MotoGP:スズキ 2021年 最終戦 バレンシアGP 予選レポート
ジョアン・ミルとアレックス・リンス、最終戦は揃ってセカンドロースタート
肌寒い朝を迎えたバレンシア郊外のサーキット・リカルド・トルモだったが、MotoGPクラスのFP3が開始する頃には暖かい日差しが照り始め、各ライダーが次々に前日のタイムを塗り替えながら激しいポジション争いを繰り広げる。ジョアン・ミル、アレックス・リンスもダイレクトQ2行きを賭けてセッティングやタイヤを変えながら数度のピットイン・アウトを繰り返し、順調にタイムを上げていく。

今シーズンはサーキットに関わらず各ライダーのタイム差が少ないセッションが多く、タイム争いは常に激戦となっているが、このセッションも多分に漏れず21人のライダーが1秒以内という接戦になった。ミル、リンスはセッション終了間際までタイムアタックを続け、ミルは4番手に、リンスは最終ラップにベストタイムを記録するも11番手に留まり、ミルのみがダイレクトQ2行きとなる。

午後のFP4ではミル、リンス共に27周で行われる決勝を見据えてセッティングの調整とハードタイヤでの走行を行い、リンス3番手、ミル6番手と共に上位でセッションを締めくくり、続く予選に期待値を上げる。

Q1チャレンジとなったリンスはフロントハード、リアソフトのタイヤコンビネーションを選択。リンスはすぐにトップタイムを記録し、2度目のピットアウトでも僅かながらさらにタイムを更新して、1'30.673のトップタイムでQ2進出を果たす。

2021年シーズン最後の予選となったQ2は再び僅差の激戦となり、コンマ数秒がポジションを大きく変えることになる。スズキペアはコンスタントにトップ5につけ、セッションは好調に展開。しかし終盤のタイムアタック中にセクター1、セクター3の2箇所で黄旗提示があり、最後のアタックラップはカウントされず、シーズン最後のレースとなる明日のバレンシアGP決勝はミル4番手、リンス6番手で揃って2列目スタートとなった。

佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター
「ジョアン、アレックスとも初日から常にペース維持を意識し、最終的に予選で2列目のグリッドを確保できたことは明日のレースに向けて、そして来年に向けて、とてもポジティブなことと感じています。レースタイヤでのシミュレーションでも速いペースで周回し、マシンの調整やタイヤの選定を進め、レースに向けての準備はできていると思います。今シーズン最後となるレースを良い形で終えられるよう全力で戦います。」

ジョアン・ミル
「今日の予選の結果には満足しているよ。残念ながらフロントローは逃してしまったけど、ほんの僅差だったからあまり気にもしていない。それよりもシーズン終盤になってマシンの戦闘力が上がってきて、来年に向けての方向性が見えてきたことがいちばん嬉しいことだね。この週末は新品タイヤでも中古タイヤでもフィーリングが良いし、うまく走れているから決勝にも自信があるよ。明日のレースは観客も沢山入るし、最後のレースできっちり自分のポテンシャルを見せることができるよう全力を出し切って挑むよ。」

アレックス・リンス
「ジョアンも自分も揃って予選を上位で終えることができたことがチームにとっては何より嬉しいことだね。タイムアタック中だった最終ラップで黄旗提示があったために最後にタイムアップできなかったことが残念だったけど、セカンドローからスタートできるのは大きなアドバンテージだし、決勝では良いスタートを切れる自信がある。ドゥカティ勢に囲まれていて厳しいレースになることは覚悟しているけど、僕らのペースもかなり良いから自信を持って走るよ。シーズン最後のレースだからしっかり有終の美を飾リたいね。」

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カテゴリー: F1 / MotoGP