インディカー 佐藤琢磨 ホンダ
インディカー・シリーズ第9戦がテキサス州フォートワース郊外のテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。土曜日の夜に行われた600マイルの決勝レースでは、アクシデントが多発したが、トニー・カナーン(Chip Ganassi Racing)とグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が、それぞれ2位と4位でゴールした。

金曜に行われた予選では、ホンダ勢のドライバーたちが圧倒的なパフォーマンスをみせ、ポールポジションから8位までを独占した。

しかし、248周で争われた決勝レースではアクシデントが続けて起こり、13台エントリーしていたホンダ勢のマシンにうち、8台がリタイアを喫し、1台はダメージを受けた。幸いなことに、アクシデントに遭遇したドライバーに負傷はなかった。

アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は、序盤にトップグループを走りましたが、37周目にリタイアとなった。Chip Ganassi Racingのスコット・ディクソンとカナーンという、2人のベテランドライバーと3番手のポジションを争っていたロッシは、2台に挟まれるかたちとなってホイール同士が接触し、バランスを崩してターン3の壁にぶつかってしまった。

最も大きなアクシデントが起こったのは、152周目だった。6台がその場でリタイアすることとなり、そのうちの5台はホンダ勢のマシンでした。バックストレッチを3台が並んで走っている状況で、イン側にポジションを取っていたカナーンが、真ん中を走っていたジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)に接触。すると、ヒンチクリフがさらに外側を走っていたミハイル・アレシン(Schmidt Peterson Motorsports)にぶつかり、連鎖反応が集団の中で巻き起こった。

このアクシデントでヒンチクリフ、アレシン、序盤に15周をリードしたトリスタン・ボーティエ(Dale Coyne Racing)、エド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing)、そしてライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)がリタイアに追い込まれた。そして、このアクシデントを引き起こしたとして、カナーンにはピットでの20秒の停止という大きなペナルティーが科せられた。

レースがラスト20周に入ると、優勝争いにディクソンと佐藤琢磨(Andretti Autosport)が加わるであろうことが明らかになった。戦う相手はTeam Penskeのシモン・パジェノーとウィル・パワー。そんな中、佐藤琢磨は244周目にマシン左側を芝生に落としスピン。そしてディクソンのマシンにヒットし、2台そろって壁に衝突してしまった。佐藤琢磨はその少し前にピットロードでほかのマシンに衝突され、フロントウイングを破損していた。そして、修理に時間がかかって周回遅れに陥りながらも、粘り強く走り続けて、終盤に入ってからリードラップに復帰した。優勝に向けて果敢なアタックを続けたにもかかわらず、ゴールまであと少しのところでクラッシュしてしまい、悔しい結果となった。

マックス・チルトン(Chip Ganassi Racing)も多重アクシデントで被害を受けた一人だった。彼はレース終盤に6番手でしたが、アクシデントにより8位でゴールすることとなった。

最終的に、ウィル・パワーはペースカーの後方を走りながらチェッカー。トニー・カナーンはペナルティーを跳ね返してリードラップに戻っただけでなく、2位でのゴールを果たした。レイホールも終盤に優勝争いに参加し、4位でゴールした。

スコット・ディクソンはリタイアしたが9位となり、総合ポイントは326点と、ポイントリーダーの座を守っている。インディ500ウイナーの佐藤琢磨は総合獲得ポイント312点で同ランキング3位を保っている。

トニー・カナーン (2位)

「たいへんなレースでした。1ラップ目からゴールまで戦いは緊迫したままでした。 ジェームズ・ヒンチクリフに接触し、アクシデントを起こさせてしまったことは謝らねばなりません。少し高いラインまで行きすぎました。私たちは、そのミスの代償を払いましたが、2位でゴールすることができました。私とともに、あきらめずに戦ってくれたチームのクルーたちに感謝します。激しいレースでした。いろいろなことが起きていて、フィニッシュするにはいろいろなことを避けねばなりませんでした。レースが終わってホッとしています」

グレアム・レイホール (4位)

「クレイジーな夜でした。多くのドライバーたちがリスクのある走りをしていました。自分たちのマシンが無事だったのはうれしいですね。我々のマシンは最速のものではありませんでした。しかし、クルーたちが奮闘し、得られた結果には満足しています。勝ちたかったし、勝てるマシンになっていたとも思います。しかし、今晩のレースでは順位を保つのに苦労していました。アクシデントに最後まで巻き込まれなかったのは幸運です。最後のピットストップでエンジンをストールさせてしまった自分にガッカリしています。しかし、そのおかげでアクシデントに遭わなかったとも言えます。次のレース、ロードアメリカでの戦いを楽しみにします。私たちのチームはいい戦いを見せられると思います。3戦連続トップ5ですから、この次も内容のあるレースを戦い、いい結果を得たいですね」

佐藤琢磨 (10位)

「残念な結果です。レース後半、マシンはとてもよくなっていました。しかし、最後は不運な状況に陥ってしまったと思います。右前方に1台いて、僕はマシン左側を芝生に乗せ、ボトミングしたためにコントロールを失いました。グランドスタンド前のコース幅を使いきってしまったということです。今晩のレースでは、どのマシンもポジション争いで動き続けていました。エキサイティングなレースになっていただけに、あのようなかたちで幕を閉じることになったのはとても残念です」

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カテゴリー: F1 / インディカー / ホンダF1