MotoGP ロードレース世界選手権 アラゴングランプリ
MotoGP 第14戦アラゴンGPが、9月22日(金)~24日(日)の3日間、スペインのモーターランド・アラゴンで開催される。

このサーキットは、バルセロナとバレンシアからそれぞれ約200km離れたアルカニスの郊外にある。スペインGP、カタルニアGP、バレンシアGPに続くスペイン4カ所目のグランプリとして2010年にスタートし、今年で8度目の開催となる。

モーターランド・アラゴンは一周5.078km。マレーシアのセパン・サーキットやトルコのイスタンブール・パーク・サーキットなどを手がけたドイツ人デザイナーのヘルマン・ティルケによって設計された。

ヘルマン・ティルケがデザインしたサーキットは、自然の地形を利用したアップダウンと、バリエーションに富んだコーナーが連続し、リズム感あふれるレイアウトが特徴。モーターランド・アラゴンは、こうした特徴に加え、2本の長いストレートを組み合わせたレイアウトになっており、パッシングポイントが多いため、選手たちから高い評価を得ている。

過去、この大会では、11年に当時Repsol Honda Teamのライダーであったケーシー・ストーナーが優勝。このサーキットにおける、Repsol Honda TeamのMotoGP通算100勝目を達成した。さらに、12年にダニ・ペドロサ、13年はマルク・マルケスと、Repsol Honda Teamが3年連続で優勝した。

“フラッグ・トゥ・フラッグ”となった14年は、マルク・マルケスとダニ・ペドロサが優勝争いを繰り広げたが、ウエットコンディションの中で両選手ともに転倒。再スタートしたが、マルク・マルケスが13位、ダニ・ペドロサが14位。15年はダニ・ペドロサが2位表彰台に立ったが、マルク・マルケスは転倒リタイア。昨年はマルク・マルケスがその雪辱を果たし、3年ぶりの優勝を達成した。

前戦サンマリノGPで今季4勝目を達成したマルク・マルケスは、13戦を終えて、再び、総合首位に浮上した。そのマルク・マルケスは、バルセロナから約100km離れたリェイダ近郊のサルベラで生まれ育った。自宅から最も近いカタルニアGPがホームグランプリとなるが、アラゴンも自宅から約170kmの距離にあるため、第2のホームグランプリと言える。

アラゴンGPでは、Moto2クラスに出場した11年に優勝、12年は2位。MotoGPクラスでは2勝を挙げている。予選では、125cc時代の10年、Moto2時代の11年、MotoGPクラスでは13年から16年まで、4年連続でポールポジション(PP)を獲得。アラゴンGPで最速ライダーとして君臨してきた。今年は5年連続のPP獲得と大会3勝目、今季5勝目を目指す。

雨となった前戦サンマリノGPで苦戦、リタイアを除くと今季ワーストリザルトとなる14位に終わったダニ・ペドロサが、ホームグランプリでその雪辱に挑む。過去にアラゴンGPでは、12年に優勝、15年に2位となっている。同大会では予選、決勝を通じて、常に優勝を狙える位置につけているダニ・ペドロサだが、なかなか結果につながっていない。今年はシーズンを通じて好調な戦いを繰り広げ、マルク・マルケスとともにチャンピオン争いに加わってきただけに、今大会は3戦ぶり8度目表彰台と、今季2勝目を目指す。

このサーキットを得意とするカル・クラッチロー(LCR Honda)も、第2戦アルゼンチンGP以来となる表彰台の獲得に気合十分。シーズン後半戦に入って調子を上げている。しかし、決勝ではタイヤの選択が決まらなかったり、転倒があったりと、なかなか結果につながっていない。さらに前戦サンマリノGPでは、大会開幕前にナイフで左手の人差し指を切るハプニングに遭い、万全の状態ではなかった。チームのホームグランプリということで熱走をみせ、表彰台争いに加わるが、転倒再スタートで13位という悔しい結果に終わった。過去にアラゴンGPでは、ドゥカティ時代の14年に3位表彰台。LCR Hondaでは、15年に7位、16年に5位。今年はアラゴンGPで3年ぶりとなる表彰台の獲得と、シーズン初優勝に気合を入れている。

前戦サンマリノGPで今季ベストリザルトタイの、6位でレースを終えたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、今季ベストリザルトを目指す。7月の鈴鹿8時間耐久ロードレースに出場して、シーズン後半戦はその乗り換えに苦労したが、サンマリノGPでは本来の走りを披露。昨年の大会は、ケガのために欠場している。2年ぶりのアラゴンGPに闘志をかきたてられている。

チームメートのティト・ラバトも、ホームグランプリを前にミラーと同じ思いだ。今年は13戦を終えて8度のポイント獲得で総合20位。前戦サンマリノGPでは転倒リタイアという悔しいレース。昨年の大会も転倒リタイアに終わっているだけに、今年は前戦サンマリノGPと昨年の雪辱に挑む。

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)

「今年のチャンピオンシップは接戦でとてもおもしろい戦いになっています。ミサノでは、(アンドレア)ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)と同ポイントになり、チャンピオンシップのトップに戻りましたが、ライバルたちとはそれほど離れていません。残り5戦は激しい戦いになると思います。引き続き一生懸命取り組む必要があります。今週末、アラゴンへ行くのが楽しみです。このサーキットはカレンダーの中で最も好きなサーキットの一つです。ホームのファンの前で、100%の力が出せるように、そしてミサノのときのように、優勝争いができるようがんばります。FP1からレースの最終ラップまで、プッシュします」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合5位)

「2週間前のミサノは残念な結果でしたが、気持ちを切り替え、アラゴンを楽しみにしています。タイヤがよく機能するようないいセットアップを見つけ、ポジティブなプラクティスセッションになれば、もっと速くなると思います。アラゴンへ向かうのはとても楽しみです。自分のファンクラブとホームの観客の前でレースをするのが楽しみです。天候が僕たちの見方をして、再び表彰台争いができることを願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)

「ミサノはあまりいい結果ではありませんでした。レースウイーク中のマシンの感触はよかったのですが、決勝はとても滑りやすいコンディションでした。今はアラゴンが楽しみです。アラゴンはアグレッシブに走れるサーキットであり、Hondaのマシンもよく機能します。シーズン終盤に入ってきたので、ベストを尽くし、チームといい仕事をしたいです。そのためにも、Hondaと密接に仕事をすることが重要になってきます」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合13位)

「アラゴンは好きなサーキットですが、必ずしも過去にいい結果を残した場所というわけではありません。昨年はケガで参戦できませんでしたが、HondaのRC213Vと相性がいいと思います。また、日本とマレーシア、そしてホームグランプリのオーストラリア遠征前の最後のヨーロッパでのレースなので、楽しみです。気分はいいです。アラゴンから始まる、シーズンの残りの4分の1でいい結果が出せるよう、プッシュする心構えはできています」

ティト・ラバト(MotoGP 総合20位)

「ホームグランプリとなるアラゴンの観客の前でいいパフォーマンスができるよう、モチベーションが上がっています。このサーキットはとても好きです。また、最近セットアップが改善されたので、いいベースセッティングでフリー走行をスタートできると思います。シルバーストンでは大きく前進できました。それをミサノでも確認できました。アラゴンではさらに次のステップへ進まなければなりません。もちろん、天候が大きく左右しますし、週末の天気は予測不可能ですが様子を見たいです」

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カテゴリー: F1 / MotoGP