MotoGP:ホンダ 2021年 第3戦 ポルトガルGP プレビュー
2021年のMotoGP 第3戦ポルトガルGPが、4月16日(金)~18日(日)の3日間、ポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキット(以下、アルガルベ・サーキット)で開催される。アルガルベ・サーキットでロードレース世界選手権(WGP)が開催されるのは昨年11月の最終戦以来2度目。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でシーズン序盤の開催日程が大幅に変更され、2年連続での開催となった。アルガルベ・サーキットは、2008年からスーパーバイク世界選手権(WSBK)の舞台として定着しており、すでに12回開催されている。
マルク・マルケスが第3戦ポルトガルGPで復帰戦に挑む
ポルトガル南部に位置するアルガルベ・サーキットは、一周4.592km。起伏に富み、ブラインドコーナーの多い難コース。バリエーション豊かなコーナーが連続するテクニカルコースとして知られ、ライダーの好みがはっきりと分かれる。
ポルトガルGPは、1987年にスペインのハラマ、88年にスペインのヘレスで開催された。そして2000年から12年まではポルトガルのエストリルで13年連続で開催され、通算17回目となる。
今大会から、MotoGPクラスで6度のタイトルを獲得しているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が復帰する。マルケスは、昨年7月のスペインGPで右上腕を骨折、長いリハビリを行ってきた。マルケスのカムバックは、グランプリモーターサイクルレースの歴史の中で、おそらく、最も待ち望まれていたものになる。
マルケスはカタールで開催された序盤の2戦は欠場したが、今大会から11月のシーズン最終戦まで、再び優勝とタイトル獲得を目指す。マルケスがこのチャレンジに成功した場合、1990年代に5度のタイトルを獲得したオーストラリア人、ミック・ドゥーハン(Repsol Honda Team)のすばらしい業績をほうふつとさせるものになる。ドゥーハンも右足に大きなケガをしたが、見事に復帰、タイトルを獲得した。
マルケスは昨年7月に右上腕の骨を骨折し、その後、感染症などで3回の手術を受けた。昨年7月と8月は、骨折した箇所にチタンプレートを挿入する手術だったが、12月に行われた3回目の手術は、骨盤から骨を移植、感染症による擬関節を治療するものだった。
そして3月中旬、手術を行ったマドリードの医療チームは、検診の結果、マルケスにライディングの許可を与える。最初はミニバイクコースでミニバイクに乗り、次にバルセロナ(カタルニア・サーキット)とポルティマオ(アルガルベ・サーキット)でHonda RC213V-Sでテスト走行をした。この時点でマルケスは、開幕戦カタールGPからの復帰を希望したが、医療チームからは時期尚早という判断だった。4月上旬、再度検診を行い、ポルトガルGPでの復帰が決まった。
マルケスにとってアルガルベ・サーキットでレースを行うのは初めてだが、先月、市販車でのテストランで下見走行を終えている。そして今大会は、今季から加入のポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)と、チームメートとして初めて一緒に出場する大会となる。
エスパルガロは、カタールで行われた2連戦でHondaデビューを果たした。カタールGPでは8位、ドーハGPでは13位。両レースですばらしいスピードをみせたが、大接戦の中で表彰台には届かなかった。しかし、RC213Vの経験値を増やすごとにマシンのパフォーマンスを引き出しており、今大会の走りに注目される。
エスパルガロは昨年の最終戦で予選9番手、決勝4位という結果を残している。今大会は、Honda RC213Vでの初表彰台、初優勝の期待が膨らむ。
その最終戦でエスパルガロを追撃し、5位でフィニッシュした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今季ベスト、そして初表彰台、初優勝を目指す。昨年の最終戦では、フリー走行の転倒が影響して11番グリッドからスタートするが、後半にすばらしい追い上げをみせて5位に入賞。表彰台争いには届かなかったが、ベストレースの一つになった。カタールで行われた開幕の2連戦は転倒も多く2戦連続でノーポイントだった。今大会はその雪辱に挑む。
マルク・マルケスの復帰を喜ぶ弟のアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、ヨーロッパラウンドに入り、心機一転のレースに挑む。カタールで開催された2連戦は、ともに転倒リタイア。RC213Vの限界を探る走りが続いているが、その経験がヨーロッパラウンドで活きることは間違いない。2019年にMoto2クラスのタイトルを獲得し、昨年、Repsol Honda TeamからMotoGPにデビューして2度の表彰台を獲得。昨年のポルトガル大会では9位だったが、今年は初ポイント獲得、そして今季初表彰台を目指す。
マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
再び自分のチームと自分のマシンでMotoGPに戻ってくることができて、とてもすばらしい気分です。この日のために、一日何時間もジムで、物理療法士のカルロと取り組んできました。カタールに出場したかったのですが、最終的に医師たちのアドバイスに従うことにしました。MotoGPに戻り、大好きなことをするために、しっかり医師の話を聞いて、自分の体のことを理解しようと努めてきました。ポルトガルは少しだけ走った経験がありますが、今週末の目標は無事に仕事をこなすことです。長いブランクがあります。一歩一歩戻ることはとてもポジティブなことです。
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
カタールではいいインフォメーションを得ることができました。しかし、求めていたような結果を残すことはできませんでした。ポルトガルは、ロサイル以外で走る初めてのサーキットになるので、Hondaのマシンをさらに理解するチャンスです。ここはおもしろくて、かなり体力を使うサーキットなので、RC213Vで走行するのがとても楽しみです。引き続きパフォーマンスをよくしていき、Hondaのポテンシャルを示したいです。もちろんピットにマルクが戻ってくるのでとてもワクワクしています。MotoGPでは彼の走りが参考になります。彼と仕事をすることは、自分たちのレベルを上げることに役立つと思います。
中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
ヨーロッパラウンドのためにヨーロッパに戻ってくることができてうれしいです。カタールの2レースはあまりいい状況ではありませんでした。結果もよくありませんでした。しかし昨年ポルティマオで走った時は非常にいい走りができたし、すばらしい思い出があります。今週末もいい週末にできることを願っています。3日間すばらしい結果を残し、表彰台で終えたいです。それが今週末の目標です。
アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)
今週のレースに向けてモチベーションはとても上がっています。カタールの2レースではいい結果が残せませんでした。あまりポジティブではありませんでしたが、いい仕事はできたと思います。チームの雰囲気はすばらしいです。自信もあります。なぜならこのサーキットはHondaと相性がいいと思うので、とても楽しみです。昨年、このサーキットがとても好きになりました。いい仕事ができて9位でフィニッシュしました。カタールを終えてから、この休みを家で過ごし、一生懸命トレーニングをしました。バッテリーをフルチャージして、今週末、いい仕事ができるように備えています。
カテゴリー: F1 / MotoGP
マルク・マルケスが第3戦ポルトガルGPで復帰戦に挑む
ポルトガル南部に位置するアルガルベ・サーキットは、一周4.592km。起伏に富み、ブラインドコーナーの多い難コース。バリエーション豊かなコーナーが連続するテクニカルコースとして知られ、ライダーの好みがはっきりと分かれる。
ポルトガルGPは、1987年にスペインのハラマ、88年にスペインのヘレスで開催された。そして2000年から12年まではポルトガルのエストリルで13年連続で開催され、通算17回目となる。
今大会から、MotoGPクラスで6度のタイトルを獲得しているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が復帰する。マルケスは、昨年7月のスペインGPで右上腕を骨折、長いリハビリを行ってきた。マルケスのカムバックは、グランプリモーターサイクルレースの歴史の中で、おそらく、最も待ち望まれていたものになる。
マルケスはカタールで開催された序盤の2戦は欠場したが、今大会から11月のシーズン最終戦まで、再び優勝とタイトル獲得を目指す。マルケスがこのチャレンジに成功した場合、1990年代に5度のタイトルを獲得したオーストラリア人、ミック・ドゥーハン(Repsol Honda Team)のすばらしい業績をほうふつとさせるものになる。ドゥーハンも右足に大きなケガをしたが、見事に復帰、タイトルを獲得した。
マルケスは昨年7月に右上腕の骨を骨折し、その後、感染症などで3回の手術を受けた。昨年7月と8月は、骨折した箇所にチタンプレートを挿入する手術だったが、12月に行われた3回目の手術は、骨盤から骨を移植、感染症による擬関節を治療するものだった。
そして3月中旬、手術を行ったマドリードの医療チームは、検診の結果、マルケスにライディングの許可を与える。最初はミニバイクコースでミニバイクに乗り、次にバルセロナ(カタルニア・サーキット)とポルティマオ(アルガルベ・サーキット)でHonda RC213V-Sでテスト走行をした。この時点でマルケスは、開幕戦カタールGPからの復帰を希望したが、医療チームからは時期尚早という判断だった。4月上旬、再度検診を行い、ポルトガルGPでの復帰が決まった。
マルケスにとってアルガルベ・サーキットでレースを行うのは初めてだが、先月、市販車でのテストランで下見走行を終えている。そして今大会は、今季から加入のポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)と、チームメートとして初めて一緒に出場する大会となる。
エスパルガロは、カタールで行われた2連戦でHondaデビューを果たした。カタールGPでは8位、ドーハGPでは13位。両レースですばらしいスピードをみせたが、大接戦の中で表彰台には届かなかった。しかし、RC213Vの経験値を増やすごとにマシンのパフォーマンスを引き出しており、今大会の走りに注目される。
エスパルガロは昨年の最終戦で予選9番手、決勝4位という結果を残している。今大会は、Honda RC213Vでの初表彰台、初優勝の期待が膨らむ。
その最終戦でエスパルガロを追撃し、5位でフィニッシュした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今季ベスト、そして初表彰台、初優勝を目指す。昨年の最終戦では、フリー走行の転倒が影響して11番グリッドからスタートするが、後半にすばらしい追い上げをみせて5位に入賞。表彰台争いには届かなかったが、ベストレースの一つになった。カタールで行われた開幕の2連戦は転倒も多く2戦連続でノーポイントだった。今大会はその雪辱に挑む。
マルク・マルケスの復帰を喜ぶ弟のアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、ヨーロッパラウンドに入り、心機一転のレースに挑む。カタールで開催された2連戦は、ともに転倒リタイア。RC213Vの限界を探る走りが続いているが、その経験がヨーロッパラウンドで活きることは間違いない。2019年にMoto2クラスのタイトルを獲得し、昨年、Repsol Honda TeamからMotoGPにデビューして2度の表彰台を獲得。昨年のポルトガル大会では9位だったが、今年は初ポイント獲得、そして今季初表彰台を目指す。
マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
再び自分のチームと自分のマシンでMotoGPに戻ってくることができて、とてもすばらしい気分です。この日のために、一日何時間もジムで、物理療法士のカルロと取り組んできました。カタールに出場したかったのですが、最終的に医師たちのアドバイスに従うことにしました。MotoGPに戻り、大好きなことをするために、しっかり医師の話を聞いて、自分の体のことを理解しようと努めてきました。ポルトガルは少しだけ走った経験がありますが、今週末の目標は無事に仕事をこなすことです。長いブランクがあります。一歩一歩戻ることはとてもポジティブなことです。
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
カタールではいいインフォメーションを得ることができました。しかし、求めていたような結果を残すことはできませんでした。ポルトガルは、ロサイル以外で走る初めてのサーキットになるので、Hondaのマシンをさらに理解するチャンスです。ここはおもしろくて、かなり体力を使うサーキットなので、RC213Vで走行するのがとても楽しみです。引き続きパフォーマンスをよくしていき、Hondaのポテンシャルを示したいです。もちろんピットにマルクが戻ってくるのでとてもワクワクしています。MotoGPでは彼の走りが参考になります。彼と仕事をすることは、自分たちのレベルを上げることに役立つと思います。
中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
ヨーロッパラウンドのためにヨーロッパに戻ってくることができてうれしいです。カタールの2レースはあまりいい状況ではありませんでした。結果もよくありませんでした。しかし昨年ポルティマオで走った時は非常にいい走りができたし、すばらしい思い出があります。今週末もいい週末にできることを願っています。3日間すばらしい結果を残し、表彰台で終えたいです。それが今週末の目標です。
アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)
今週のレースに向けてモチベーションはとても上がっています。カタールの2レースではいい結果が残せませんでした。あまりポジティブではありませんでしたが、いい仕事はできたと思います。チームの雰囲気はすばらしいです。自信もあります。なぜならこのサーキットはHondaと相性がいいと思うので、とても楽しみです。昨年、このサーキットがとても好きになりました。いい仕事ができて9位でフィニッシュしました。カタールを終えてから、この休みを家で過ごし、一生懸命トレーニングをしました。バッテリーをフルチャージして、今週末、いい仕事ができるように備えています。
カテゴリー: F1 / MotoGP