MotoGP:ホンダ 2021年 第12戦 イギリスGP 予選レポート
ポル・エスパルガロ今季初ポールポジションを獲得。マルク・マルケス5番手とRepsol Honda Teamの2人が好グリッドから決勝に挑む
2年ぶりの開催となったMotoGP 第12戦イギリスGPの予選は、午前中は雲が多く気温も13℃前後だったが、午後はところどころ青空が広がり、気温は18℃まで上昇した。そのため、初日から大幅にタイムが短縮されるという厳しい予選で、ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が今季初ポールポジション(PP)を獲得、Repsol Honda Teamに移籍して初のPPを獲得した。

初日4番手と好調なスタートを切ったポル・エスパルガロは、大接戦となったFP3で6番手へとポジションを落としたが、ダイレクトでQ2進出を果たす。そしてQ1から進出した2台をくわえた12台で行われたQ2では、1分58秒889のベストタイムでPPを獲得した。

このタイムは2年前の大会でマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がマークした1分58秒168には届なかったが、フロントローにならんだ3選手の差がわずか0.036秒という大接戦となり、2番手のフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、3番手のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)との厳しい戦いを制した。

Moto2時代の12年には、Hondaエンジンを搭載したマシンでポールトゥウインを達成している。今大会もPPから今季ベストリザルトとなる今季初表彰台、そしてキャリア初優勝が期待される。

マルク・マルケスは、初日のFP1でトップタイムをマークし好調なスタートをきったが、FP2で274km/htというハイスピードで転倒し5番手へとポジションを落とした。幸い、大きなケガはなかったが、転倒した際にヘルメットの中に入った土が原因で目に軽傷を負い、治療を受けた。その状態でマルク・マルケスは、大接戦となったFP3では10番手へとポジションを落としたが、ダイレクトでQ2進出を果たすと5番グリッドを獲得した。

2年前の大会で惜しくも2位に終わったマルク・マルケスは、明日の決勝レースに向けて理学療法を続け、MotoGPで最も過酷なレイアウトの一つであるシルバーストーンの20周のレースを最高の状態で挑めるよう努力を続ける。

初日15番手とやや苦戦の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、FP3で12番手へとポジションを上げたが、トップ10に入ることができず、Q1からの予選となった。初日からの問題を完全に解消できなかった上に予選では転倒者によるイエローフラッグが出たこともあり、ベストタイムを更新するチャンスを逃した。

チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、初日のフリー走行で2度の転倒を喫し、20番手という厳しいスタートなった。FP3では14番手へとポジションを上げたが、ダイレクトでQ2進出を果たせず、Q1からの予選となった。Q1では、フリー走行でマークした2分00秒157をわずかに更新する2分00秒117をマークしたが、Q1を7番手で終え、17番グリッドが確定した。アレックス・マルケスは、MotoGPマシンでシルバーストーンを訪れるのは今回が初めてであり、引き続き決勝レースでもコース攻略につとめる。

今大会、MotoGPクラスの決勝レースは、ヨーロッパで開催されている通常時間に合わせるため、現地時間より1時間早い13時00分にスタートする。

ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
「信じられません。とにかく信じられません。オーストリアではとても難しい2週間を過ごしました。シルバーストーンに到着したときには、闘志満々でした。モチベーションもかなり上がっていました。今週末はマシンとトラック、そしてグリップのフィーリングがとてもいいです。今日は力を最大限発揮できて満足しています。Repsol Honda Team、アルベルト・プーチ、タケオ(横山健男テクニカルディレクター)、桒田(桒田哲宏レース運営室長)さんに本当に感謝しています。みんなとてもよくサポートしてくれましたし、何があっても100%で取り組み続けてくれました。これまでずっと仕事に取り組み続けてきました。これからもそうですが、今はこの瞬間をとにかく楽しみたいと思います」

マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
「今日は目の調子がかなり回復しました。大きな問題ではありませんでしたが、昨日はかなり走行の妨げになりました。時速270kmで転倒したので体はまだ少し痛いです。いつもは限界を感じるところですが、今日の予選は力強い走りができたと思います。そして2列目を獲得するという目標を達成できました。明日のレースでどのような走りができるか考えたいです。このサーキットではFP1からマシンがうまく機能しています。もしこの調子で続けられれば、いいレースができると思います。トップのライダーたちとのギャップを縮めていくことが重要になります。またポールポジションを獲得したポルとHondaにおめでとうといいたいです」

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「今日はベストを尽くしましたが、スピードが足りず、ラップタイムも十分ではありませんでした。結局、ダイレクトでQ2に進出できず、Q1で5番手に終わったことで、15番グリッドが確定しました。明日は、15番グリッドから追い上げる戦いとなりますが、ベストを尽くします。そのためには、いいスタートを切らなくてはいけません。レースは20周なので順位を上げるチャンスはいくらでもあるはずです。ベストを尽くし、レースで何が起こるか見てみようと思います」

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)
「シルバーストーンをMotoGPマシンで攻略するのは難しいサーキットだということは分かっています。今日はセットアップを少し変えてみたのですが、その結果、FP3とFP4でかなり前進することができました。まだ改善しなければならない部分はあります。まだ快適ではないのでセットアップは改善しなければなりません。サーキットを学ばなければならないときは、このような週末になることは分かっていました。残念ながらQ1ではベストなパフォーマンスができませんでした。ミスをして0.2秒か0.3秒落としてしまいました。でも明日はいいスタートを切ってがんばります。近くにタカもいるので、ベストを尽くして、できる限りいい結果を残したいと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP