「F1よりローマの方が危険」タクシー運転手がヴォルフの冗談に本気の反撃

ヴォルフはSky Italiaに対し、「あれはローマやナポリの一部のタクシー運転手みたいだったね。交通の中で狂ったように突っ込んでくる」と発言。ランド・ノリスが「あれはマリオカートみたいだった」と評したプレーを、さらに“イタリア流”に揶揄した形だ。
これに対し、イタリアのタクシー運転手たちは黙っていなかった。ローマのタクシー協会「Cooperativa Radiotaxi 3570」の会長ロレーノ・ビッタレッリは、「我々はF1ドライバーよりも優れている。ローマの市街地交通では、彼らは1時間も持たない」と語り、反撃の姿勢を鮮明にした。
伊紙コリエーレ・デッラ・セラの取材に応じたビッタレッリはこう続ける。「我々が運転するのは工事現場、バイク、電動スクーター、観光バスがひしめく“ジャングル”だ。F1サーキットよりずっと過酷だよ」
冗談交じりの発言かと思いきや、ビッタレッリは「誤ったステレオタイプには注意してもらいたい」と真剣な口調で訴えた。
「我々は事故を起こしたくないんだよ。事故を起こせば、その日の仕事が全部パーになるからね」
ローマの交通労働者連盟「Filt-Cgil」も同調。代表のニコラ・ディ・ジャコッベは「我々はローマではメルセデスと同じくらい遅く走ってるよ」と皮肉を込めつつ、「この街の交通状況は壊滅的だ。2キロ進むのに30分かかる」と実情を語った。
F1界の比喩が、まさかの“市街地グランプリ”での論戦に火をつけた形となった。
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