佐藤琢磨 インディカー
佐藤琢磨は、2019年のインディカー 第15戦ゲートウェイの決勝レースで周回遅れから劇的な大逆転優勝で今シーズン2勝目を挙げた。

全長1.25マイルのショートオーバルで248周に渡って争われたレースでは、アクシデントによるフルコースコーションが5回発生した。タイヤの磨耗が激しく、チームによってピットタイミングが変わって来る戦いになってもいた。3回のピットストップで走り切る作戦を採用したチームもあったが、4ストップでゴールを目指したチームも、どのタイミングでタイヤ交換と燃料補給を行うか、作戦は別れた。

先週の第14戦ポコノではスタート直後の多重アクシデントでリタイアした佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だったが、ワールドワイドテクノロジーレースウェイでの第15戦で理想的なカムバックを見せ、見事に優勝を飾った。

予選5番手からスタート直後にポジションを落とした佐藤琢磨だったが、ピットタイミングをずらす作戦が功を奏し、レース中盤過ぎから安定した速さを発揮したことでトップに躍り出た。

佐藤琢磨を走らせるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの採った作戦は完ぺきで、188周目に彼をトップに押し上げることに成功した。レース序盤に1周の周回遅れに陥っていた佐藤琢磨だったが、燃費セーブとハイペースを両立させる走りで、フルコースコーションを味方につけてリードラップに復帰した上に、トップに躍り出た。

そしてレース終盤、佐藤琢磨よりわずかに遅いピットタイミングだったことでタイヤの消耗でアドバンテージを得ることとなったエド・カーペンターが、ゴール前の24周を使ってグイグイと差を縮めて来た。しかし、佐藤琢磨はトップの座を明け渡すことなく、僅差での勝利をつんだ。今夜の勝利は、佐藤琢磨にとって2019年シーズン2回目の優勝となる。4月にバーミンガムのロードコースで開催されたHondaグランプリオブアラバマ以来となる勝利だ。

佐藤琢磨が1シーズンに複数優勝を記録するのは今年が初めてで、今回の優勝は彼にとってキャリア5勝目となった。それらの5回の優勝の中には、2017年のインディアナポリス500での勝利も含まれる。

佐藤琢磨
僕をサポートしてくださっている皆さんになんとお礼を申し上げればいいのか、言葉が見つかりません。難しいことがあった次のレースだったので、本当に特別な気持ちです。ここに来て予選を力強く戦うことができたことについて、チームを誇りに思っています。レースは難しいスタートとなりました。僕は2台に挟まれ、ポジションを落としました。最初のスティントも難しい展開でした。僕たちは落ち着いて自分たちの仕事をこなし、自分たちを信じ、チャンスを掴み取りました。そして僕たちは反撃しました。続くふたつのスティントではペースもよく、必要とされていた燃料のセーブにも成功します。そして、あのイエローが出ました。たしかに、あれは僕たちにとって幸運だったと思います。この勝利は、僕を支えてくれたチームのおかげです。彼らのために優勝できて、本当に嬉しく思っています。とても、とても、幸せな気分です。最後のリスタートは遅かったかもしれませんが、コンスタントなスピードでした。集団をコントロールするために、使えるアドバンテージはすべて使わなければいけなかったのです。その後は、鮮やかにリードを広げていったといっていいでしょう。レースを盛り上げたのは、タイヤのデグラデーションでした。最後の20周でトニーと僕は同じように苦しみましたが、エドは本当に素晴らしいスピードで追い上げてきました。最後の5ラップはとても苦しみました。僕は絶対にマシーンをフィニッシュラインに持ち込みたかったのですが、なんとかそれを成し遂げました。(「インディ500を除けば、今回の優勝がもっとも嬉しかったのではないですか?」との質問に対して)はい、それは間違いありませんね。ポールポジションから優勝したバーバーも特別な一戦でした。週末を完全に制覇したという点でチームが果たした役割は大きく、大きな満足感を味わいました。でも、いまご指摘があったとおり、インディ500を除けばこの優勝は本当に特別です。とても感激しています。僕に、信じられないくらいの力を授けてくれました。続く2レースも、とてもエキサイティングな戦いになるでしょう。チャンピオン争いも刺激に満ちたものになるはずです。できれば、シーズンが終わるまでにもう少し順位が上がるといいですね。チームのサポートは信じられないくらい素晴らしいものでした。本当に嬉しいです。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの一員であることを誇りに思います」



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カテゴリー: F1 / インディカー / 佐藤琢磨