小林可夢偉
小林可夢偉が、2012年F1マシン「C31」と2012年シーズンについての意気込みを語った。

可夢偉、新車ザウバーC31をデビューさせるという特権を得て、火曜日にはテスト初日の最多となる周回数をカバーしましたね。絶賛ですか? それとも絶望していますか?
そうですね、新車を初めてトラックで走らせるのは刺激的なことでした。それにマシンの感覚はとても良かったです。なので、絶望の気持ちはありません。とても安定感がありました。

信頼性とマシンの素性を評価することが最も重要ですし、もちろん新車では多くの走行距離を重ねる必要があります。昨日はまったくトラブルもありませんでしたし、106周を走ってもどうってことはありませんでした。素晴らしい一日でした。

昨年マシンとの最も大きな違いは何ですか? 2011年仕様のC30は少し弱々しく昨シーズンを終えましたが...
まぁ、昨年マシンもそれほど悪くはありませんでしたよ。実際マシンは良かったですが、シーズン中に規約が変更になったことでかなり苦しみました。序盤は、純粋にマシンとして、そしてデザインとして本当に良かったと思います。1年がうまくいく手ごたえはかなりありましたが、シーズン中盤の変更によって状況が変わってしまいました。すべてを一からやり直すことを求められてしまい、基本的にシーズンの5〜6戦が犠牲になりました。僕たちはそのような状況にすぐに対応して再び全面的に開発できるようなビッグチームではありません。それに対し、冬季テストはメルボルンに行ったときに長いシーズンに準備できるようにマシンを完全に理解しなければなりません。シーズン中盤に変更がないことを願っています。

テクニカルディレクターのジェームズ・キーがチームを去りました。チームメイトのセルジオ・ペレスはすでにその損失を嘆いています。あなたも同じ気持ちですか?
彼がチームに加わったとき、僕たちは非常に難しい状況にありましたし、とても苦しんでいました。彼は僕、そしてチームをとても助けてくれました。おかげで僕たちはそれなりの2010年シーズン後半と2011年シーズンの良いスタートを切ることができました。彼がチームを去ると聞いたときは少し驚きました。もちろん、僕たちはそのことが公表される前に知っていましたが、彼がおそらく異なる目標を持っていて、それらを追い求めたいと思っていることを受け入れなければなりません。彼はチームのために本当に働いてくれました。時代遅れに聞こえるかもしれませんが、彼と働けたことを誇りに思っています。

2011年は2シーズン目だったにもかかわらず、チームメイトはルーキーでした。大変でしたか?
まずなにより、たった2シーズンでチームを引っ張れることは本当に嬉しかったです。でも、同時により多くのエリアでかなり働かなければなりませんでした。通常、2シーズン目ではやらないことです。走るだけでなく、僕がエンジニアにとっての第一の情報源でしたし、簡単な状況ではありませんでした。でも、今ではチームが僕に何を期待しているかかなり理解しています。もっと的確に行えると思っています。去年はチームリーダーとしてのルーキーシーズンだったと言えますし、今年は2010年に積んだ経験もあるので、ずっと楽になるでしょう。昨年とは異なるやり方で物事にアプローチできると思います。現時点で僕たちにはかなり良いスピードがあるので、シーズン全体でスピードを維持することが僕の望みです。それと安定したままでいられることを願っています。

去年はもっと良い結果を期待していたいに違いありません。重要な教訓を学ぶという点では報いられましたか?
もちろん。去年を振り返るとレギュレーション変更がすべてでしたし、それに慣れて、それに応じた行動をしなければなりません。2012年はそれほど多くの変化はなさそうなので、柔軟な能力がドライビングやチームとのコミュニケーションにおいて助けになると思います。

コンストラクターズの順位を得るためには両方のドライバーが結果を出さなければなりません。ペレスとあなたは良いチームメイトだと言えますか?
彼は若いし、僕もそれほど年をとっていないので、同じ言語で話をしています。彼が速いこともわかっていますし、そうですね、一緒にいて楽ですよ。

二人は世界の非常に異なる地域の出身です。取り組み方は異なりませんか?
そうですね、違いはあります。日本人は時間厳守や勤労が特徴でドイツ人型のメンタリティと考えられています。メキシコ人はおそらくもう少し自由な感じですね! なので、一勝に働くのはかなり面白いですよ...

今シーズンは20レースありますし、ここ数年で初めてシーズン中にテストがあります。かなり厳しくなりそうですね...
確かに忙しい一年になるでしょう。でも、僕たちは目標を持っています。その目標に到達するためにはまさに最終日まで働かなければなりません。それが僕たちがやっていくことです。なのでブードゥー教などの精神に頼るのでなく、懸命に働くだけです。

2012年の個人的な目標は?
ドライバー順位をあげることです。簡単ではないことはわかっていますが、異なるレベルに行きたいです。なので、マシンが安定していることを願っています。

金曜日に新しいエキゾーストとバックエンドを走らせるという噂があります。噂は正しいですか? その変更にどのような期待をしていますか?
昨日、僕は“スタンダードモデル”を走らせました。金曜日は僕たちにとって開発の第一ステップになります。もちろん、うまく働くかはわかりませんが、僕たち全員がそうなることを願っています。望んでいるようにうまく働けば、ラップタイムは改善されるはずです。重要なのはラップタイムです!

昨年、あなたはロックバンドのリンキン・パークと力を合わせてバンドのメンバーがデザインしたヘルメットをオークションにかけて日本の地震と津波の被災者のために19万ドルを集めました。共同プロジェクトはどのようにして生まれたのですか?
あのような有名なロックバンドとなにかをすることは、素晴らしいことでしたし、非常に特別なことでした。スポークスマンとロックスターが連絡をとることなどあまりないので、毎日巡ってくることではありません。それらの人々にはとても感謝していますし、ブラジルでそのヘルメットを使うのは本当に楽しかったです。それが僕に運をもたらしてくれたと思います。

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム