マクラーレン・ホンダ F1 バーレーンGP
気温39℃の砂漠の炎天下の中、14日(金)にF1バーレーンGPの1回目のフリー走行が行われ、マクラーレン・ホンダはセッションの合間に両マシンに予定していたセットアップ変更を実施した。

ストフェル・バンドーンはマシンのフロアを交換、フェルナンド・アロンソはリアウイングを交換し、バンドーンとアロンソはそれぞれ10周および14周を走行した。

残念ながら、セッション終盤にバンドーンのマシンにMGU-Hの不具合が発生したため、彼の走行時間が減ってしまった。FP2で再びコース上に送り出そうと、チームは時間を節約するためにパワーユニット一式を交換した。

FP1は長めのピット作業を挟んだセッションとなったものの、両マシンとも力強い走りをみせ、アロンソは8番手、バンドーンは13番手のタイムをマークした。

FP2は、ドライバーごとに明暗が分かれる結果となった。アロンソのセッションはスムーズに、走行プラン通りに進行。31周を走行し、日曜日のレースに備えて燃料を多く搭載した状態での走行も実施した。

一方、FP1終了後からPUの交換に取りかかったバンドーンのマシンは、メカニックたちの迅速な作業によりFP2の開始から40分後には、その作業を完了した。ただ残念ながら、2回目の走行後に、エンジニアがMGU-Hの不具合を検知したため、それによってバンドーンの本日の走行プログラムは終了とった。チームは、明日の走行に間に合わせるために、同パーツを交換する予定。

フェルナンド・アロンソ
FP1:1分34.372秒(トップとの差 +1.675秒) 14周 8番手
FP2:1分32.897秒(トップとの差 +1.587秒) 31周 14番手
「今日はいい一日だった。残念ながら、ストフェルはいろいろと問題を抱えていたが、少なくとも僕にとってはいい一日だった。まずまずの走りをし、マシンのセットアップと方向性に関しては、前向きなニュースがいくつかあった。最速のマシンからは1.5 秒差でしたが、これは今までで断トツとなる最少のタイム差だ。また、今日は31周という、かなりの距離を走行することができた。今は徐々にマシンのポテンシャルを引き出しつつある状態だと思う。僕たちは正しい方向に向かっているとは思うけど、まだ長い道のりが待っている。明日はまずまずの予選を迎えられるよう願っている。明日のFP3では、一周一周を大事にうまく活用する必要がある。予選でもいい走りをし、日曜日の決勝では攻めの走りをしなければならない。問題にうまく対処できているという自信はまだ100%あるわけではないので、チームと一緒に問題解決に向けて引き続き取り組んでいく」

ストフェル・バンドーン
FP1:1分34.997秒(トップとの差 +2.300秒) 10周 13番手
FP2:1分34.230秒(トップとの差 +2.920秒) 8周 20番手
「今日も僕にとっては難しい一日だった。FP1ではエンジンの不具合が発生し、FP でも再び問題があったため、走行周回は非常に限られてしまった。あれだけの走行時間を失ったことは残念だし、特に FP2 は予選と決勝のコンディションと非常に似ているので、なおさらだ。今のところ理想的な週末ではないけど、明日はもっとスムーズな走行をし、問題にうまく対処できることを願っている。僕はほとんど走行できないまま明日の予選に臨むけど、今日フェルナンドがかなりの周回を走行したことはポジティブな点だ。フェルナンドのマシンから得た情報をもとに準備を始めるけど、それは僕のマシンにも生かせる情報だと思う。僕たちは信頼性の問題を抱えており、今のところグランプリごとにトラブルが発生しているので、理想的なかたちでシーズン開始を迎えたとは言えない。困難な状況ではあるものの、それがいまの現状だ。今回も難しい週末になることはわかっているけど、明日は今日よりもいい一日となることを願っている。明日なにができるのかは、見当がつかないし、目標を設定できる状況ではない。スムーズな走行ができるようにちゃんと準備した上で、出来る限りの走りをしたいと思う」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)
「気温が40℃近くにまで上がる非常に暑いここバーレーンにて、フェルナンドが計画どおりに走行プログラムを消化し、今夜分析すべき膨大なデータを収集してくれた。一方のストフェルは、フェルナンドよりもずいぶん難しいセッションを強いられた。彼のマシンは MGU-H の一連の不具合に悩まされ、思うような走行ができなかった。不具合に関しては、現在、ホンダと調査中だ。ただ両ドライバーとも、バーレーン・インターナショナル・サーキットでの走行を楽しんでおり、実際に2人ともここで優勝した経験がある(フェルナンドはF1、ストフェルは GP2で優勝)。明日の予選では、両ドライバーともベストを尽くす。当然のことながら、明日は予選に備えてストフェルが FP3で問題なく走行できるようにする必要がある。明日は彼にとっても良い1日となることを願っている」

中村聡 (ホンダ R&D チーフエンジニア)
「寒く湿った中国から、全く正反対の気候、暑くて乾燥したバーレーンにやってきました。今日のフェルナンドは、FP1、FP2を通して安定したパフォーマンスを見せてくれました。予定されていたメニューをすべて消化することができましたし、数種類のタイヤやエアロなどさまざまな条件下でセッティングを詰めていくことに集中できたと思います。ストフェルについては、MGU-Hの問題が両セッションで発生してしまいスケジュールを予定通りこなすことができず、残念な一日になってしまいました。問題の詳細は現在調査中ですが、それと同時にガレージでは、夜を徹した作業により明日のFP3に向けてMGU-Hの交換を行います。ストフェルのトラブルはありましたが、それでも明日の予選を楽しみにしています。今日いい走りを見せてくれたフェルナンドは、明日も同様のパフォーマンスを見せてくれるでしょうし、ストフェルも間違いなく明日はばん回してくれると思っています」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1バーレーンGP