メルセデスF1代表、常勝を支えたジェームズ・アリソンの現場復帰を否定
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ポーパシングに悩まされた2022年マシンの後継者であるW14も失望的なスタートを切ったことで、アリソンがメルセデスF1チームでより実務的な役割を再開したのではないかという憶測が流れた。
ロータスとフェラーリでテクニカルボスを務めたアリソンは、2017年にメルセデスに入社し、4年間設計部門の指揮を執った後、日常業務から身を引き、より包括的な最高技術責任者の役割を担った。
この改訂されたポジションにより、アリソンはチームの共同オーナーであるINEOSのアメリカズカップのヨット競技への参加など、他のプロジェクトに時間を割くことができるようになった。トト・ヴォルフは、8度のコンストラクターズ・チャンピオンの最近の落ち込みに照らして、この取り決めは変更されていないことを明らかにした。
アリソンがW14のアップグレードに積極的な役割を果たしているかという質問にトト・ヴォルフは「いや、彼はあまり関与していない」とAutosportに答えた。
「彼はチームの長期的な戦略に関与している。だが、彼はアメリカズカップのような活動により従事している」
メルセデスF1が、アリソンをパラシュートで送り込み、後任のマイク・エリオットを補佐させようとしたのではないかという指摘に対して、トト・ヴォルフは「組織内に常に一人ということはない」と語った。
「しかし、適切な役割の人を見つける必要がある。ある分野では非常に優秀であっても、全体としてはそうではないということもある」
「ジェームズは、過去にテクニカルディレクターとして、大きな実績を残してきたし、人間味のある人だ。彼は今でも組織にとって非常に重要な人物だ」
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メルセデスFのテクニカルチームは、チャンピオンシップを制覇した時期からずっと安定した入れ替わりが続いている。
特にアリソンの前任者であるパディ・ロウはウィリアムズのトップに就任し、元チーフ・エアロダイナミクスのエリック・ブランディンは2021年に好調なアストンマーティンに移籍している。
同様に、エンジニアリング・ディレクター(後にチームアドバイザー)のアルド・コスタも2020年初頭にはメルセデスを離れ、レーシングカーメーカーであるダラーラの技術部門を率いている。
これらの人物を入れ替えることの難しさについて尋ねられたヴォルフは「アルドのような人物は、絶対に代わりが効かない」と語った。
「しかし、その構造の中で、他の何人かに仕事を分ける必要がある」
「アルドは、自分の後継者について、とてもよく考えていた。ある日突然起こったことではない」
「基本的に2年半前から、彼はいなくなることを予告していた。彼は、彼の感覚で部門を形成していった」
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