メルセデス
メルセデスの技術部門を率いるパディ・ロウは、チャンピオンシップを制したW05を今季マシンW06に進化させる際、チームとしてはリスクを回避したかったが、新たに導入されたノーズ規約が大きな挑戦をもたらしたと明かした。

メルセデスは、新たなテクニカルレギュヨンとV6ターボ“パワーユニット”が導入された2014年に19戦中16勝を記録してチャンピオンを獲得。今年のチャンピオンシップでもタイトルの最有力候補として名前が挙がっている。

パディ・ロウは、メルセデスとしてW05のポジティブな部分を維持できるように慎重に取り組んできたとし、その結果として今季マシンW06は用心深いアプローチを採ったと述べた。

「W06のデザインプロセスは、W05のアドバンテージを継続する形で決定された。何も当たり前なことはない。手強いライバルがたくさんいるし、彼らは我々と同じように勝利を望んでいる。このビジネスでは誰もが負けを嫌う。だから、彼らは決してあきらめない。冬を通し、我々のモチベーションは懸命にプッシュされていきが、それ以外ではリスクのバランスを考えた」

「発展にリスクはつきものだ。うまくいかない可能性のあるというリスクを背負わずには前進できない。優れたマシンを持つことに非常に慎重になった。細部にこだわるあまり重要なことを見失うようなことはしたくなかったので、開発ではプロセスを踏んだ。レギュレーション的には進化の年であり、マシンは本質的に進化しているが、小規模な革命によって進歩を遂げなければならない」

「細かな発展は数多くある。例えば、冷却システムなどね。昨年は新しいパワーユニットを積んで冷却をうまく機能させることが重要だったが、今回は2度目の再考なので、基本的な部分は以前よりもうまくできる。発展させたい思いはあるが、あまりに行き過ぎしまい、逆に後退してしまうようなリスクは冒したくない。本質的なプロジェクトはたくさんある」

2015年の大規模なレギュレーション変更は、ノーズとフロントの衝撃構造。昨年はマシンの安全性を高めるために、レギュレーションでノーズの配置が低く設定されたが、その結果、それぞれのチームの採用したソリューションは異なった。数チームのノーズは見た目にかなり酷かったため、FIAはノーズレギュレーションを改定。2014年の醜いソリューションを引き起こす抜け穴を排除しつつ、安全性を高める規約に変更された。

パディ・ロウは、今回のレギュレーション変更によって、FIAは各チームに大きなチャレンジをもたらしたといい、序列が変化する可能性もあるという。

「空力に関しては、ノーズが大型プロジェクトだったし、最も大きなルール変更だった。昨年は様々ノーズを目にしたが、いくつかは醜いものだった。確か、昨年の今頃はノーズが醜すぎると大きな話題になっていたはずだ。ただ、幸い今はもう過去のものになっている」

「我々は昨年もわりと見た目に優れたノーズを採用していたし、それは今年も変わらないが、低くなっている。それはマシンパフォーマンスに影響するため、冬の間はそこが乗り越なければならない大きな抑制だった。他よりも影響を大きく受けるところもあるだろう。それがレギュレーション変更の本質だ。他チームよりも痛手を被るものがいるかもしれない」

「大規模なプロジェクトだった。ノーズはマシンのフロント部分にあり、フロントの空力が少しでも変わればマシン全体に大きな影響をもたらす。あらゆるコンポーネントに影響する流動を生み出すためだ。そのため、実際には見た目以上に大きな変更だったと言える」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / メルセデスF1