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マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるティム・ゴスは、2018年F1マシン『MCL33』のシャシーデザインを妥協することなく、ルノーのエンジン構造に対応することができたと自信をみせている。

マクラーレンは昨年9月のF1シンガポールGPの週末にマクラーレンとのパートナーシップを解消し、ルノーと新たに3年契約を締結。すでにホンダのエンジンを想定して設計に着手していたシャシーをルノーのエンジンに合わせるために変更する必要があった。

ホンダからルノーのF1エンジンに変更することで、マクラーレンはこれまでよりも多くの馬力を得られるはずだが、ティム・ゴスはホンダとは異なるターボとエネルギー回生システムの異なるパッケージングへの調整には大きな課題があったことを明らかにした。

「ルノーの構造は非常に異なる。2つの基本的なエンジン構造がある。メルセデス/ホンダのアプローチ、そして、フェラーリ/ルノーのアプローチだ」とティム・ゴスは Autosport にコメント。

「本質的にターボチャージャーが配置される位置に違いがある。メルセデス/ホンダのアプローチはエンジンの前方にコンプレッサー、後方にタービンがあり、Vバンク内にMGU-Hが配置されている」

「フェラーリ/ルノのアプローチは、エンジンの後方にコンプレーサーが配置してあり、その後ろにMGU-H、さらに後ろにタービンが配置されている」

「それらはシャシーとギアボックスに対して非常に異なるアプローチが必要となる。現在、我々は両方の経験があるので、両方の良い点と悪い点を見極めることができる」

「ルノーのアプローチにも気に入っている部分とやや不快感を感じる部分があるが、最終的に異なるエンジンへの移行するという決定がちょうど時間通りになされたことは幸運だった。後からではできないことだった」

ティム・ゴスは、ルノーのF1パワーユニットをパッケージングするために燃料タンク、ギアボックス、リアサスペンションに影響が及んだと語る。

「シャシー、冷却システムを再構成し、それに合わせてギアボックスを再構成する必要があった。だが、シャシーに大きな妥協をすることなく、時間内にそれを成し遂げることができた。かなり大きな変更だった」とティム・ゴスはコメント。

「ルノーのエンジンはシャシーのさらに前方に配置される。ホンダの場合、エアインテークをエンジンの前に持ってくる必要があり、その容積は燃料セルから得ていた。結果として、シャシーは長くなっていた」

「しかし、ターボチャージャーをエンジンの後ろに配置しなくてもよく、インボードサスペンションの途中に入れていた。それよってエンジンの後方ははるかに簡単な作業で終わっていた」

「ルノーに移行すると、突然エンジンの前方がはるかシンプルになり、結果として相当量の燃料容量を取り戻すことできる。エンジンをさらに前に置くことができ、エンジンの空力ブロックとエキゾーストをシャシーの後方に動かせるのでかなり良好になっている」

「しかし、ターボチャージャーがベルハウジング内に配置されているので、それに対応するためにリアサスペンションのインターナルを再設計して、ギアボックスの長くしなければならなかった」

「だが、我々は素晴らしい仕事を成し遂げた。本当に素晴らしい仕事だ。非常に激しいものだった。我々はそれを並べかえるために2週間の努力を費やしてきたが、我々が何をする必要があるかはしっかりと把握していた」

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