです。チームのおかげでフロントローを獲得できました。でも問題は同じようなペースで走れるライダーが10人いることです。マルクがほかのみんなより少しいいペースがあると思いますが、明日彼が一歩前に進めるかは分かりません。僕たちの仕事には満足しています。明日は見ていておもしろいレースになると思います。表彰台に上がれることを願っています」

中上貴晶(MotoGP 13番手)
「厳しいQ1になると思っていました。ザルコ、ダニ、ミラーと予選に強い選手が多くいました。その中でベストを尽くしましたが、Q1トップのザルコから6番手のミラーまで0.094秒差。正直、ここまで厳しい戦いになるとは思いませんでした。Q2に行けなかったのは残念ですが、やれることはすべてやりました。今日はFP3まで思うようにタイムを短縮できなかったのですが、FP4、そしてQ1とリズムよく乗れるようになりました。FP3まではセクター1、セクター3でタイムロスしていますが、それがかなり改善できました。明日のウォームアップでさらにセットアップを改善していきたいです。タイヤはハードコンパウンドのフィーリングがよかったのですが、明日のコンディションを見て最終的に決めたいです。今日はカウルも小さいのを使いました。それもハンドリングに貢献したと思います。過去2戦、ノーポイントなので、今回はしっかりポイントを獲得したいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 18番手)
「今日はとても難しい一日でした。Q2へ進めず、Q1でも十分に速いペースがありませんでした。午後は風に苦しみました。スタートポジションは明らかによくありませんが、レースに向けて前向きになって、明日の決勝で取り戻せるようにがんばらなければなりません。正しいタイヤの選択をしていいスタートを切ることが重要になってきます」

トーマス・ルティ(MotoGP 22番手)
「今日はいいラップタイムをマークして少し前進できました。でもまだ十分ではないし、楽ではありませんでした。まだマシンに苦戦しています。不安定ですが、ウォームアップでいいバランスを見つけて、レースでは速いリズムを刻めることを願っています」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 欠場)
「この転倒と左手のケガは本当に残念です。回復にどのくらいの時間がかかるのか、ルーキー・オブ・ザ・イヤーのチャンスにどれくらい影響するのかは医者に確認しなければなりません。転倒のあとに僕の状態を心配してくれたすべての人に感謝したいです。ハイスピードの転倒だったので、骨折以外でもかなり痛みがあります」

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カテゴリー: F1 / MotoGP