レクサス セブリング12時間レース
LEXUS GAZOO Racing は米国・IMSAシリーズ第2戦となるセブリング12時間レースに2台のLexus RC F GT3を出走させた。厳しい路面での伝統の12時間レースに苦しみながらも、2台共に最後までレースを戦い抜き、シリーズ参戦2戦目にして2台揃っての完走を果たした(15号車クラス13位、14号車クラス18位)。

3月18日(土)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで、IMSAシリーズ第2戦セブリング12時間レースが開催された。

同レースは1952年から行われており、今年は65回目の開催となる伝統のレース。シリーズ第1戦デイトナ24時間、最終戦のプチ・ル・マン10時間(アトランタ)と共に、米国の3大耐久レースイベントとして高い人気を誇る。今大会は春休みの開催という事もあり、レースウィークを通して10万人を超える観客が訪れた。

今季よりLEXUS GAZOO Racingは、1月に発表されたばかりの「Lexus RC F GT3」で米国IMSA WeatherTech SportsCar ChampionshipシリーズのGTDカテゴリーに3GT Racingからフル参戦している。開幕戦となった1月28日-29日のデイトナ24時間レースでは、出場した2台のうち1台がクラス14位での完走を果たした。

第2戦セブリング12時間レースには、シリーズ参戦ドライバーのスコット・プルエットとセージ・カラムに加えて、3度のセブリング優勝経験を持つイアン・ジェームズの3名が14号車をドライブ。15号車はシリーズ参戦のロバート・アロンとジャック・ホークスワースに、オースティン・シンドリックを加えた3名で12時間レースに挑んだ。

1周3.74マイル(約6km)で17のコーナーを持つセブリング・インターナショナル・レースウェイは、元空軍基地だった滑走路を利用したロードコースで、コンクリート舗装とアスファルト舗装が混じり、凸凹が激しいことで知られる。その厳しいコースでの12時間耐久レースは、車両を鍛えるためにはもってこいのレースとも言える。

16日(木)と17日(金)の練習走行を経て行われた予選では、15号車がクラス4位、14号車がクラス5位につけ、決勝に臨んだ。

18日(土)好天の下で午前10時40分に12時間にわたるレースがスタート。序盤、5位、6位前後で走行を続けたLexus RC F GT3の2台は、1時間過ぎに発生したフルコースコーション時、同クラスの数台がピットインし、ピットタイミングがずれたため、ピット毎に順位を入れ替える展開となったが、首位と同一周回のまま、大きく引き離されることなくトップ10圏内での走行を続けた。

しかし、レース折り返しの6時間を過ぎた時、14号車はサスペンションのトラブルに見舞われ緊急ピットイン。作業テントへ戻っての修復作業を余儀なくされた。チームはこのタイミングで、ブレーキパッドとローターの交換作業も行い、14号車は9周遅れでレースに復帰した。また、14号車はこの後、フルコースコーションのタイミングで、ピットクローズ時に給油ピットを行わざるを得ずにペナルティ。タイヤのスローパンクチャーにも見舞われるなど、不運が重なり、更に順位を落とすこととなってしまった。

一方、15号車は順調にトップ6圏内で健闘。8時間過ぎには、ピットのタイミングもあるものの、トップと数秒差の3位へとポジションを上げた。

12時間の長丁場のため、どの車両もブレーキなどの交換作業が必要となる。15号車は8時間過ぎにピットでブレーキ交換作業を行ったが、ここで左フロントの交換に時間を要しタイムロス。また、ボンネットが緩むトラブルにも見舞われ、4周遅れの14位へとポジションダウン。

14号車は残り3時間半ほどのところで、突然コース上にストップ。燃料系のトラブルにより、長時間の修復作業を余儀なくされ、残り2時間を切ったところで、トップから54周遅れでレースに復帰した。

終盤、15号車は再びステアリングを握ったホークスワースがクラストップの車両を上回るハイペースで周回を重ねたが、ポジションを取り戻すまでには到らず。しかし、ホークスワースの15号車は、この日のGTDクラスで2番手となる最速ラップをマークした。

15号車はそのまま走りきってチェッカーを受け、クラス13位でフィニッシュ。14号車もメカニックの健闘によりレースに復帰し、クラス18位でチェッカーフラッグを受けた。これにより、Lexus RC F GT3は、デビュー2戦目にして初めて、厳しい12時間レースで2台揃っての完走を果たした。

次戦第3戦は4月7日(金)と8日(土)の両日、カリフォルニア州ロングビーチの市街地特設コースで、1時間40分のスプリントレースとして行われる。

スコット・プルエット (Lexus RC F GT3 14号車)
このような、新しい車両での参戦プログラムにおいては、1周1周が常に学習の過程であり、辛抱強くトラブルを克服しながら、開発を続けて行くことが重要です。その全てが我々を進化させてくれるはずです。TRD(TOYOTA Racing Development)-やTTC(トヨタテクノクラフト)、そしてチームと共に得たデータの全てを解析し、更に前へと進んでいきます。

セージ・カラム (Lexus RC F GT3 14号車)
タフな一日でした。幾つかのトラブルに見舞われましたが、それはセブリングに住む悪魔とも言うべき、レースにはつきもののトラブルでした。今日のレースで、我々に何が必要かを知ることが出来ましたし、そういう意味で良いレースでした。更に上を目指していきます。デイトナで我々は実質わずか2時間しかレースが出来ませんでしたが、今日のセブリングではレースの大半をトップから大きく離されることなく走り、ドライバー全員が好タイムで多くの経験を積むことが出来たことは良かったですし、正しい方向へと進んでいると思っています。これから数戦は2時間ほどのスプリントレースに挑むこととなりますが、この2戦、24時間と12時間耐久レースというのは、新しいチーム、新しい車両にとっては非常に高いハードルでした。それだけに、これからの数戦で我々がどれだけ速くなったのか見るのが楽しみです。

ロバート・アロン (Lexus RC F GT3 15号車)
予選は上手く行きましたし、Lexus勢の決勝のペースも順調でした。ドライバーの誰かがミスをしたわけではないと思います。皆良い走りをしましたが、幾つかのトラブルに見舞われました。残念ですが、同時に我々はとても良い走行ペースで、Lexus RC F GT3の将来のレースにおけるポテンシャルの高さを示すことが出来ました。トラブルが無ければ遠くないうちに結果が出せるでしょう。我々のLexus RC F GT3は素晴らしいレースカーで、努力すれば上位を狙える位置にいると思います。

ジャック・ホークスワース(Lexus RC F GT3 15号車)
我々のLexus RC F GT3は快調で、ペースの面でもデイトナよりも進化していました。レース中上位を争い、ファステストラップでも良い位置に着けられたのはLexusがとても良くやってくれたおかげです。今日は幾つかの些細なトラブルを除けば良いレースでした。始まったばかりのプログラムという事もあり、まだまだ期待は必要ですが、既にかなりの強さを持っていると思います。表彰台を争えるだけの速さはあるように見えました。早いレースカーを持ちながら、それを結果に繋げることなくレースを終えるのは残念ですが、我々のLexus RC F GT3が速いことは証明出来ましたし、まだこれから我々には多くのレースが待っています。

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カテゴリー: F1 / IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権