ミック・シューマッハ、アルピーヌWEC離脱を発表:インディカー転向が濃厚に
ミック・シューマッハが、アルピーヌのWEC(世界耐久選手権)プログラムからの離脱を正式に発表した。2024年にハイパーカークラスへ加入してから2シーズンを戦い、計3度の表彰台を獲得したが、2026年はシングルシーター復帰に向け大きく舵を切る形となる。

2024年からアルピーヌに加入したシューマッハは、ニコラ・ラピエール、マチュー・バクシビエール、ジュール・グーノン、フレデリック・マコヴィエッキなどとともにハイパーカークラスを戦ってきた。

この2年間で、2024年富士、2025年イモラ、同年スパで表彰台を獲得し、F1出身らしいスピードと順応性を示した。

インスタグラムでは「この2年間で多くを学び、支えてくれたすべての人に感謝している」と綴り、チームへ感謝を示しつつ新たな挑戦を示唆。アルピーヌ側も「ありがとう、ミック。次のステージでの成功を祈る」とコメントを発表した。

シングルシーター復帰への強い意志
シューマッハの離脱理由は明確で、シングルシーターへの復帰を強く望んでいるからだ。

10月にインディアナポリスでレイホール・レターマン・ラニガン(RLL)のテストに参加した際には、インディカーの魅力についてこう語っている。

「インディカーは自分がまだ戦える最も近いカテゴリーだと思う。僕はまだ若いし、できるだけ多くレースをしたい。ここには本当にモータースポーツを愛する人たちがいる」

また、「ドライバーがチームを前に進める中心的存在になる。そのメンタリティが好きだ」と語り、環境面での満足度が重要だとも述べている。

「どこで最も居心地がいいかが重要だ。ヨーロッパやWECがダメというわけではないけど、僕が本当にやりたかったのはシングルシーターなんだ」

F1復帰の道が閉ざされる中での決断
2022年末にハースF1シートを失って以降、シューマッハはメルセデスF1のリザーブドライバーを務めながら耐久レースの道へ進んだ。

耐久プログラムとしてはキャデラック、マクラーレンのハイパーカーチームからのオファーもあったが、それらを辞退した過去もある。

「F2には戻れない。チャンピオンになったからね。インディカーは良い選択肢だと思う。ここ数年、目標はF1復帰だったけれど、その扉は今年も、そしてその前の年も開かなかった」

そのうえで彼は、次のように結論を述べている。

「どこかの時点で、再びシングルシーターでレースをしたい。その意味で、インディカーは良い選択肢だ」

現在RLLにはシートが空いており、すでにテストを終えていることから、2026年にミック・シューマッハがインディカーへフル参戦する可能性は極めて高い。

F1からWECへ、そして再びシングルシーターへ――26歳のキャリアは新たな転機を迎えようとしている。

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カテゴリー: F1 / ミック・シューマッハ / インディカー / WEC (FIA世界耐久選手権)