マクラーレン ホンダF1 ベルギーグランプリ
マクラーレン・ホンダは、F1ベルギーGPの予選で フェルナンド・アロンソが11番手、ストフェル・バンドーンが15番手だった。

土曜日のベルギーは、事前の予報とは異なりドライコンディションとなった。午前中に行われたFP3では、フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンの両ドライバーがスムーズな走行を行い、予選に向けて必要な準備をすべて実施することができた。

昨夜の雨の影響で最初はコースが湿っていたものの、その後すぐに乾き、両ドライバーは予定通りプログラムを消化できた。フェルナンド・アロンソは12周を走行し、10番手のタイムをマーク。一方のストフェル・バンドーンは14周を走行して、14番手となった。

ストフェル・バンドーンはPU交換によるグリッドペナルティーにより、明日のレースを最後尾からスタートすることが決定しているため、チームは予選ではフェルナンド・アロンソの結果を優先することを選択した。Q1で2人のドライバーがチームメートとして協力し合い、2台が常に接近した距離で走行することにより、前方のマシンが後方のマシンをできる限りけん引できるようにした。その結果、バンドーンは10番手、アロンソは14番手で、2台そろってQ2に進出した。

Q2でも、チームは再度ストフェル・バンドーンのマシンのスリップストリーム(前方を走るマシンの真後ろに発生する空気抵抗が小さいエリア)を利用する戦略を選択。フェルナンド・アロンソは2回の走行の大半で、チームメートのリアウイングの真後ろにつけるという完ぺきな戦略を実行した。ただ残念ながら、フェルナンド・アロンソはセッション終盤にアタックした最終ラップの最終区間で回生によるパワーを失ったため、Q3進出を僅差で逃し、11番手となった。一方のストフェル・バンドーンは、Q2では公式タイムを計測することなく、15番手でセッションを終了。ただ、エンジン交換によるペナルティーを受けるため、母国グランプリを20番手からスタートする。

フェルナンド・アロンソ (11番手)

「全体的なパフォーマンスを考えると、今日はポジティブな一日だった。Q2では、トップのラップタイムから1.5秒差だったけど、これは僕たちにとってはポールポジションに匹敵する。ラップの最後で問題が発生したためにQ2で敗退となったものの、今日はQ3進出は可能だったと思う。チームは、すばらしい仕事を成し遂げてくれた。ストフェルのペナルティーを利用して、もう1台がストレートでスリップストリームに入れるようにした。しかしながら、Q2の最後の走行というタイミングの悪いときに、デプロイメントに問題が発生した。11コーナーから12コーナーまでの間に0.6秒ロスし、1回目のラップタイムを更新できなくなったことから、最終ラップを中止する結果となった。明日は11番手からスタートする。ここスパで、このようなグリッドを獲得できたことに少し驚いているけど、スタート時のタイヤを自由に選択でき、新品タイヤでのスタートが可能なので、10番手よりもいい結果かもしれない」

ストフェル・バンドーン (15番手)

「今日は、かなりポジティブな一日だった。決勝では最後尾からスタートすることが分かっていたので、週末を通して予選ではなくレースに向けた準備をしてきた。今日の目標は、フェルナンドの手助けをしながら両マシンをQ2に進出させ、フェルナンドが僕のマシンのスリップストリームを利用できるようにすることだった。そして実際に、それを成し遂げた。残念ながら、フェルナンドは僅差でQ3進出を逃したけど、これからは明日のレースに集中しなければならない。僕は20番手からスタートするので、そこからかなりばん回する必要がある。昨日のフリー走行のように、明日も変わりやすい天気となることを願っている。実際にそうなれば、僕たちにとっては有利だ! ここで、Q3に進出するのが難しいことは分かっていたけど、今日はできる限りチームプレイに徹しようとした。だから、フェルナンドが僅差でQ3進出を逃したのは、残念だ。今日はいいチームワークをみせることができたと思う。フェルナンドと僕は、非常にいい関係を築いている。これまでもそうだったけど、今日もまた2人で協力し合えることを示す機会となった。僕がフェルナンドの助けを必要とする場面もいずれ出てくるだろうね! 今週末は、僕にとってとても特別なレースだ。ここには大勢のファンの方々がいて、僕の友人や家族もサーキットで応援してくれている。母国グランプリを戦えるのは、自分のモチベーションアップにつながっている」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「今日は予選の初めから難しいスタートを強いられたにもかかわらず、チームが非常に強い精神力をみせてくれた。明日のレースに向けて我々のポテンシャルを最大限に引き出すために、一丸となって仕事に取り組み、完ぺきな戦略を実行してくれた。そんなガレージのメンバー一人ひとりの努力を、うれしく感じるとともに、誇りに思う。昨夜、ストフェルのPUにいくつかの問題があることが発覚したため、再度PU交換を実施。地元のスターであるストフェルは、母国グランプリでさらなるグリッド降格ペナルティーを受ける結果となった。彼のチームのメンバーは、FP3に間に合うようにマシンを準備するため、懸命に作業に取り組んでくれた。彼らの懸命な仕事ぶりは称賛に値するし、感謝している。また、予選を通して完ぺきなチームメートとして、それぞれの任務を果たしたストフェルとフェルナンドにも、感謝したいと思う。Q1では、フェルナンドとストフェルは同じラップを走行しているときでさえ、お互いをけん引しながら助け合った。見事な仕事だったし、それにより2台そろってQ2に進出することができた。Q2では、明日のレースで最後尾スタートとなるストフェルが、難易度の高いパワーサーキットでフェルナンドをさらに手助けするために、自分のパフォーマンスを犠牲にして見事な仕事をしてくれた。また近いうちに、今後はストフェルに借りを返すときがくるだろう! 今日は難しいスタートを強いられたあと、チームが大きな努力をし、ガレージでの作業時間制限を破りながらも、すばらしいチームワークをみせてくれていたので、フェルナンドがQ3進出を逃したことは残念だった。Q3進出まであとわずかというところで、最終ラップの最後にデプロイメントの問題が発生し、ラップタイムを更新することができなかった。それでも、11番手はそれほど悪いポジションではなく、明日のレース戦略のオプションがさらに増えることになる。これまでを考えると、今回は厳しいレースになるだろう。ただ、懸命に仕事をし、運と変わりやすい天候を味方につけて、明日はベルギーのファンの皆さんのためにもいいレースができるよう願っている」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)

「タフな高速サーキットであるスパ・フランコルシャンで、フェルナンドがポイント獲得の可能性があるポジションを獲得できたことはよかったと思いますし、ここに持ち込んだPUのアップデートの効果も出せていました。フェルナンドはいつもの通り、最大限までプッシュし、Q3進出は逃したものの11番手というグリッドを獲得してくれました。そして、明日は新品のタイヤからスタートできます。アタックの最後にエネルギー回生が足りなくなる事象が発生しため、本当はもう少しタイムの向上ができたかもしれません。明日に向けて改めてチーム、ドライバーとパワー回生のセッティングについて整合を行おうと思います。ストフェルについては、昨日のFP2のあとにPUの一部に異常の可能性を検知したため、夜を徹した作業により載せ替えを行いました。昨日のペナルティーも含めて最後尾からのスタートが決まっていたため、午前から決勝を見据えたロングランを中心にセッティングを進めました。また、予選ではフェルナンドの予選順位を上げるために、チームプレイに徹し、2人そろってのQ2進出を果たしました。マシンのパフォーマンスは安定していますし、今日のフェルナンドのタイムからもポイント獲得はあると思いますので、あらゆるチャンスを逃すことなく戦っていきたいと思います」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1ベルギーGP