MotoGP オーストラリアGP
雨と風、そして寒さ。シーズンを通じて、最も難しく厳しいコンディションとなったオーストラリアGPの予選は、フリー走行で総合トップに浮上したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、2戦ぶり今季7度目のポールポジション(PP)を獲得した。

午前中のフリー走行(FP3)は、断続的に小雨が降り続ける難しいコンディション。

その難しいセッションで、インターミディエイトタイヤを履いてトップタイムをマークしたマルク・マルケスだが、予選前に行われるフリー走行「FP4」では、目まぐるしく変わるコンディションの中で、ウエットコンディションでマークしたタイムにもかかわらず2番手という快走を見せ、ライバルを圧倒した。

そして迎えた予選「Q2」では、前後インターミディエイトでコースインしたが、すぐにピットに戻り、前後ともスリックタイヤにチェンジしてアタックを開始。それが功を奏し、今季7度目のPPを獲得した。

フリー走行、予選と、路面コンディションが大きく変化する2日間だったが、ドライでもウエットでも速く、そして予選では路面コンディションを見極める判断の早さでライバルを圧倒し、2番手に0.792秒の大差をつけることに成功した。

これで通算65回目のPP獲得となり、史上最多記録を更新。先週の日本GPでタイトル獲得を決めて、余計なプレッシャーのないマルク・マルケス、決勝では今季6勝目を目指す。

2番手は初日のフリー走行でトップタイムをマークしたカル・クラッチロー(LCR Honda)で、今季2度目のフロントローを獲得した。FP3では、コンディションに翻ろうされ、タイムアタックするタイミングを逃して15番手。そのため、総合11番手以下による「Q1」からの予選となったが、このセッションでトップタイムをマークして「Q2」へ進出。しかし、このQ2ではタイヤ選択に迷ったことでアタックのタイミングが遅れ、悔しそうだった。決勝では、今季4度目の表彰台、そして今季2勝目に挑む。

ホームGPを迎えたオーストラリア出身のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、すばらしい走りをみせた。FP3では、不安定な天候の中でも積極的な走りで総合2番手。ダイレクトに「Q2」進出を果たすと、セッション終盤には3番手まで浮上して地元ファンを喜ばせた。最終的に5番グリッドとなったが、自己ベストグリッドから今季2度目の表彰台を目指す。

負傷欠場しているダニ・ペドロサの代役として出場のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は、FP3で総合8番手につけると、FP4ではトップタイムをマーク。そして、インターミディエイトからスリックタイヤへとチェンジすることになる予選では7番グリッドを獲得した。Estrella Galicia 0,0 Marc VDSからミラーの代役として出場した第14戦アラゴンGP以来、今季2度目の代役出場となったが、8年ぶりとなるRepsol Honda Teamからの出場に気合満点。決勝の走りに注目が集まる。

ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、午前中のフリー走行で転倒を喫し、リズムを崩して21番グリッド。決勝では追い上げのレースに挑む。

マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「ポールポジションに加えて、スリックタイヤで5周走ることができました。明日に向けて前進できることが分かったのでうれしく思っています。リアとコーナー進入時のグリップ力を高めることができそうです。FP4のウエットではとても快適でした。今週末は正しい方向へ進んでいます。この状態をキープしなければなりません。明日の決勝レースで使うタイヤはまだ決まっていません。だれがライバルになるのかも、どのようなレースになるかも分かりません。そのときの状況に合わせて、ベストを尽くしたいです。Moto2クラスの予選セッションで転倒し、メルボルンの病院へメディカルチェックに向かった弟のアレックスの幸運を祈っています。深刻でないことを願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 2番手)
「今日の結果は少し残念です。もう少しうまく走っていれば、ポールポジションを獲得できたと思います。通常はスリックタイヤを最初に使うのですが、直感に従うべきでした。Q1を終えてスリックタイヤで走ろうとしたのですが、その後、考えを変えました。それが間違いでした。マルクはすばらしいラップタイムを出しました。今週はずっとトリッキーなコンディション。Q1を走ることになり、結果的にコースのコンディションを長く経験することになりました。チームはいい仕事をしてくれました。明日が楽しみです。ファンにとって、いいレースになることを願っています」

ジャック・ミラー(MotoGP 5番手)
「いいスターティングポジションを獲得しましたが、完全に満足しているわけではありません。最終コーナーの出口で縁石に乗り上げなければ、もっといいタイムを出せたと思います。そこに水たまりがあって、かなりホイールスピンしてタイムをロスしました。でも、ホームGPの感触はいいです。いつもよりかなり前からのスタートになりました。天気はいつも予測不可能ですが、どのようなコンディションでも準備はできています。楽しみです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 7番手)
「今日もまたコンディションが変わりやすい日になりました。可能性を見極めるために違うタイヤをテストしました。FP4はあまり役に立ちませんでしたが、自分の名前がトップにいるのを見られたのはよかったですし、楽しめました。Q2ではインターミディエイトでスタートしました。その後スリックに変えましたが、時間がなかったのでリアしか変えられませんでした。7番手はいいポジションだと思います。明日のウォームアップはドライで周回できることを願っています。そしてデータを収集して、決勝レースに向けて前進したいです。天気を除き、すべてがうまくいっています。チームのためにもいい仕事ができることを願っています。そして、オーストラリアで僕を代役に選んでくれた期待に応えたいです」

ティト・ラバト(MotoGP 21番手)
「とても難しいコンディションの週末になりました。そのため、午前中のFP3ではかなり速いスピードで転倒してしまいました。このサーキットでは、ウエットとドライのコンディションを瞬間的にスイッチするのは簡単ではありませんでした。予選では全力でプッシュしようとしましたが、うまくいきませんでした。今は決勝レースへ向けて全力を尽くすだけです」

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カテゴリー: F1 / MotoGP / ホンダF1