F1ドライバーがアルピーヌに批判集中 ドゥーハン降格は「不当で厳しすぎる」

オーストラリア出身のドゥーハンは、F1エミリア・ロマーニャGPを前にリザーブドライバーのフランコ・コラピントと交代。アルゼンチン出身のコラピントには、今後5戦で実力を証明する機会が与えられる。
この交代を巡ってはシーズン開幕前から憶測が広がっており、今回の発表は「いつ行われるか」の問題とみなされていた。
最初に反応を示したのは、ハースのルーキー、オリバー・ベアマンだった。ベアマンはメディアの取材に対し、「ドゥーハンに十分な時間が与えられたか」という質問に強い口調でこう答えた。
「正直に言って、ノーだ。開幕戦からすでに重圧を感じながら走るのは、本当に厳しいと思う」
「想像するだけでつらい状況だったはずだし、彼の扱いは非常に不公平だった。自分もルーキーだからよく分かるけど、特にシーズン序盤は難しいものだ」
「今シーズン最初の6戦のうち、ルーキーにとって初めてのサーキットが4つあったし、2戦はスプリントイベントだった。そんな状況の中で、彼がよく知るヨーロッパのサーキットに行く前にシートを奪われたのは、あまりに厳しい判断だと思う」
またベアマンは、自身がフェラーリからF1デビューを果たし、サウジアラビアGPでポイントを獲得したのは「マシンのドライバビリティが高かったことも大きい」と述べ、アルピーヌのマシンはルーキーにとって扱いが難しい可能性があると指摘したうえで、「アルピーヌはそうした事情をあまり考慮していなかったのではないか」と語った。

「最初から匂っていた」ハジャーも厳しく非難
レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーも同様にドゥーハンの扱いに強い不満を示した。
「正直言って、シーズンが始まる前からちょっと匂っていた」と、ハジャーは語った。
「彼は大きなプレッシャーと期待を背負ってシーズンに入った。あまり良い環境ではなかったと思うし、6戦で評価されるのはフェアじゃない。しかも、彼のマシンは特別速いわけでもない」
「ちょっと厳しすぎる決断だったと思う」
オコン「驚きはない」
昨年までアルピーヌに所属し、今季からハースでベアマンとコンビを組むエステバン・オコンも、チームの判断に対して冷ややかな見方を示した。
「最近のあのチームのいくつかの決定を見れば、残念ながら今回の件は驚きではない」と語り、ドゥーハンについては次のように言及した。
「ジャックにとっては残念だ。でも、彼はまたF1に戻ってくるだろう。今年も何度か素晴らしい走りを見せていたし、特に予選では速さを示していた」
一方で、オコンはコラピントについても評価し、F1に求められる才能とマシン数の不均衡を指摘した。
「フランコにもF1にいるだけの実力がある。昨年のウィリアムズでの走りは印象的だった。だけど、今のF1には才能に対して十分なマシン数がない。それが現実だ」

ローソン「F1は残酷だが、彼には戻る力がある」
レッドブルでの短期間の出走を経て、今季レーシングブルズでフル参戦しているリアム・ローソンも、ドゥーハンに強く共感を示した。
「ジャックとは話をしたよ。彼にとっては本当に厳しい状況だったと思う」
「でも、彼はF1に残るにふさわしい実力を示していた。ルーキーシーズンで5戦だけで全てを証明しろというのは無理がある」
「F1は本当に残酷な世界だ。でも、オコンも言っていたように、ジャックはF1に来る前から十分な実力があったし、F1の中でも戻ってくるに足るパフォーマンスを見せていた」
「ただ、F1には20のシートしかない。だから本当に厳しい。チームごとに決断の基準も違うからね」
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