インディカー:接触&ペナルティのマーカス・エリクソンが今季2勝目
テネシー州の州都であるナッシュビルのダウンタウンで初めて開催されたインディカー・シリーズ第11戦で、Hondaエンジン搭載マシンで戦うマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が優勝を飾った。
予選18番手だったエリクソンは、序盤のリスタート時に前方を走るマシンに接触してジャンプし、着地の際マシンのフロント部に大きなダメージを負ったが、ピットでマシンを修復すると、最後尾から追い上げてのすばらしい勝利を挙げ、ナッシュビルのコースに集まった大観衆を沸かせた。
フットボール用スタジアム周辺の道路や大きな川を渡る橋で構成されたユニークなコースを使ったレースで、Hondaドライバーたちが大活躍をみせ、この初開催のレースで1位から7位までを独占した。
全長2.17マイルのタイトでバンピーなコースを80周して争われたナッシュビルでの初レースでは、とても多くのアクシデントが発生した。その最初となったのが、5周目のエリクソンによるものだった。彼はリスタートへの加速するタイミングが少し早く、すぐ前を走っていたセバスチャン・ブルデーのマシンに後方からぶつかり、リヤホイールに乗り上げて宙に舞い上がった。
ブルデーを飛び越えてフロントから着地したエリクソンのマシンはフロントウイングなどを大破し、その修理後にはストップ&ゴーのペナルティーも課された。しかし、コースへと戻ったエリクソンにはスピードがあり、粘り強い走りが実って、レース終盤に優勝争いの一角に食い込んだ。チームの作戦が的確だったことや、多くのフルコースコーション発生によって助けられたエリクソンは、ポールポジションから目覚ましい走りをみせていたコルトン・ハータ(Andretti Autosport)とのトップ争いを展開することとなった。
エリクソンとハータのバトルは実に見応えのあるものとなった。エリクソンは、アクシデントによるダメージで完ぺきではないマシンだった上に、燃費セーブも実現しながらライバルを後方に封じ込め続ける戦いを余儀なくされていた。それでも彼はトップを守り続け、逆にハータの方はブレーキをロックさせていったん後退した。それから数周後、ハータが勢いを取り戻して再びエリクソンの背後に迫った。しかし、ハータはトップを奪還するアタックを仕掛けようというところで、ターン9のコンクリートウォールにヒットし、レースを終えた。
ハータに代わって2番手に浮上し、エリクソンへのアタックを開始したのは6度のタイトル獲得経験を持つスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)だった。しかし、エリクソンは先輩チームメートからの攻撃を受けてもトップを明け渡すことはなく、キャリア2勝目のゴールへと飛び込んだ。
エリクソン、ディクソンの順でChip Ganassi Racingが1−2フィニッシュ。そして、3、4位でゴールしたのはジェームズ・ヒンチクリフとライアン・ハンターレイという2人のAndretti Autosportのドライバーたちだった。さらには、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が5位、エド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)が6位、ポイントリーダーのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が7位と、Honda勢がトップ7を独占した。また、今年のインディ500で優勝し、史上最多タイの4勝目を挙げたばかりのエリオ・カストロネベス(Meyer Shank Racing)がインディ500以来のレースで9位に入り、Hondaエンジンを使う全チームのドライバ―がトップ10でのゴールを記録することにもなった。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、金曜日の走行開始からマシンセッティングで苦しみ、予選結果は24番手だった。しかし、エンジニアとの共同作業によって決勝日の朝のウォームアップでマシンを向上させ、チームメートのセッティングから得たヒントもプラスすることで、レースに臨むマシンの競争力を大幅に高めることに成功した。
決勝レースが始まるや、佐藤琢磨は生き生きとした走りでポジションを上げて行った。そして、早めのピットストップを行ったチームがあったことも影響し、佐藤は18周までに10以上のポジションをゲインして13番手につけた。ところが、20周目のリスタートで無理をしたドライバーがおり、佐藤の目の前でアクシデントを引き起こした。壁にヒットした2台がコースを塞ぎ、そこにちょうど差し掛かってしまった佐藤琢磨は停止していたマシンに接触。フロントサスペンションに決定的なダメージを受け、リタイアを喫した。
オリンピック開催中はオフとなっていたインディカー・シリーズだが、ナッシュビルからは3連戦。次戦はインディアナポリスのロードコースを使った今年2回目のレースとなる。
カテゴリー: F1 / インディカー
予選18番手だったエリクソンは、序盤のリスタート時に前方を走るマシンに接触してジャンプし、着地の際マシンのフロント部に大きなダメージを負ったが、ピットでマシンを修復すると、最後尾から追い上げてのすばらしい勝利を挙げ、ナッシュビルのコースに集まった大観衆を沸かせた。
フットボール用スタジアム周辺の道路や大きな川を渡る橋で構成されたユニークなコースを使ったレースで、Hondaドライバーたちが大活躍をみせ、この初開催のレースで1位から7位までを独占した。
全長2.17マイルのタイトでバンピーなコースを80周して争われたナッシュビルでの初レースでは、とても多くのアクシデントが発生した。その最初となったのが、5周目のエリクソンによるものだった。彼はリスタートへの加速するタイミングが少し早く、すぐ前を走っていたセバスチャン・ブルデーのマシンに後方からぶつかり、リヤホイールに乗り上げて宙に舞い上がった。
ブルデーを飛び越えてフロントから着地したエリクソンのマシンはフロントウイングなどを大破し、その修理後にはストップ&ゴーのペナルティーも課された。しかし、コースへと戻ったエリクソンにはスピードがあり、粘り強い走りが実って、レース終盤に優勝争いの一角に食い込んだ。チームの作戦が的確だったことや、多くのフルコースコーション発生によって助けられたエリクソンは、ポールポジションから目覚ましい走りをみせていたコルトン・ハータ(Andretti Autosport)とのトップ争いを展開することとなった。
エリクソンとハータのバトルは実に見応えのあるものとなった。エリクソンは、アクシデントによるダメージで完ぺきではないマシンだった上に、燃費セーブも実現しながらライバルを後方に封じ込め続ける戦いを余儀なくされていた。それでも彼はトップを守り続け、逆にハータの方はブレーキをロックさせていったん後退した。それから数周後、ハータが勢いを取り戻して再びエリクソンの背後に迫った。しかし、ハータはトップを奪還するアタックを仕掛けようというところで、ターン9のコンクリートウォールにヒットし、レースを終えた。
ハータに代わって2番手に浮上し、エリクソンへのアタックを開始したのは6度のタイトル獲得経験を持つスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)だった。しかし、エリクソンは先輩チームメートからの攻撃を受けてもトップを明け渡すことはなく、キャリア2勝目のゴールへと飛び込んだ。
エリクソン、ディクソンの順でChip Ganassi Racingが1−2フィニッシュ。そして、3、4位でゴールしたのはジェームズ・ヒンチクリフとライアン・ハンターレイという2人のAndretti Autosportのドライバーたちだった。さらには、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が5位、エド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)が6位、ポイントリーダーのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が7位と、Honda勢がトップ7を独占した。また、今年のインディ500で優勝し、史上最多タイの4勝目を挙げたばかりのエリオ・カストロネベス(Meyer Shank Racing)がインディ500以来のレースで9位に入り、Hondaエンジンを使う全チームのドライバ―がトップ10でのゴールを記録することにもなった。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、金曜日の走行開始からマシンセッティングで苦しみ、予選結果は24番手だった。しかし、エンジニアとの共同作業によって決勝日の朝のウォームアップでマシンを向上させ、チームメートのセッティングから得たヒントもプラスすることで、レースに臨むマシンの競争力を大幅に高めることに成功した。
決勝レースが始まるや、佐藤琢磨は生き生きとした走りでポジションを上げて行った。そして、早めのピットストップを行ったチームがあったことも影響し、佐藤は18周までに10以上のポジションをゲインして13番手につけた。ところが、20周目のリスタートで無理をしたドライバーがおり、佐藤の目の前でアクシデントを引き起こした。壁にヒットした2台がコースを塞ぎ、そこにちょうど差し掛かってしまった佐藤琢磨は停止していたマシンに接触。フロントサスペンションに決定的なダメージを受け、リタイアを喫した。
オリンピック開催中はオフとなっていたインディカー・シリーズだが、ナッシュビルからは3連戦。次戦はインディアナポリスのロードコースを使った今年2回目のレースとなる。
Pos. | Driver | Num. | チーム | Constr. | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | Marcus ERICSSON | 8 | Chip Ganassi Racing | Honda | 51 |
2 | Scott DIXON | 9 | Chip Ganassi Racing | Honda | 40 |
3 | James HINCHCLIFFE | 29 | Andretti Steinbrenner Autosport | Honda | 35 |
4 | Ryan HUNTER-REAY | 28 | Andretti Autosport | Honda | 32 |
5 | Graham RAHAL | 15 | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | 30 |
6 | Ed JONES | 18 | Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan | Honda | 28 |
7 | Alex PALOU | 10 | Chip Ganassi Racing | Honda | 26 |
8 | Felix ROSENQVIST | 7 | Arrow McLaren SP | Chevrolet | 24 |
9 | Helio CASTRONEVES | 6 | Meyer Shank Racing | Honda | 22 |
10 | Josef NEWGARDEN | 2 | Team Penske | Chevrolet | 20 |
11 | Santino FERRUCCI | 45 | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | 19 |
12 | Conor DALY | 20 | Ed Carpenter Racing | Chevrolet | 18 |
13 | Pato O'WARD | 5 | Arrow McLaren SP | Chevrolet | 17 |
14 | Will POWER | 12 | Team Penske | Chevrolet | 16 |
15 | Jack HARVEY | 60 | Meyer Shank Racing | Honda | 15 |
16 | Romain GROSJEAN | 51 | Dale Coyne Racing with RWR | Honda | 15 |
17 | Alexander ROSSI | 27 | Andretti Autosport | Honda | 13 |
18 | Max CHILTON | 59 | Carlin | Chevrolet | 12 |
19 | Colton HERTA | 26 | Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian | Honda | 15 |
20 | Cody WARE | 52 | Dale Coyne Racing with RWR | Honda | 10 |
21 | Simon PAGENAUD | 22 | Team Penske | Chevrolet | 9 |
22 | Scott MCLAUGHLIN | 3 | Team Penske | Chevrolet | 8 |
23 | Dalton KELLETT | 4 | A.J. Foyt Enterprises | Chevrolet | 7 |
24 | Rinus VEEKAY | 21 | Ed Carpenter Racing | Chevrolet | 6 |
25 | Takuma SATO | 30 | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | 5 |
26 | Jimmie JOHNSON | 48 | Chip Ganassi Racing | Honda | 5 |
27 | Sebastien BOURDAIS | 14 | A.J. Foyt Enterprises | Chevrolet | 5 |
カテゴリー: F1 / インディカー