【MotoGP】 ホンダ:第4戦 スペインGP 決勝レポート
2018年のMotoGPのヨーロッパラウンド初戦となった第4戦スペインGP決勝は、予選5番手から好スタートを切ってトップグループに加わり、8周目にトップに浮上したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、前戦アメリカズGPからの連勝を達成、総合でも首位に浮上した。
今大会はライダー同士のタイム差が接近。フリー走行では、トップから1秒差以内に15台という厳しい戦いとなった。
決勝では、前半はホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)らとマルケスの4人がトップグループを形成。そのあと、マルケスが首位に浮上するが、4台の接近戦は続いた。
しかし、後半に入るとマルケスがペースアップ。後方の3台をジリジリと引き離し、独走態勢に持ち込むことに成功する。そして18周目には、2位争いの3台がバックストレートへの進入でクロス状態になり、3台とも転倒リタイアするというハプニングが発生。これで勝利を確信したマルケスは、ややペースを落として悠々のクルージングを見せ、25周のレースで、最終的に2位のヨハン・ザルコ(ヤマハ)に約5秒の大量リードを築いて勝利を決めた。
これでマルケスは、スペインGPでは14年大会以来、4年ぶり2回目の優勝。最高峰クラスにスイッチした13年から6年連続で表彰台に立ち、地元ファンの期待に応えた。Hondaは、今回の結果を入れてヘレスでは通算22勝目。Repsol Honda Teamとしては、ホームであるスペインGPで、06年から13年連続で表彰台を獲得した。
予選2番手からトップグループに加わり、後半、ドヴィツィオーゾとロレンソのドゥカティ勢と2位争いを繰り広げたペドロサは、18周目の6コーナーで転倒リタイアに終わった。その原因は、先行するロレンソをブレーキングで抜こうとしたドヴィツィオーゾがミスし、そのドヴィツィオーゾをクロスラインでパスしたロレンソが後方から通常ラインで走ってきたペドロサに接触したことで、結果、ペドロサはハイサイド状態になり、マシンから大きく放り出されるという危険なアクシデントが発生してしまった。
今季初ポールポジションから挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップを5番手で通過。そのあと4番手に浮上したが、8周目の1コーナーでスリップダウン。マシンを起こし再スタートを切るが、17周目に2度目の転倒を喫し、リタイアとなった。
ルーキー勢は、15番グリッドから決勝に挑んだフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)がオープニングラップ12番手から快調にラップを刻み、今季ベストリザルトの9位でフィニッシュした。予選14番手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、オープニングラップ16番手から4台による11位争いを繰り広げて12位でフィニッシュ。3戦連続のポイント獲得を果たした。
予選18番手のトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、17番手を走行していた12周目に転倒、リタイアに終わった。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「地元ファンの前で優勝することができて、本当に幸せです。ヘレスは優勝するのがとても難しいサーキットなので、今日の結果にはとても満足しています。今大会はスタート前に優勝争いができると確信していました。転倒も多く、厳しい週末でした。予選では最速ライダーにもなれませんでしたが、決勝に向けていい仕事ができたと思います。そして、ベストを尽くせました。今日の優勝のカギはリアタイヤの選択にあります。ウォームアップのあと、今日はミディアムで行こうと決めたのですが、正しい判断でした。今日はトップに出てレースの主導権を握り、いいタイミングでプッシュすることができました。トラック上に大きな泥があり、それに気づいたときにはすでに遅かったのでアクセルを戻すしかなく、大きくスライドしました。今日はマルケススタイルのレースができました。アンヘル・ニエト・サーキットになり、初めてのウイナーになれたこともうれしいです。そしてチャンピオンシップでも首位に立つことができてうれしいです。明日はここでテストをします。これからも長いシーズンになるのでしっかりテストしたいと思います」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 9位)
「ポジティブなレースでした。力強いスタートを切ることができました。グリップもあり、速さもあり、ポジションを上げることができました。レース後半はタイヤを温存していましたが、終盤に向けて速度を落とさなければなりませんでしたが、なんとかトップ10でフィニッシュすることができました。この結果はチームにとっても、今後のレースへ向けてもすばらしいものになりました」
中上貴晶(MotoGP 12位)
「スタートはよかったのですが、序盤、リアのグリップがほかのライダーに比べてよくなかったようで、立ち上がりで少しずつ遅れてしまいました。今回もレースペースは悪くなかったので、前戦アメリカズGPに続き、序盤のペースの遅さが課題になりました。今回は3戦連続でポイントを獲得することができました。ベストリザルトの12位でフィニッシュしましたが、正直、あまりうれしくありません。序盤のペースの遅さをしっかり克服すればトップ10もすぐに可能だと思うし、明日のテストで、課題の解消に取り組みたいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)
「右のお尻がとても痛く、とても腫れています。明日、どうなっているか様子を見て、テストを走れるかどうか判断したいです。今日の結果はとても残念です。とても気持ちよく乗れていたし、いいペースをキープすることができました。しかし、今日はアクセレーションが完ぺきではなく、前のライダーを抜くのが簡単ではありませんでした。そのため、ドビとホルヘについていってタイヤを温存し、相手のミスなど、終盤に向けて勝負するチャンスを待っていたのですが、前を走る2人がミスをしてワイドラインになりました。自分は通常のラインを走っていましたが、次の瞬間、突然接触して大きくマシンから放り出されました。3人ともに転倒しました。とても悲しく、残念でした。我々3人はすばらしいレースをしていました。3人ともにいいライディングをしていたし、こんな結果に終わるとは思いませんでした。しかし、もっとも悲しく、そして自分を失望させたのは、レースディレクションが今回の事故の状況をきちんと理解していないことです。そのため、レースディレクションに行って、今回のようなケースでは、どうジャッジするのか聞いてみました。通常のラインを走っている選手も、ミスをして通常のラインに戻ってきた選手も、どっちも正しいと言われましたが、このようなケースではどっちが悪いのですか?という質問には、なにも答えてくれませんでした。今回の判定に納得できなければ、自分はホルヘに対してアピールするしかないのですが、自分はホルヘにペナルティーを与えたいわけではありません。ただ、なにが正しいのかということ。そして今日起きたことを彼らに正しく理解してもらいたいと思っただけのことです」
カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「今大会はいいペースで走れていたので、今日のレースはフラストレーションが溜まりました。残念ながらレースセットが完全ではありませんでした。フロントタイヤがオーバーヒートして、リアグリップにも苦戦しました。そのためペースが安定せず、ブレーキングをがんばらなくてはいけなくなり、結果としてフロントタイヤのオーバーヒートにつながりました。今日はスリップストリームをたくさん使わなければなりませんでした。原因はまだ分かりませんが、転倒したのはおそらく白線に乗ったからではないかと思います。前戦アメリカズGPと全く同じ状況でした。本当に残念です。今日は、優勝は難しいかもしれないが、表彰台には立てると思っていました。今日は私たちの日ではありませんでした」
トーマス・ルティ(MotoGP リタイア)
「レース序盤、満タンのときはフロントのフィーリングに苦しみましたが、その後ペースをつかみ、ティト・ラバトといいバトルができました。でもレースが進むにつれて、ペースを維持することが難しくなり、11コーナーでフロントから転倒しました。残念なことに、これで僕のレースは終わってしまいました」
カテゴリー: F1 / MotoGP
今大会はライダー同士のタイム差が接近。フリー走行では、トップから1秒差以内に15台という厳しい戦いとなった。
決勝では、前半はホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)らとマルケスの4人がトップグループを形成。そのあと、マルケスが首位に浮上するが、4台の接近戦は続いた。
しかし、後半に入るとマルケスがペースアップ。後方の3台をジリジリと引き離し、独走態勢に持ち込むことに成功する。そして18周目には、2位争いの3台がバックストレートへの進入でクロス状態になり、3台とも転倒リタイアするというハプニングが発生。これで勝利を確信したマルケスは、ややペースを落として悠々のクルージングを見せ、25周のレースで、最終的に2位のヨハン・ザルコ(ヤマハ)に約5秒の大量リードを築いて勝利を決めた。
これでマルケスは、スペインGPでは14年大会以来、4年ぶり2回目の優勝。最高峰クラスにスイッチした13年から6年連続で表彰台に立ち、地元ファンの期待に応えた。Hondaは、今回の結果を入れてヘレスでは通算22勝目。Repsol Honda Teamとしては、ホームであるスペインGPで、06年から13年連続で表彰台を獲得した。
予選2番手からトップグループに加わり、後半、ドヴィツィオーゾとロレンソのドゥカティ勢と2位争いを繰り広げたペドロサは、18周目の6コーナーで転倒リタイアに終わった。その原因は、先行するロレンソをブレーキングで抜こうとしたドヴィツィオーゾがミスし、そのドヴィツィオーゾをクロスラインでパスしたロレンソが後方から通常ラインで走ってきたペドロサに接触したことで、結果、ペドロサはハイサイド状態になり、マシンから大きく放り出されるという危険なアクシデントが発生してしまった。
今季初ポールポジションから挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップを5番手で通過。そのあと4番手に浮上したが、8周目の1コーナーでスリップダウン。マシンを起こし再スタートを切るが、17周目に2度目の転倒を喫し、リタイアとなった。
ルーキー勢は、15番グリッドから決勝に挑んだフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)がオープニングラップ12番手から快調にラップを刻み、今季ベストリザルトの9位でフィニッシュした。予選14番手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、オープニングラップ16番手から4台による11位争いを繰り広げて12位でフィニッシュ。3戦連続のポイント獲得を果たした。
予選18番手のトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、17番手を走行していた12周目に転倒、リタイアに終わった。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「地元ファンの前で優勝することができて、本当に幸せです。ヘレスは優勝するのがとても難しいサーキットなので、今日の結果にはとても満足しています。今大会はスタート前に優勝争いができると確信していました。転倒も多く、厳しい週末でした。予選では最速ライダーにもなれませんでしたが、決勝に向けていい仕事ができたと思います。そして、ベストを尽くせました。今日の優勝のカギはリアタイヤの選択にあります。ウォームアップのあと、今日はミディアムで行こうと決めたのですが、正しい判断でした。今日はトップに出てレースの主導権を握り、いいタイミングでプッシュすることができました。トラック上に大きな泥があり、それに気づいたときにはすでに遅かったのでアクセルを戻すしかなく、大きくスライドしました。今日はマルケススタイルのレースができました。アンヘル・ニエト・サーキットになり、初めてのウイナーになれたこともうれしいです。そしてチャンピオンシップでも首位に立つことができてうれしいです。明日はここでテストをします。これからも長いシーズンになるのでしっかりテストしたいと思います」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 9位)
「ポジティブなレースでした。力強いスタートを切ることができました。グリップもあり、速さもあり、ポジションを上げることができました。レース後半はタイヤを温存していましたが、終盤に向けて速度を落とさなければなりませんでしたが、なんとかトップ10でフィニッシュすることができました。この結果はチームにとっても、今後のレースへ向けてもすばらしいものになりました」
中上貴晶(MotoGP 12位)
「スタートはよかったのですが、序盤、リアのグリップがほかのライダーに比べてよくなかったようで、立ち上がりで少しずつ遅れてしまいました。今回もレースペースは悪くなかったので、前戦アメリカズGPに続き、序盤のペースの遅さが課題になりました。今回は3戦連続でポイントを獲得することができました。ベストリザルトの12位でフィニッシュしましたが、正直、あまりうれしくありません。序盤のペースの遅さをしっかり克服すればトップ10もすぐに可能だと思うし、明日のテストで、課題の解消に取り組みたいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)
「右のお尻がとても痛く、とても腫れています。明日、どうなっているか様子を見て、テストを走れるかどうか判断したいです。今日の結果はとても残念です。とても気持ちよく乗れていたし、いいペースをキープすることができました。しかし、今日はアクセレーションが完ぺきではなく、前のライダーを抜くのが簡単ではありませんでした。そのため、ドビとホルヘについていってタイヤを温存し、相手のミスなど、終盤に向けて勝負するチャンスを待っていたのですが、前を走る2人がミスをしてワイドラインになりました。自分は通常のラインを走っていましたが、次の瞬間、突然接触して大きくマシンから放り出されました。3人ともに転倒しました。とても悲しく、残念でした。我々3人はすばらしいレースをしていました。3人ともにいいライディングをしていたし、こんな結果に終わるとは思いませんでした。しかし、もっとも悲しく、そして自分を失望させたのは、レースディレクションが今回の事故の状況をきちんと理解していないことです。そのため、レースディレクションに行って、今回のようなケースでは、どうジャッジするのか聞いてみました。通常のラインを走っている選手も、ミスをして通常のラインに戻ってきた選手も、どっちも正しいと言われましたが、このようなケースではどっちが悪いのですか?という質問には、なにも答えてくれませんでした。今回の判定に納得できなければ、自分はホルヘに対してアピールするしかないのですが、自分はホルヘにペナルティーを与えたいわけではありません。ただ、なにが正しいのかということ。そして今日起きたことを彼らに正しく理解してもらいたいと思っただけのことです」
カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「今大会はいいペースで走れていたので、今日のレースはフラストレーションが溜まりました。残念ながらレースセットが完全ではありませんでした。フロントタイヤがオーバーヒートして、リアグリップにも苦戦しました。そのためペースが安定せず、ブレーキングをがんばらなくてはいけなくなり、結果としてフロントタイヤのオーバーヒートにつながりました。今日はスリップストリームをたくさん使わなければなりませんでした。原因はまだ分かりませんが、転倒したのはおそらく白線に乗ったからではないかと思います。前戦アメリカズGPと全く同じ状況でした。本当に残念です。今日は、優勝は難しいかもしれないが、表彰台には立てると思っていました。今日は私たちの日ではありませんでした」
トーマス・ルティ(MotoGP リタイア)
「レース序盤、満タンのときはフロントのフィーリングに苦しみましたが、その後ペースをつかみ、ティト・ラバトといいバトルができました。でもレースが進むにつれて、ペースを維持することが難しくなり、11コーナーでフロントから転倒しました。残念なことに、これで僕のレースは終わってしまいました」
カテゴリー: F1 / MotoGP