ミック・シューマッハ キャデラックF1とマイアミで極秘会談

舞台はF1マイアミGPの週末。ペレスを巡る噂が飛び交う中、姿を見せなかった“本命”に代わって、静かに存在感を示していたのは他でもない、かつて“皇帝の息子”と呼ばれた男だった。
ドイツ大手紙『Bild』の報道によれば、シューマッハはマイアミでキャデラック幹部と極秘会談を行い、2026年のレギュラー候補としてリスト入りしたという。F1復帰を切望する若きシューマッハに、グリッド復帰の扉が再び開かれようとしている。
マイアミで極秘会談、ペレス不在の中で注目集める存在に
マイアミGPの週末には、キャデラックが地元で盛大なローンチイベントを開催していた。注目の的は、巨額の支援を受けるセルジオ・ペレスのはずだったが、実際にはその姿は見られなかった。
代わりに現地で存在感を示していたのが、ミック・シューマッハだった。マイアミGPのパドックに加え、イベント会場「Queen Miami Beach」にも出席。その2つの会場は車でわずか20分の距離にあり、偶然とは思えない動きだった。

Bild報道が示唆する「F1復帰への布石」
Bildの記者エンリコ・アーリッヒは、「ミックはキャデラック幹部と会うためにマイアミを訪れていた」と述べ、関係者との“秘密会談”が実際に行われたことを裏付ける。報道によれば、シューマッハは2026年のレギュラードライバー候補として正式に検討されている。
特に注目されるのは、筆頭候補とされるインディカースターのコルトン・ハータが、F1参戦に必要なスーパーライセンスを取得できない可能性が浮上している点だ。現時点でランキングは8位、必要な4位以内までにはまだ届かない。
「クラッシュしないドライバー」が求められている
キャデラックにとって、初年度のF1参戦においては「完走できること」「マシンを壊さないこと」が極めて重要な要素となる。そうした条件を満たす経験者として、ミック・シューマッハは理にかなった存在だ。
叔父であるラルフ・シューマッハは、Sky Deutschlandにて「彼はF1経験があり、困難な状況に対しても冷静に対応してきた。今のキャデラックにとって、クラッシュしない、チームプレイヤーであることが重要だ」とコメントしている。
アメリカ市場で求められる“シューマッハ”の名
ミックの復帰には、実力や安定性に加えて「シューマッハ」という名前が持つブランド力も大きな武器となる。特にアメリカ市場では、その名の響きがいまだ強い影響力を持っている。
元F1最高責任者バーニー・エクレストンは「ミハエルがそばにいれば、ミックは今でもF1に乗っているだろう」と語り、「アメリカではヨーロッパ以上に“シューマッハ”という名が持つ魅力は大きい。F1はその名前を利用しない手はない」と述べた。
本人の言葉ににじむ覚悟と未練
WECに参戦する現在も、F1への情熱は冷めていない。ミックはインタビューでこう語っている。
「僕にとってF1以上のものはない。常にF1のことを考えているし、それが本当にやりたいことなんだ」
3年の空白期間を経て、“あの名前”がF1グリッドに戻ってくる日は、意外と近いのかもしれない。
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