マクラーレン・ホンダ
第2回バルセロナテストは4日目を迎え、ジェンソン・バトンが2016年のプレシーズンテストの最後を締めくくった。コンディションはドライで、風は強かったものの路面温度は安定し、順調にプログラムを進めることができた。

この日はMP4-31の新型空力パーツを複数テスト。さらに開幕戦のオーストラリアGPに向けたレースセットアップにも取り組み、スタート手順の確認や新しいタイヤコンパウンドであるウルトラソフトの確認も行った。

MP4-31は信頼性の問題が起きることなく、予定していたプログラムをすべて消化。ジェンソン・バトンは一日で121周を走行し、プレシーズンテストでの総走行距離は3305kmに達した。

現時点では、まだ開幕戦に臨む最終仕様にはなっておらず、この2週間のテストで集めたデータを、ウォーキング(マクラーレンnの本拠地)と、さくら、ミルトンキーンズ、東京(ホンダの拠点)へ持ち帰ってシャシーとパワーユニットの向上に取り組んだ上で、最終準備を完了させる。

ジェンソン・バトン
「121周を走り切り、テストプログラムを順調に終えることができたのはいいことだ。多くの空力設定を確認して、マシンとその挙動について多くを学ぶことができた。メルボルンに向かうまでの残り10日間で、役に立つだろう。プレシーズンテスト全体でかなりの走行距離をこなせたのは素晴らしいことだ。パワーユニット、空力、セットアップで重要なフィードバックを行うことができた。システムチェックや統合をたくさん行うことができ、昨年よりも確実にいい準備ができたと思う。まだまだやるべきことは多くある。今日は風が強くてマシンのセットアップの作業が難しかったが、対処することができた。午後は存分に走り込み、バランスとハンドリングの調整を行ったほか、開幕戦に向けたいくつかのオプションについて評価した。これからマシンに多くの変更を施し、最終的なレース仕様になるので、準備ができているとはまだ思わない。また、テストを終えたときは、誰もが開幕戦に向けて求めるバランスを見つけるためにはもっと時間が欲しいと思うものだ。ただ、僕たちにはメルボルンでそれができるくらいに経験がある。いくつか作業を続けるべき分野がまだあるが、全体的にはテストで多くが改善したと思う。これからも集中し続けて、毎戦新しいパーツを持ち込んで向上していく」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)
「今回のテストでは、完全な2016年仕様を走らせてはおらず、オーストラリアではさらに新しいパーツを投入します。テスト中、ほとんどの日程でかなり多くの走行距離をこなせたのはいいことですし、すべてのシステムチェックを完了できたのが重要です。昨年はそれができなかったのですから、今年はいい仕事ができたと思います。信頼性の高いマシンで開幕できそうで、それは自信につながっています。基本的なパッケージは問題なさそうですが、今後数週間でさらにパフォーマンスを向上させていきます。冬の間、かなり挑戦的なプログラムを進めてきたので、ファクトリーでは常に開発を継続しています。パッケージを進化させるため、時には生産時間を削って空力開発に時間を割くことも必要で、それが我々の世界では普通のことです。幸い、十分なリソースのもとで開発と生産を継続することができています。過去にはメルボルンで大きなアップデートを持ち込んだら、次はバルセロナというのが定番でした。しかし、今では毎戦投入するのが当たり前ですし、今年も我々はメルボルンからそうしていきます。テストプログラムでのチェックリストには、多数の項目に完了のチェックが入っています。そういう意味ではやり終えた仕事に満足しています。もちろん、毎日テストをしても、さらにと走りたいと思うものなので、十分ということは絶対に思いませんが、いいスタートにはなったと思います。他チームも大きな進歩を遂げていると思うので、メルボルンをフルスペックで走れば自分たちの位置が分かるでしょう。ここまでファクトリーでのデータとコース上で得たものの整合ははいいので、自信はあります。多く走行距離によって大量のデータを集められました。まだ期待を抱くのは早いですし、その時がくれば分かります。今後もメルボルン、その後のレースに向けて懸命に取り組みます」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)
「本日までの2週間のウインターテストでは、オフシーズンに準備してきた信頼性、デプロイメントやエンジンの性能向上などが確認できました。特に、後半のテストでパワーユニットがトラブルフリーで4日間の走行を終えたことは、大きな収穫だと考えています。レースに向けては、引き続き最終的なデータフィックスや信頼性の検証が残りますが、メルボルンに向けての準備が進みました。パッケージ全体としてのパフォーマンスに関しては、このテストだけではなかなか判断が難しいですが、シーズンを通した目標であるポイント圏内で争っていけるよう、さらに改善を行っていきます」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1