F1:同サーキット2連戦の片方でリバースグリッド式の予選レースを検討
F1は、オーストリアとシルバーストンで計画されているダブルヘッダーレースを利用して、どちらかのレース週末で通常の予選に代えてリバースグリッド式の予選レースを試すというアイデアについて話し合っている。

2020年のF1世界選手権は、7月5日にレッドブル・リンクで再開する予定であり、翌週の12日にも同サーキットでレースを行うことが計画されている。同じようにシルバーストンで開催されるF1イギリスGPも8月2日と9日のダブルヘッダーが計画されている。

リバティ・メディア、F1チーム、およびFIA(国際自動車連盟)は、それらのダブルヘッダーレースを利用して、同じサーキットで開催される1つの週末の予選でリバースグリッド方式のスプリントレースを実施するというアイデアについて話し合った。

このアイデアは、以前にF1のマネージングディレクターであるロス・ブラウンによって提案されていた。ドライバーはチャンピオンシップの逆の順番でグリッドに並び、日曜日の決勝のグリッドを決定するというもの。だが、昨年末に2つのチームがこの案に反対票を投じ、2020年に実施するための承認は得られなかった。

だが、新型コロナウイルスによる多数のレースの中止によって、同じサーキットでレースを開催するという計画が立てられたことで、このアイデアが再浮上。1つの週末は通常の3つのセグメントで構成される予選を実施することで、直接の比較が可能となる。

しかし、このようなレギュレーション変更は、チャンピオンシップに影響を与えるため、10チームからの満場一致の合意が必要になる。メルセデスはこのアイデアに強く反対しているとされ、他チームも態度を保留している。

このようなハイディキャップシステムはF1のDNSに反しているとの意見もあり、F1が懸命にコストの削減を目指しているこの時期に、レースの結果を変える可能性のあるアイデアは逆に経済的な影響が懸念される。

最近、FIAは国際スポーツコードにセーフガード条項を導入した。これは、新型コロナウイルス危機の影響により、“例外的な状況”で大多数の参加者の同意のみで規制の変更が可能であると述べている。だが、このような競技自体の意味合いを変える変更には正当化されないと考えられている。

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カテゴリー: F1 / リバティ・メディア / FIA(国際自動車連盟)