インディカー:ホンダ 2022年 第9戦 ミッドオハイオ 決勝レポート
2022年インディカー・シリーズ第9戦Hondaインディ200・プレゼンテッド・バイ・オール・ニュー2023シビック・タイプRがオハイオ州のミッドオハイオスポーツカーコースで開催され、ディフェンディングチャンピオンのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が予選7番手から2位でフィニッシュし、表彰台に上がった。
蒸し暑いコンディションでのレースになることが多いHondaインディ200だが、今年は最高気温が摂氏30度で、柔らかな風が吹き寄せる爽やかな暑さの中、全長2.258マイルのコースを80周して争われるレースが開催された。
ソフトコンパウンドのレッドタイヤを履いてスタートしたパロウは7番手をキープしてレース序盤を戦い、ライバル勢の脱落によって6番手へと一つ順位を上げて1回目のピットストップに入った。ライバル勢よりもかなり早い25周目というタイミングで飛び込んだピットでパロウはレッドタイヤを連続投入。ここで思いきりプッシュすることで一気に2番手へとポジションを上げることに成功した。
2回目のピットストップでパロウはハードコンパウンドのブラックタイヤを装着。トップを行くライバルも同じくブラックタイヤを選んでおり、2人は3番手以下をジリジリと引き離しながら一騎討ちを展開した。すぐ前を走るドライバーにプレッシャーをかけ続けたパロウは0.5512秒差の2位でゴールラインへと飛び込んだ。
シリーズチャンピオンに輝くこと6回、ミッドオハイオで6勝も挙げてきているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は5位でゴールし、2022年のINDY500ウイナーで現在のシーズンポイントリーダーであるマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)も予選13番手から大きく順位を上げた6位でレースを走り切った。また、20歳のアメリカ人ルーキーであるデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)がデビュー9戦目にして初のトップ10フィニッシュを達成した。キャリアベストとなる9位というすばらしいリザルトを手にした。今回の予選で彼は8番手に食い込んでおり、決勝も9位でゴール。いずれもルーキー最上位の結果だった。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選19番手からスタートからの2周で3台をパスして16番手に浮上。その後も激しいバトルを戦いながら燃費セーブも実現し、27周目に7番手で1回目のピットストップを行った。序盤戦のフルコースコーションを利用してピットストップを行ったライバルたちもあったため、佐藤のポジションは1回目のピットストップ後に17番手まで後退。そこから少しずつ順位を上げて行ったのが、51周目にタイヤのグリップを失ってコースオフし、23番手まで後退。そこからもう一度追い上げをスタート。最終的に14番手まで順位をばん回してゴールした。
2022年シーズンも今回のレースから後半戦に入っている。エリクソンは今日のレースでも粘り強い戦いぶりを発揮し、7ポジションアップの6位フィニッシュを果たしたことでポイントランキングトップの座を守った。そして、ディフェンディングチャンピオンのパロウも5ポジションをゲインしての2位フィニッシュを記録し、ポイントスタンディングを5番手から4番手へと一つ浮上させることに成功している。
ディクソンはランキング6番手におり、8番手はアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)、9番手はシモン・パジェノー(Dale Coyne Racing with RWR)、そして10番手はコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)と6人のHondaドライバーたちがトップ10におり、149ポイントを獲得している佐藤琢磨はランキング18番手につけています。
シーズンの獲得ポイントが最も多いドライバーに贈られるルーキーオブザイヤー賞を賭けた争いではデンマーク出身のクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)がランキング17番手でトップにおり、同19番手のマルカスが彼を追う2番手、カナダ出身のデブリン・デフランチェスコ(Andretti Steinbrenner Autosport)はランキング22番手で3番手につけてる。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)
「ライバルの背後に迫り、ほんの小さな差で2位でのゴールとなりました。今週末はたくさんのファンがサーキットに来てくれ、その中の多くの人々が表彰台にも集まってくれたことに驚きました。Hondaエンジンを搭載する僕たちのカーナンバー10は今日も非常にスピードがありました。ほんの小さな差で優勝を逃すことにはなりましたが、僕たちのチームのピットストップは速く、戦略も本当にいいものでした。表彰台に上がり、多くのポイントを重ねてトロントに向かうことができることを喜んでいます」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「スタートでは狙っていた通りに順位を上げることができました。3つポジションをアップさせました。スタート直後の接近戦で接触されたため、マシンにダメージがあるかと心配されましたが、そのまま走り続けました。決勝日午前中のウォームアップでよかった部分をレース用のマシンには取り入れ、タイヤのライフを伸ばす方向性のセッティングに変更しましたのですが、その成果は僕たちが考えていた半分ぐらいでした。レース中盤にはいい感じでチームメートの後ろの16番手まで追い上げることができたものの、タイヤのグリップが大きく落ちてしまってコースオフを喫しました。あそこで順位を落としたのはたいへん残念でした。レース後半戦で何台かが後退していましたから、あのまま順位を保てていれば上位でのゴールも可能だったでしょう。レースの最後のスティント用にはレッドタイヤを選びましたが、レース終盤の走りでは思ったように順位を上げることができませんでした。新品のレッドタイヤでしたが、終盤戦までに変化した路面コンディションによる影響なのかグリップは低くなっていました。次戦は3年ぶりの開催となるカナダのトロントです。あのストリートコースでは最近の何年か良い走りができていましたから、とても楽しみです」
カテゴリー: F1 / インディカー
蒸し暑いコンディションでのレースになることが多いHondaインディ200だが、今年は最高気温が摂氏30度で、柔らかな風が吹き寄せる爽やかな暑さの中、全長2.258マイルのコースを80周して争われるレースが開催された。
ソフトコンパウンドのレッドタイヤを履いてスタートしたパロウは7番手をキープしてレース序盤を戦い、ライバル勢の脱落によって6番手へと一つ順位を上げて1回目のピットストップに入った。ライバル勢よりもかなり早い25周目というタイミングで飛び込んだピットでパロウはレッドタイヤを連続投入。ここで思いきりプッシュすることで一気に2番手へとポジションを上げることに成功した。
2回目のピットストップでパロウはハードコンパウンドのブラックタイヤを装着。トップを行くライバルも同じくブラックタイヤを選んでおり、2人は3番手以下をジリジリと引き離しながら一騎討ちを展開した。すぐ前を走るドライバーにプレッシャーをかけ続けたパロウは0.5512秒差の2位でゴールラインへと飛び込んだ。
シリーズチャンピオンに輝くこと6回、ミッドオハイオで6勝も挙げてきているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は5位でゴールし、2022年のINDY500ウイナーで現在のシーズンポイントリーダーであるマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)も予選13番手から大きく順位を上げた6位でレースを走り切った。また、20歳のアメリカ人ルーキーであるデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)がデビュー9戦目にして初のトップ10フィニッシュを達成した。キャリアベストとなる9位というすばらしいリザルトを手にした。今回の予選で彼は8番手に食い込んでおり、決勝も9位でゴール。いずれもルーキー最上位の結果だった。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選19番手からスタートからの2周で3台をパスして16番手に浮上。その後も激しいバトルを戦いながら燃費セーブも実現し、27周目に7番手で1回目のピットストップを行った。序盤戦のフルコースコーションを利用してピットストップを行ったライバルたちもあったため、佐藤のポジションは1回目のピットストップ後に17番手まで後退。そこから少しずつ順位を上げて行ったのが、51周目にタイヤのグリップを失ってコースオフし、23番手まで後退。そこからもう一度追い上げをスタート。最終的に14番手まで順位をばん回してゴールした。
2022年シーズンも今回のレースから後半戦に入っている。エリクソンは今日のレースでも粘り強い戦いぶりを発揮し、7ポジションアップの6位フィニッシュを果たしたことでポイントランキングトップの座を守った。そして、ディフェンディングチャンピオンのパロウも5ポジションをゲインしての2位フィニッシュを記録し、ポイントスタンディングを5番手から4番手へと一つ浮上させることに成功している。
ディクソンはランキング6番手におり、8番手はアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)、9番手はシモン・パジェノー(Dale Coyne Racing with RWR)、そして10番手はコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)と6人のHondaドライバーたちがトップ10におり、149ポイントを獲得している佐藤琢磨はランキング18番手につけています。
シーズンの獲得ポイントが最も多いドライバーに贈られるルーキーオブザイヤー賞を賭けた争いではデンマーク出身のクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)がランキング17番手でトップにおり、同19番手のマルカスが彼を追う2番手、カナダ出身のデブリン・デフランチェスコ(Andretti Steinbrenner Autosport)はランキング22番手で3番手につけてる。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)
「ライバルの背後に迫り、ほんの小さな差で2位でのゴールとなりました。今週末はたくさんのファンがサーキットに来てくれ、その中の多くの人々が表彰台にも集まってくれたことに驚きました。Hondaエンジンを搭載する僕たちのカーナンバー10は今日も非常にスピードがありました。ほんの小さな差で優勝を逃すことにはなりましたが、僕たちのチームのピットストップは速く、戦略も本当にいいものでした。表彰台に上がり、多くのポイントを重ねてトロントに向かうことができることを喜んでいます」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「スタートでは狙っていた通りに順位を上げることができました。3つポジションをアップさせました。スタート直後の接近戦で接触されたため、マシンにダメージがあるかと心配されましたが、そのまま走り続けました。決勝日午前中のウォームアップでよかった部分をレース用のマシンには取り入れ、タイヤのライフを伸ばす方向性のセッティングに変更しましたのですが、その成果は僕たちが考えていた半分ぐらいでした。レース中盤にはいい感じでチームメートの後ろの16番手まで追い上げることができたものの、タイヤのグリップが大きく落ちてしまってコースオフを喫しました。あそこで順位を落としたのはたいへん残念でした。レース後半戦で何台かが後退していましたから、あのまま順位を保てていれば上位でのゴールも可能だったでしょう。レースの最後のスティント用にはレッドタイヤを選びましたが、レース終盤の走りでは思ったように順位を上げることができませんでした。新品のレッドタイヤでしたが、終盤戦までに変化した路面コンディションによる影響なのかグリップは低くなっていました。次戦は3年ぶりの開催となるカナダのトロントです。あのストリートコースでは最近の何年か良い走りができていましたから、とても楽しみです」
カテゴリー: F1 / インディカー