ロードレース世界選手権 マレーシアグランプリ
3連戦最後の戦いとなったMotoGP 第17戦マレーシアGPの予選は、終日、青空が広がり、最高気温が35℃を記録する熱帯ならではの猛暑の中で行われた。厳しい条件となった予選だが、前日までウエットコンディションで苦労していたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が見違えるような走りに転じ、今季3回目のポールポジションを獲得した。ペドロサは、これまで12年、13年、15年と最高峰クラスでは3回の優勝を記録している。決勝日も快晴になれば、2年ぶり4回目のマレーシアGP制覇の期待が膨らむ。

タイトル王手のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、決勝に向けて、タイヤテストなど、すべてのメニューを消化した。そのため、午前中3回目のフリー走行では、セットアップの方向性を間違えて9番手へとポジションを落としたが、その後のFP4ではトップタイムをマーク。万全の状態で予選に挑んだ。

しかし、コースインして2周目、計測ラップ1周目の最終コーナーで痛恨の転倒を喫した。ピットに戻ったマルク・マルケスは、マシンを乗り換えてアタックに挑んだが、1号車ほどセットアップがきまっていなかったために7番手タイムに終わった。しかし、決勝では、3列目からの追い上げのレースと、今季3回目のRepsol Honda Teamの1-2フィニッシュが期待される。

カル・クラッチロー(LCR Honda)は、7番手タイムでQ2進出を果たした。そして予選ではフロントローを目標にアタックしたが、7コーナーで転倒を喫し10番手に終わった。しかし、この数戦、調子を上げているクラッチローだけに、4列目からの追い上げに注目される。

フリー走行で6番手タイムをマークしてQ2進出を果たしたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、予選に向けてセッティングを変更したが、それが悪い方向となり11番手へとダウン。決勝ではセッティングを修正して追い上げのレースに挑む。チームメートのティト・ラバトは、フリー走行、予選と思うようにパフォーマンスを発揮できず19番手だった。

ダニ・ペドロサ(MotoGP ポールポジション)
「今シーズン3度目となるポールポジションを獲得して本当にうれしいです。予選では苦戦することが多かったので今はうれしい気持ちです。今日は太陽が出たことで路面のグリップが上がり、コースの状態がよくなったからだと思います。予選ではフロントもリアもよく機能したので、最初のタイムアタックからリズムをつかむことができ、プッシュすることができました。そして次の走行に向けての改善もできました。小さなミスはいくつかあったのですが、うれしいことにポール獲得には影響がないものでした。チームに感謝しています。今回のポールポジション獲得は彼らの成果です。今はまだウエットで苦労が続いているので、明日の決勝は、コンディションがどうなるのか待たなくてはなりません。太陽が出ることを本当に願っています」

マルク・マルケス(MotoGP 7番手)
「今のところベストは出せていませんが、明日の決勝のレースペースは、今日の予選で僕が出したタイムよりもよくなるとは思います。今朝はセットアップ面で少しミスをしてしまい、若干方向性を失いました。その後FP4でセットアップを修正してマシンの感触がとてもよくなりました。完ぺきとは言えませんでしたが、まずまずいい状態でラップを重ねることができました。とにかく、今日の結果には満足していませんが、ペース自体は悪くないので本当にがっかりというわけではありません。明日はチャレンジしていいレースをします。このサーキットは、走行に出るたびに気温や雨の有無もあって違った感触になるので難しいです。明日がどのようになるのかを見極めて、いつも通りベストを尽くしたいと思います」

カル・クラッチロー(MotoGP 10番手)
「今日は完全なドライコンディションだったのでとてもいい一日でした。自信が感じられたし、マシンもいい感触でした。予選ではフロントローに行けるくらいいいラップが出せると思ったのですが、最速ラップに向けてプッシュしていたとき7コーナーでミスをしてフロントから転倒してしまいました。そのときのフロントタイヤは、ブレーキングではよかったのですが、コーナリングではいまひとつでした。10番グリッドは残念ですが、前回のレースでは10番手から決勝で5位を獲得しています。明日のレースもポジティブでいられるように、できることをしっかりやっていきたいと思います」

ジャック・ミラー(MotoGP 11番手)
「今日は予選に向けて少しマシンのセッティングを変更しました。それが完ぺきではなく、結果として朝のFP3よりも遅くなりました。レースペースが見えているのに速いラップタイムを出せず、思っていたようなグリッドが獲得できず残念でした。しかし、11番手からでもレースをうまくやれると思います。明日が楽しみです」

ティト・ラバト(MotoGP 19番手)
「今日は難しい一日になってしまいました。そして正直、自分のパフォーマンスにがっかりしています。僕自身は100%で挑みましたが、この結果が自分のベストでした。いま、自分にできることは、速く走れるようにする方法を模索することと、力強いレースをして少しでもポイントを獲得することだと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP