マクラーレン、F1撤退を示唆するフェラーリの交渉戦略を牽制
各F1チームはFOM（フォーミュラワン・マネージメント）とF1参戦に関して個別に双務契約を結んでいるが、その契約は2020年末で期限を迎える。
フェラーリは、FOMの収益から長期参戦のプレミアムボーナスを毎年受け取っており、レギュレーションに対する拒否権も有しているとされている。
現在、次の契約の条件についての協議が行われているが、フェラーリのセルジオ・マルキオンネは、将来的なルールが自分たちの考え方に見合ったものでなければ、F1を撤退すると強硬な姿勢をみせている。
「現在の私の大きな懸念は、新しい契約の交渉が厳しいものになるかもしれないということだ。いくつかのチームは他チームよりも厳しいものになるだろう。それがどこを指すかはご存じだと思う」とザク・ブラウンは Autosport にコメント。
「願ってはいるが、確信はしていない。彼らはあまり公にはせずに舞台裏で交渉することができる。それらはすでに存在しており、現在、我々が懸念して作り上げているあらゆる前進を傷つけることになるので、そうなるとは思っていないがね」
「スポーツにストライキが登場しそうだと考えるたびに、彼らは『なぜ、みんなはそれを理解しないのだろう？ 我々は参加しようとしているんだ』と考え始める」
「とにかく、私は彼らが交渉プロセスにおいてあまり破壊的にならないことを願っている」
「最終的に全ては完了すると思っているし、交渉以上のものには発展しないと考えている。だが、我々は2009年に離脱の提案を目にしている。離脱の可能性があるとは思わないが、そのようなストーリはどこかの時点で出てくるものだし、破壊的なものになる可能性もある。特に交渉戦略以外に何もないときはね」
フェラーリのF1撤退の脅威を真剣に受け止めるべきか、F1はフェラーリや他チームが離脱するリスクをはらんでいるかと質問されたザク・ブラウンは「誰もそれを望んではないが、F1はスポーツにとって正しいことをしなければならない。それが彼らがやっていることだと思う」とコメント。
「交渉しているときは、常に打ち切る準備ができている必要がある」
「彼らは全員にとって正しいことをやろうとしているが、スポーツのバランスをとることで、不公平なアドバンテージを持っていた人は何かを失うことになるし、彼らはそれを失いたくない。それに関しては私も共感できる」
「だが、そうすればスポーツは失われてしまうし、最終的に彼らも失うことになる。我々は全員が同じボートに乗っており、ボードが沈めば、ファーストクラスかエコノミーかに関係なく、ボートは沈んでしまうからね」
「なので、彼らは容認できる妥協だと考えるものとバランスを見つけなければならない。彼ら全員が厳しい交渉人だ」
「リバティは、彼らがスポーツにとってベストだと考えるものを公正にバランスをとって決定していくだろう」
「我々全員がフェラーリがスポーツに最大の貢献を果たしてきたことを認識しているし、認識しなければならない。だが、スポーツを傷つけるようなやり方は認めるべきではない」
ザク・ブラウンは、常にリバティメディアとの“協調姿勢”を示しているが、Blick のベテランF1記者ロジャー・ブノアは、MOTORSPORT NETWORKの会長も務めるザク・ブラウンが、F1のメディア面における政治的な実権を握ることへの危険性を危惧している。
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