ニコ・ヒュルケンベルグ F1スペインGP5位「ゴールデンチケットを引いた」

今季限りでキック・ザウバーの名を終える同チームは、2026年のレギュレーション変更とアウディの本格参入に向けて過渡期にある。
ここまでポイント獲得が安定せず、ヒュルケンベルグがシーズン開幕戦で記録した7位が唯一のトップ10入りだった。
今回のスペインGPでは、ルーキーのチームメイト、ガブリエル・ボルトレトに予選で敗れ、Q1で敗退。ランス・ストロールの欠場によって15番グリッドからスタートすることになったが、序盤のピットストップと積極的なオーバーテイクによりレース中盤にはポイント圏内に浮上。終盤にはフェラーリのルイス・ハミルトンを抜いて6位でフィニッシュし、ペナルティ適用後に5位となった。
ヒュルケンベルグはレース後、「今日はすべてが噛み合った」と振り返った。
「スタートも良かったし、最初のラップはメガだった。多くのポジションを稼げたことが、レースの土台になった」
「その後は、クルマがすごく良かった。リズムもバランスも調和が取れていたし、アップグレードがしっかり効いてくれたのが楽しかったし、素晴らしかった」
「セーフティカーが出る前は8位だったと思う。あのセーフティカーがレースをちょっとかき回したね。昨日Q1で敗退して、すべて新品タイヤが残っていたのは、今思えば“ゴールデンチケット”だった。皮肉だけど、今日はそれが効いたよ」

今週末、キック・ザウバーは大規模なアップグレードを投入し、マシンのバランスと一貫性を向上。2人のドライバーにとって、今季これまでで最も自信を持って臨めた週末となった。
元世界王者ハミルトンを抜いたヒュルケンベルグの走りは、それを裏付ける内容だったが、本人は過度な期待は禁物だと強調し、ライバルとの差は依然として大きいと述べた。
「ルイスはユーズドのソフトタイヤで、僕は全部新品だった。昨日早々に負けたおかげだね。1周走るだけで、タイヤってかなり消耗するから、違いは大きい」
「もちろん楽しかったけど、僕らが“ビッグボーイズ”と戦える位置にいるわけじゃない。だけどミッドフィールドの他チームと戦えるようになったのは大きな進歩だと思う」
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