MotoGP ロードレース世界選手権 アラゴングランプリ マルク・マルケス
MotoGP 第14戦アラゴンGP決勝は、予選5番手からトップグループに加わったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、序盤4番手から着実にポジションを上げ、レース後半の16周目にトップに立つと、23周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。

今大会は、フリー走行と予選で2度の転倒を喫し、決勝に向けて不安を抱えることになった。しかし、決勝日朝のウォームアップでセットアップを進めることに成功すると、決勝でも快調にラップを刻んだ。

序盤はホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)らとトップグループを形成。6周目にドヴィツィオーゾ、12周目にロッシをパスして2番手に浮上すると16周目にロレンソを抜いて首位に浮上。それからは後続との差を確認しながら、危なげない走りで23周を走り切った。

前戦サンマリノGPから連勝を達成して今季5勝目。今大会7位に終わった総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾに16点差、総合3位で今大会4位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に28点差をつけて次戦日本GPを迎える。マルク・マルケスは2年連続4回目のタイトル獲得に向けて一歩前進した。

チームメートのダニ・ペドロサは、予選6番手から追い上げて2位でフィニッシュした。序盤、ビニャーレス、カル・クラッチロー(LCR Honda)らとセカンドグループを形成した。トップグループに比べてわずかにペースが上がらず苦しい展開となったが、レース中盤の13周目にビニャーレスをかわすと、それから一気にペースを上げて、15周目にドヴィツィオーゾ、16周目にロッシ、21周目にロレンソをかわして2番手に浮上。マルク・マルケスの背後に迫る好走で地元ファンを沸かせた。

これでRepsol Honda Teamは、第4戦スペインGP、第10戦チェコGPに続き、今季3回目の1-2フィニッシュ。マルケスとペドロサの両選手が同時に表彰台に立つのはこれで7回目となり、アラゴンに集まった7万人のファンを喜ばせた。

予選13番手から決勝に挑んだジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が13位でフィニッシュして2戦連続今季10回目のポイント獲得。チームメートのティト・ラバトは15位でフィニッシュ。今季9回目のポイント獲得を果たした。

予選4番手から序盤セカンドグループに加わったカル・クラッチローは、折り返し地点の11周目の14コーナーで転倒、リタイアとなった。

マルク・マルケス (MotoGP 優勝)

「厳しいレースだったので、今回の勝利は非常にうれしいです。昨日はマシンがあまり快適ではありませんでした。今日もウォームアップをのぞき苦戦しました。なぜかわかりません。しかし、大好きなサーキットの1つでもあり、地元に近く、ファンの前で走れるレースはモチベーションがいつもより上がります。一生懸命プッシュしました。昨日2度転倒したにも関わらず、いくつかのコーナーでは頭の中でスイッチを切りました。ビニャーレスとドヴィ(ドヴィツィオーゾ)が少し苦戦しているのがわかったので、アタックするときだと思い、その通りにしました。何度かヒヤッとする場面がありました。そのうちの一回はバレンティーノをオーバーテイクしようとしていた時です。彼はコーナーで思ったよりタイトなラインを走っていました。ぶつからないようにするためにブレーキを放しました。そしたらロレンソがすぐそこにいました。そこでコースを外れ、その後、引き続きプッシュしてギャップを縮めました。これで少し冷静になりました。ロレンソをパスしてからは、ダニがどんどん追いついてきたのでプッシュし続けなければなりませんでした。とにかく、これがマルケススタイルです。もちろんチャンピオンシップのことを考えることは大事なことですが、今は全力を尽くすことが必要とされる状況です。この調子でモチベーションもメンタルも維持し、それぞれのレースで100%の力を出したいです」

ダニ・ペドロサ (MotoGP 2位)
「もしかしたらもう少し早くマーベリックをオーバーテイクできたかもしれません。そして優勝争いのチャンスがあったかもしれません。それでも今日の自分のレースはとてもうれしいです。目標は表彰台もしくは優勝でした。その目標を達成しました。少し後悔はありますが、同時に、マーべリックと同じミディアムリアでなかなか抜けなかったし、終盤に向けてタイヤを温存しなければならなかったのだから仕方ありません。みんな同じようなペースだったのに、なぜか、突然前のグループとギャップができていました。ようやくビニャーレスをパスした時にはすでにギャップが開いていました。そのため一生懸命プッシュしました。そして徐々に追い上げていきいました。とても力強いレースができました。熱い走りができたし、僕にとってもチームにとってもいいことでした」

ジャック・ミラー (MotoGP 13位)
「ポイントを獲得することはできましたが期待していたようなレースにはなりませんでした。それでも今日はまずまず満足しています。ハードタイヤを使い、もう少しいい結果を期待していましたが、そうはいきませんでした。全体的にはポジティブな週末でした。マシンはとても快適でした。特にフロントはよかったです。リアのグリップが少し足りませんでした。ハードコンパウンドでは最初なかなかグリップが機能しませんでした」

ティト・ラバト (MotoGP 15位)
「常にもっといい結果を望んでいるので15位というのは思っていたような結果ではありません。しかし、後方からのスタートとなったレースでとてもいい仕事ができたと思うし、ポジティブな1日になりました。今回のレースでポイントを獲得できて自信につながりました。そして今度は次の日本でのレースに向けて集中したいです」

カル・クラッチロー (MotoGP リタイア)
「フロントブレーキレバーの感触があまりよくありませんでした。理由は単純で指に合わなかったからです。フロントブレーキの温度がスリップストリームに入っているためバックストレートエンドでとても高くなりました。加えて1コーナーでレバーがとても遠くにあって、合わせられず、ブレーキを握ったときにミスをしてしまいました。フロントがロックして、はらんでしまいました。その後コースに戻ってうまくリカバーしましたが、トップグループに戻れると思っていました。ひとりで走っているときの感触はよかったのですが、ヨハン(ザルコ、ヤマハ)を14コーナーでパスした時にミスをしてしまいました。フロントから転倒しました。ハードフロントタイヤを使うときは常にリスクが伴います。残念な結果ですが、レースウイークは決して悪くありませんでした。再び戦闘的になることができたことはポジティブなことでした」

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カテゴリー: F1 / MotoGP