マクラーレン MCL33 : ルノー製PUに合わせてコンセプトを進化
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2018年のF1世界選手権を戦うマクラーレン MCL33は、マクラーレンの52年の歴史で初めてルノーのF1エンジンを搭載する。マシンはマクラーレンが50年前にF1に初参戦し象徴的なパパイヤオレンジとブルーのカラーリングが施されている。
2018年、マクラーレンは、2度のワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソ、そして、チームとの2年目のシーズンとなるストフェル・バンドーンのラインナップで2012年以来となる勝利を目指す。
マクラーレン MCL33のエンジニアリング哲学は、前年モデルを土台としており、蓄積されたデータから様々な改善がもたらされている。MCL33の作業の多くはルノーのF1エンジンとコックピット保護デバイス『Halo』の組み込みを最適化することに費やされた。
マクラーレンの最高技術責任者を務めるティム・ゴスは「昨年のクルマでは、当時の状況に基づいてアーキテクチャについて決断を下す必要があった」とコメント。
「1年間学習したことで、我々はその理解度を利用していくつかのアーキテクチャーの決定を調整した。シャシーに織り込むすべての事を見直すことができた」
「我々は同じ軌道に沿って継続している。発表時のクルマは進化しているように見えるが、テストとシーズンを通してMCL33の強化を続けている」
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マクラーレン MCL33 サイドポッド"
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マクラーレン MCL33 サイドポンツーン"
開発に関して、マクラーレンのデザインチームは、MCL33の開発に関してパッケージの改良に注力。より洗練され、シンプルでエレガントなマシンに仕上がった。
「それが常に我々にとっての焦点だ。だが、今年はしっかりと考え抜いたパッケージソリューションを手に入れようとした。それはエアロダイナミストがより多くの範囲で力を発揮できるボディワークを与える」
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マクラーレン MCL33 (エンジンカバー&リア周り)"
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マクラーレン MCL33 (リアボディワーク)"
ホンダからルノーというまったく異なる哲学をもつパワーユニットを搭載することはマクラーレンにとってかなりの挑戦をもたらしたとティム・ゴスは語る。
「変更は大仕事だった。レギュレーションでは前後のエンジンのマウントは全てのマニュファクチャラーにとって同じである必要があると記されているが、エンジンのレイアウト、アーキチェクチャーは以前のものとは非常に頃なる」
「2つのエンジンファミリーがある。メルセデスとホンダのコンセプトは、エンジンの前にコンプレサー、後ろにタービン、MGU-HはV内に配置されている。フェラーリとルノーのアプローチは、ターボチャージャがエンジンの後ろにあり、MGU-HはVの前に配置されている」
「それぞれのアプローチは長所と短所があるが、実際には私はルノーのアプローチの大ファンだ。変更はエンジンのインスールに大きな影響を及ぼした。ルノーのレイアウトのアドバンテージはエンジンを前に置くことができることにあるが、コンプレッサーをエンジンの後方に配置しなければならない。したがって、アウトレットパイプをパッケージに影響を与えずに前進させる必要がある」
「シャシーの後部、ギアボックスのベルハウジング、リアサスペンション、冷却レイアウトを再設計しなければならなかった。それをまとめるための2週間は激しい努力だった。だが、我々はそれが起こるかもしれないことをわかっていたので準備はできていた。決定が下され、ミッションが明らかになった際、スタッフがこのような短期間でそれを成し遂げたのは驚くべきことだ」
「我々には今、本当に整ったパッケージソリューションがある。ギアボックとリアサスペンションのデザイナーは全てを再設計するために信じられない仕事をしてくれた」
マクラーレンは23日(金)にバルセロナのカタロニア・サーキットでフィルミングデーを利用してMCL33のシェイクダウンを行う。
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム