F1ベルギーGP ピレリ決勝総括:勝敗を分けた路面変化と選択の妙
オスカー・ピアストリが2025年F1ベルギーGPを制し、マクラーレンにとって2012年以来となるスパでの勝利をもたらした。2位にはチームメイトのランド・ノリスが続き、マクラーレンは通算55回目、スパでは6度目となる1-2フィニッシュを達成した。

今回のチェッカーフラッグを振ったのは、地元ベルギー出身でF1通算8勝を誇るジャッキー・イクス。ピアストリもこれで通算8勝となり、イクス、ダニエル・リカルド(同郷)、チームメイトのノリス、シャルル・ルクレール、そしてデニー・ハルム(ニュージーランド)といった歴代8勝クラブに加わった。

また、ルクレールはこのスパで3年連続となる3位表彰台を獲得。ここは彼が2019年にF1初優勝を飾った縁の地でもある。

レースの展開
レースは降雨による視界不良のため、フォーメーションラップの後に赤旗中断。約1時間の遅延を経て、セーフティカー先導で再スタートとなった。ピットレーンスタートを含む全車がインターミディエイトタイヤでの出走となった。

4周のセーフティカーランの後にグリーンフラッグが振られ、急速に乾き始めた路面に最初にスリックタイヤへ交換したのはルイス・ハミルトン。11周目のことだった。その後2周以内に全車がスリックへと履き替えたが、ランド・ノリスのみがハードタイヤを選択し、他はすべてミディアムを装着した。

2回目のピットストップを行ったのは、アンドレア・キミ・アントネッリ、フェルナンド・アロンソ、フランコ・コラピント、アイザック・ハジャー、ニコ・ヒュルケンベルグ、カルロス・サインツの6名。レーシングブルズとウィリアムズの両チームはハードを、その他はミディアムを再度投入した。

ベルギGP F1ベルギーグランプリ 2025年のF1世界選手権

ピレリのマリオ・イゾラによる総括
「今日は雨が影響するだろうと予測していたが、まさにその通りとなった。ドライバーたちにとって最大の問題は視界不良で、スタートは遅れ、コンディションが改善するまで待機せざるを得なかった。ただし、セーフティカーの数周が乾燥を進める助けにもなった。

レースが本格的に始まると、インターミディエイトは期待通りに機能したが、当然のようにすぐに劣化が始まり、数周でスリックへの交換タイミングとなった。ここで驚いたのは、全車がミディアムを選ぶと思われた中で、マクラーレンがタイヤ戦略を分けたことだ。C1(ハード)はC3(ミディアム)に比べてペースは劣るが、気温が比較的低い中でもデグラデーションの面でより安定していた。

上位勢は全員が1ストップ戦略で走り切る構えで、そのためにはミディアムでの摩耗をいかに抑えるかが重要だった。彼らはそれをうまく成し遂げた。一方で、終盤に攻めに出たドライバーたちはパフォーマンスの急落に直面し、挽回には至らなかった。後方から2ストップを選択した者たちもペースは速かったが、順位を大きく上げるには至らなかった。

今回、我々はハードとミディアムの間に1段階の差がある特殊な組み合わせを持ち込んだが、雨によってその意図は十分には検証できなかった。それでも、今後のコンパウンド選択に役立つ貴重なデータは収集できた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1ベルギーGP / ピレリ